なぜ人は「キンプリを見てください」しか言えなくなってしまうのか ―初心者のための『プリティーリズム』シリーズ入門(6)―



新作映画『KING OF PRISM by PrettyRhythm』 :男子プリズムショーを舞台に、『プリティーリズム』はあらたなるステージへ!

映画ポスター


 いよいよ本題です (前置きが死ぬほど長かったな)。『キンプリ』の予備知識をまとめておきます! また、「より深く楽しみたい!」「プリリズ未視聴のまま見てしまったので、もう少し人間関係なんかを知りたい!」という方のために、少しだけ細かい人間関係についても書いてみることにしました。


(1) 最低限の情報

 すでにさまざまな方が言われているように、『キンプリ』は事前の情報なしでも楽しめます。そこで、まずはあまり情報をつめ込まず、最低限ここだけはおさえておきたいということだけをまとめることにしましょう。大体以下のことがわかっていれば大丈夫です。

『キンプリ』を見るにあたっての最低限の情報


 まず、ポスターの後ろにいるなんか巨大な三人が『レインボーライブ』での紆余曲折を経てアイドルグループを結成しました。この紆余曲折についてはさまざまなところで説明されています (以下の記事や動画がそうです)。 (*ただし、個人的にはこれらは見なくても良いかな~とも思います。『キンプリ』冒頭にも紹介がありますし、なによりあまりこの三人のストーリーを先に知ってしまうと『レインボーライブ』本編を見たときの感動が薄れてしまうような気もするので。したがって、今のところ『レインボーライブ』を見るつもりはないぞという方のみどうぞ。)

animate.tv アツいボーイズたちのキズナ――『プリティーリズム・レインボーライブ』コウジ、ヒロ、カヅキの物語を振り返る


 続けて、先の記事で諸悪の根源みたいに書いた「エーデルローズ」ですが、現在主宰が交代し、主人公サイドの手に渡っています。「Over the Rainbow」もここに所属。

 その代わり、エーデルローズ主宰を務めていた法月仁が厨二病を以前にも増して拗らせて帰ってきました。新組織の名前は「シュワルツローズ」……

拗らせてます。画面に映るだけで破壊力がすごいです。


 ということで、『キンプリ』は エーデルローズ VS シュワルツローズ の物語。この認識でOK!

 そして、なんだかわからないけれど新キャラが凄い人数追加されました! なぜこんなに増やしたのってくらいいます。ぶっちゃけ『プリティーリズム』を視聴済みの人でも新キャラのことなんて知らないので、ここはみんな一緒。初体験です。つまり……ほとんど新作・新ストーリーだから、初めての人でも見られるのです!

 それじゃあここまでの話を踏まえてもう一度、映画トレーラーを見てみよう。なんとなくだけどわかるようになっている……はず…?



(2) もう少し詳しく知りたい人のために……。

 ただし、『キンプリ』には「知っているとニヤリとできるけど、知らないとなんのことだかまったくわからない」というシーンも多くあります。そこで、より深く『キンプリ』を味わえるよう、情報を絞りながらもうちょっと人間関係に踏み込んでみることにしましょう。

 一応注意書きをしておきますが、別にこれを把握しなくても『キンプリ』は楽しめます。なんとなーく頭の片隅に入れる程度で読み流してください。


 まず『キンプリ』の人間関係は旧三強プリズムスタァを軸に成立しています。彼らは現役時代にしのぎを削りあい、すでにプリズムスタァを引退した存在。『レインボーライブ』では三者三様にプリズムショーに関わりました。

プリズムストーンの仕掛け人。自分なりの方法でプリズムの煌きを広げるタイプ。

現エーデルローズ主宰。ロリコン疑惑やマザコン疑惑などいろいろ素行が怪しげな人物だけど、根は良い人。

元エーデルローズ主宰、現シュワルツローズ主宰。煌きなど生ぬるいことを抜かす黒川冷・氷室聖を敵視し、プリズムショーの競技化・商業化を進める。


 ここでは彼らを中心に『レインボーライブ』と『キンプリ』の人間関係をまとめていくことにします。

 はじめに、『レインボーライブ』本編での人間関係を見てみましょう (相変わらず見難い表ですみません)。『レインボーライブ』では、旧三強の関係は以下のようになっていました。

旧三強を軸にした『レインボーライブ』人間関係  (*「綾瀬」じゃなくて「彩瀬」でした…すみません。)


 この関係性は、『レインボーライブ』での紆余曲折を経て『キンプリ』開始時には次のように変化しています。聖がエーデルローズの経営を行い、その下に主要人物たちが集まっている状態です。仁は新しく組織をつくり、聖への復讐を企てています。

