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部章節項目

社史の目次でよく見る「章、節、項」と呼ばれる見出し。階層的な構造にすることで、見た目で内容を理解しやすいようにしている目印でもある。単なる順番の意味だけであれば、憲法と同じように「条」を使ったりすればいいが、多くは内容をまとめて、分類仕分けして扱うための構造としての意味が強い。また、第n章、第n節までは表記することがあるが、第n項までは表記しないことが多い。

ちなみに、この文章のなかでの区分レベルである章、節、項を番号で標示する方法はかなり以前から標準化されていて、その基本となる国際規格は ISO 2145:1978 Documentation– Numbering of division and subdivision in writtendocuments である。この国際規格に対応する日本工業規格(JIS)は制定されていないが、JIS Z 8301:2008「規格票の様式及び作成方法」の 5.2.2 箇条の項に類似の規定があり、附属書A に実例を挙げている。なお、JIS では第 5 階層までの使用を認めている。

もちろん国際規格の場合は、下記のように数値として表現することになる。
1
2 2.1
2.2
・・・
2.11.1

まぁ、この構造の基本は「論文」になるのかな。それも西欧からの輸入品のようなスタイルなので、いわゆる漢詩が元となった日本語的な「起承転結」とは系統が違うけど、類似点はあるので、これはこれで、なかなか興味深いところ。

さておき、年史に話を戻すと。一つの目安として、「項」レベルがおおよそ600~800字程度の文章の塊で、それを内容的に分類・仕分けしながら積み上げていくと「節」や「章」になっていく。逆に「章」から階層を下げていくと、見出しの階層に過不足が生まれやすい。つまり、1つの出来事を簡潔な文章説明した「項」を、文章の最小単位として決めてしまうことが分かりやすい年史文章構造のベースとする。これは、階層の数を制限してはいないものの、あまり多いと読み書きに苦労するので3段階(章、節、項)までにとどめることが多いという理由もある。

諸説あるが、この階層構造は「部、章、節、項、目、目下」と6段階まであるようだが、すべてを使ったことは無い。階層が多すぎても理解しにくくなるだけで、本来的な目的を失うし。