なぜ人は「キンプリを見てください」しか言えなくなってしまうのか ―初心者のための『プリティーリズム』シリーズ入門(2)―


 

(1) そもそも『プリティーリズム』とは…?

 さて、最初から本題にはいりましょう。いったい「プリティーリズム」とは何なのか。……実はこれを語るのが一番むずかしい。なんなのでしょう? アイドルもの? 子どもだましのアニメ? スケート? 絵を見てもなんだかわかりません。わかるのはマスコットがかわいくないことだけです。

スケートのような、アイドルのような? 

女児アニメにしては可愛くないマスコットキャラ


「プリティーリズム」について人に語ろうとすると、まずここでつまずくことになります。適切な言葉が見つからないのです。だから、もう諦めましょう。「プリティーリズム」は、「プリティーリズム」というまったく新しい何か (笑)。とりあえずはそう思ってください。

 そのうえで説明すると、『プリティーリズム』シリーズは以下の要素で成り立っています。

プリティーリズムの要素!!! ……だと思う 


プリティーリズムの魅力その1 :かわいいキャラクターとアイドル活動

 はじめに声を大にして言いたい。プリリズのキャラはかわいい!!!DVDやCDのパッケージを並べてみるだけでもう素晴らしいことになる。

 プリティーリズム・オーロラドリーム ライブチック・キャラクターソングCD act.5 めらめらハートが熱くなる Single, Maxi

プリティーリズム・ディアマイフューチャー 1stクール [DVD]

プリティーリズム・レインボーライブ プリズム☆ユニットコレクション Limited Edition

 しかしマスコットはかわいくない (しつこい)。……いや、慣れてくると結構かわいいし良いキャラしてるんですよ?

 

 繰り返します。キャラがかわいい! これでもう掴みは完璧。

 そのかわいいキャラクターがアイドルとして活動する (*作中では彼女たちは「プリズムスタァ」と呼ばれており、見ていくうちに「アイドル」とは少し違う何かだということがわかってくると思います。客から物投げられたり罵声を浴びせられたりとか。でも、視聴前はとりあえずアイドルなんだと思っていてOK)。

 こういう、可愛い女の子たちのキラキラしたガールズストーリー。それが「プリティーリズム」……ではない。それだけじゃないのです。



プリティーリズムの魅力その2 :素晴らしいBGMと曲たち

 でも、『プリティーリズム』がいわゆる「アイドルもの」とは少し違うのだということを説明する前に、とりあえず一通りアイドルっぽい要素を紹介してしまいましょう。

 CGダンスを行う以上曲があるのですが、その曲数とこだわりが凄いです。たとえば『KING OF PRISM from PrettyRhythm』と世界観を共有する『プリティーリズム・レインボーライブ』でのライブ曲数は (たぶん) 18曲! そのそれぞれに振り付けとダンスがあるという贅沢仕様。後述するプリズムジャンプのCGも加わるため、恐ろしいほどの労力がここには割かれています。これはもう必見というほかにない!

 そして、特筆すべきは曲へのこだわりでしょう。たとえば『プリティーリズム・レインボーライブ』で天羽ジュネ役をつとめた声優の宍戸留美さんは、ある曲の収録に5時間を費やしたとか。インタビューでは「今までの経験の中でも一番収録に時間がかかった楽曲」「その後しばらくは、歌ってなんだろうとちょっと悩んだくらい、今までにない経験でした」と語っています (『プリティーリズム・オールスターセレクション』アニメ公式ガイドブック p.110)。ツイッターなどで時折ジュネに触れていたりすることからも、この経験が宍戸さんのなかで強く印象に残っているということが伺えます。

 このエピソードだけでも、作り手の一曲一曲へのこだわりが伝わってくるのではないでしょうか。

ほかにも名曲はたくさん! (プリティーリズム・レインボーライブ/りんね「gift」〈試聴〉)

 

男子プリズムショー!(黄色い声援付き)   (「athletic core」 / Over The Rainbow(CV:柿原徹也・前野智昭・増田俊樹)試聴)

 

 こうしたこだわりの曲が、アニメ本編のストーリーと絡まりながら効果的に使われていく。ネタバレになるから書けないけれど、ほんとにもう使い方が上手いんです。歌がストーリーの一部になっている!

 さらに、個人的にはとにかくBGMを推したい!このアニメ、忘れられなくなるようなBGMがほんとうに多いんです!ただ、これも聞いてもらうしかない要素だし、語るとどこまでも細かくなるので、とりあえず割愛。


 さて、ここまではいかにも「アイドルもの」っぽいプリティーリズムの一側面について書いてきました。でも、これだけだったら取り立てて大騒ぎするほどのものでもないように思えますよね? プリティーリズムはそこで終わるものではないんです!! それについては、また次の記事で……。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?