マガジンのカバー画像

読書。社会学とか。

41
運営しているクリエイター

2019年3月の記事一覧

ルーマン「社会学的パースペクティブから見た規範」(1969) 1節まとめ

 現在の周知の見解では、社会学と法学は存在[~であること]と当為[~すべきこと]の差異に従って分離されている。しかし、人間の行為を対象とするあらゆる科学は、存在および当為を主題とせざるをえない[:21]。もちろん、[存在と当為を扱うからといって]自然法の復興という方向からその根拠づけを行ってはならない。求められるのは「自然法における《自然》だったものを別のものにうまく置き換え」ることであり、「『人

もっとみる

マートン『社会理論と社会構造』序章・1章

序論 (p.p.1-14) 本書に収録された諸論文は、「理論と調査の統合」、「理論と方法の系統的整理」という関心に沿って蒐集されたものである (:1)。
 まず、理論について語る前にマートンが注意を向けさせるのが「中範囲の理論」ともいうべきものである (:3)。これは「日々繰返される調査などで豊富に展開されている、小さな作業仮説」と「社会行動の、非常に多くの劃一性をできれば導出するような主要な概念

もっとみる