旧三強を軸にした『キンプリ』人間関係


 この子がいとちゃん。「✝クロス✝」と名乗っていた痛い子です。弟のユウくんも出てきますが、彼は「✝ゼウス✝」と名乗っています。なんでそんなところで似てしまったのか……。


 以上が『キンプリ』開始時の人間関係です! 基本的に女性陣はストーリーに大きく絡むことはないですが、なんとなく名前と立ち位置を把握しておくと『キンプリ』がより深く楽しめるでしょう

 そして、この状況のなかエーデルローズに入学してきたのが新しい主人公である一条シンくん。『キンプリ』は彼の視点で話が進んでいきます!

新主人公!ちなみにプリズムショーのことはまったく知りません。


 ここで強調しておきましょう。新主人公が参加するということは、『キンプリ』は『レインボーライブ』のおまけ的作品ではないということです! 「Over the Rainbow」たちの物語でもありますが、新たな主人公がいて、これまでに蓄積した人間関係を活かしたドラマが展開されます。したがって、私は『キンプリ』=新生プリティーリズム だと思っています。

 だから、もしプリティーリズムを見たことがあるのに『キンプリ』に尻込みしている人がいたら声を大にして伝えたい。「これは紛れも無くプリティーリズムだし、これまでのプリティーリズムよりも進化したプリティーリズムなんですよ」と。プリティーリズムが好きな人なら絶対に熱くなれる! 見に行かないのはもったいなさすぎます!


(3) 『キンプリ』を見てください!

 ここまでで散々プリティーリズムの魅力について述べてきたので、もう何もいいません。『キンプリ』は間違いなくおもしろいです。熱い歌とダンス+狂ったジャンプ+人間関係を活かしたストーリー。これが短い時間のなかに詰め込まれています。もうね、おもしろくないわけないじゃないですか

 しかも映画ですよ!映画! 大音量で音楽をビリビリと感じながら、大画面で展開されるジャンプに熱くなる。映画館で見ないでどうするんですか! 公開館数が少ない、上映時間が偏っているという問題は確かにあります。それでも、少し無理をしてでも映画館で見てほしい。言葉を越えて、直接ビリビリと伝わってくる感動があるんです。それをぜひ、体験してほしい。

 最後に。プリズムジャンプについて書いたところで私は、『キンプリ』を鑑賞した方々が「世界が煌めいてみえる」とか「悩んでいる人はみんなキンプリ見てください」とかちょっと危ない宗教じみたことばかり言うようになるのは、この作品が想いをジャンプの形で表現することで、なにげない普段の世界の見え方を変えてくれるものだからと述べました。

 詳しくは書きませんが、これが『キンプリ』という映画の本質だと私は思います。プリリズ未視聴の方はぜひ『キンプリ』を見て、新主人公であるシンくんと一緒にそのジャンプを経験し、シンくんと一緒に『プリティーリズム』の世界にダイブしてみてください。きっと映画が終わったときには、なにげない毎日が少しだけキラキラして見えるはずです……。

 …………でも、自転車乗ってるときにジャンプとかしちゃダメだからな!約束だぞ!





〈 あとがき 〉

 以上です。「プリティーリズムを見てください」となぜ言い続けてしまうのか。その理由を可能な限り言葉にしてみました。なるべくネタバレはしない、ショッキングな部分やおもしろいシーンだけ切り取って紹介することもしない。画像は可能な限り公式のものを使用する。内輪ネタも使いすぎない。そのうえで、『プリティーリズム』のおもしろさについて語る。それが目標だったのですが、うまくいったでしょうか・・・?

 おそらく、まだプリティーリズムのおもしろさの1/1000も伝えられていないかもしれません。JUNさんのおもしろさとみおん様のかわいさだけで記事がもうひとつずつ書けますし、ライブCGのクオリティの高さについても語りたい……でも、さすがに大分長く語ったので我慢することにしましょう。

 ただ、プリズムエリートの方々に改めて声を大にしていいたいのは、「プリティーリズムを見てください」「キンプリを見てください」と呼びかけるのと同時に、その魅力を楽しそうに語ってみてくださいということです。難しいというのはよくわかります。今回、記事を書き進めるにあたって、身に沁みてその難しさがわかりました。それでも私は、誰かが語っているものを読みたいし、誰かの感想を聞きたいと思っています。『プリティーリズム』は語る価値のある作品だからです。

 だから、プリティーリズムを語ってください。この記事がプリリズの布教に役立つと同時に、そういう刺激を与えるものになっていたとすれば幸いです。ではでは。



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