わりと真面目なプリキュア感想文

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「理解」という概念では捉えられない、コミュニケーションにおける微細なズレ - 『プリキュア』『アイカツ』のシーン分析のための準備。

―目次―
序 なぜ、相手の頭のなかを覗くことなどできないのに、コミュニケーションが成り立つのか。
1節 本稿における問い。:「理解できる / できない」という概念で捉えられないことについて。
2節 「理解」という概念の分析。:そこで前提となっているものは何か。

 この記事は、本当なら1つの記事になるはずだったものの、前半部分を「準備編」として公開したものである。なぜ前半だけを切り離して公開したの

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つむぎを取り巻く問題はどのように“解消”されたのか。 ー 『映画ハピネスチャージプリキュア!人形の国のバレリーナ』 (別バージョン考察)

自分でも書いたことを忘れていたのだが、すでにブログで公開されているものとはまた違うバージョンの下書きを見つけた。最後の方以外ほぼ完成済みの記事なのに、どうやら納得いかず公開しなかったらしい。公開済みの方とは全く異なる内容になっているので、これはこれでと思い、とりあえず公開してみる。

 公開済みの記事が「他者」に焦点を当てているのに対して、この記事で焦点を当てているのは「概念と行為」である。どちら

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『プリティーリズム』『プリキュア』『アイカツ』という3つの女児向けアニメと「人間」について書いてみて。 - そこから何を書くことができたのか。

この数ヶ月で自分が何を書いてきたのかを振り返る小話。『プリティーリズム・プリパラ』『プリキュア』『アイカツフレンズ』を題材に、一応一連の記事のつもりで3つの記事を書いた。そこで書いたことと、なぜそれを書いたのかについて、振り返ってみたい。おさらい&整理の記事として。

 (本当は、「社会学において何が書けるのか (陳腐化に抗うこと)」「アニメを題材に何を書くのか (どのような距離感でそれを語るのか

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プリキュアで描かれた「障害」と介入について。あるいは、「理解できない他者」と共にあること。

◯「理解できない他者」に対して、我々は何を言うことができるのか

 先の記事で『プリティーリズム』シリーズは「理解できない他者」を描いていて、それが良いという話をした。私はこのアニメが描きだしたこの独特の距離感が好きだし、価値のあるものだと思っている。

 しかし、違う視点からも考えてみよう。実際のところ私たちは、(家族などの特殊な関係を除けば) 生活のなかで他者のことを簡単に理解できると思い込ん

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家族の問題に関心がある人ほど、新番組『HUGっと!プリキュア』は絶対に見たほうが良い………かも? という話。

先日のプリリズ記事に興味を持ってくれた人ほど、新しく始まる『HUGっと!プリキュア』は絶対に見たほうが良い……かもしれない……という小話です。

 先日、新しいプリキュアのテーマは「育児」だということが発表されたのですが……その情報が出た時点で私は少し不安になりました。

 不思議な赤ちゃん「はぐたん」を守り育てるため、襲いかかってくるワルモノたちとの戦いや、日々のお世話に大忙し。そんな多忙な毎日

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愛という名の暴力 - 『ドキドキ!プリキュア』で描かれる愛と虐待について

たくさんの方に読んで頂き、たくさんサポートして頂いたので、さすがに何か書かないとまずいぞ!となり、とりあえず「他にもこういうアニメがあるよ」という紹介をしておこうと思います。以前ブログで書いたものの再公開になるのですが・・・。

 2013/11/11に公開したものからネタバレを抜き、少し加筆しました。いずれにしても最終回前時点での考察になります。また、昔に書いたものなので、いろいろと論の運びが怪

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小林雄次『小説 スマイルプリキュア!』(2016年に読んだ、人にオススメしたい本 ④)

◯ 小説編:小林雄次『小説 スマイルプリキュア!』(2016)

「ねぇ、そのお話の続き、どうなるの?」(:9)

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 ディズニー映画に『ボルト』という作品がある。犬版『トゥルーマン・ショー』とでも言えばよいのだろうか? スタジオのなかで、自分が本物のスーパーヒーローだと思わされている役者犬が、外の世界を冒険する話だ。

 ひょんなことからスタジオの外に飛び出してしまったボルトは、「特

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「嘘じゃない。アンパンマンはそうなんだ。 でも、わたしにはできない。」 ―『それいけ!アンパンマン いのちの星のドーリィ』感想 (*ネタバレあり)

*ネタバレあり*

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 ジョバンニはあゝと深く息しました。

「カムパネルラ、また僕たち二人きりになったねえ、どこまでもどこまでも一緒に行かう。僕はもうあのさそりのやうにほんたうにみんなの幸のためならば僕のからだなんか百ぺん灼やいてもかまはない。」

「うん。僕だってさうだ。」カムパネルラの眼にはきれいな涙がうかんでゐました。

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「家族を選ぶことができる」ということ。 ―『映画ハートキャッチプリキュア』を中心にして

***2013/3/31公開記事に大きく加筆***

-ネタバレなし感想-

 梅澤さんは親子で楽しめる作品を目指し、「勧善懲悪にはせずに、幸せや悪とは何か?というようなテーマを盛り込み、何か感じてもらえるようにしている」と語る。例えば「ハートキャッチプリキュア!」では、人が誰でも持つコンプレックスをテーマとしており、梅澤さんは同作について「話を難しくしているわけではありませんが、重くならないよう

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血と愛と枷と糧 ― 『映画ドキドキプリキュア~マナ結婚!!? 未来につなぐ希望のドレス~』感想― (*ネタバレあり)

いつかきっと現実にぶつかることになるだろう。それでも、あの日もらった「愛」は糧になってくれる。

*2013/11/9に公開したものに加筆訂正。映画館で見た直後に書いたものです。ネタバレあり。

・血と、生きるということ。

 今回の映画は、死体や流血シーンをかなりリアルに書いていましたね。どちらも今までにない試みでした。

 たとえばハートキャッチでも目の前で父親が爆死したりするんですが、そこに

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