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読書。社会学とか。

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2018年1月の記事一覧

社会学をすることとは、「つまらなさ」とぶつかり、それと向き合うことであるという話。- 卒論を書くとはどういうことか

社会学をすることとは、「つまらなさ」とぶつかり、それと向き合うことであるという話。- 卒論を書くとはどういうことか

 世の学生が卒論を提出する時期なので、「自分のときはああだったな」とか「論文を書くってこういうことだよな」ってことについてこのところ少し考えてしまう。考えていたら少しだけ言葉にできそうなことを思いついたので、手短に書く。ただし、難しいことを書く気力はないので、色々と語弊のある書き方になりそうだが勘弁してほしい。あと、なんか偉そうな文章ですみません。

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 先日友人から、「お前あ

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シュッツ『現象学的社会学』「8章 相互作用関係」

***2014/9/21に公開したもの***

◯ Ⅰ 間主観性と理解 (Pp.146-175)《他者・世界の自明性[Pp.146-8]》
 我々が自然的態度をとっているとき、他者の存在は疑問の余地のないものである[:146]。「世界」、「仲間の人間の身体的存在」「[他者の]意識生活」「コミュニケーションの可能性」「組織および文化の歴史的所与制」もまた自明のものとみなしている[:147-8]。日常

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奥村隆「理解の過少と過剰」

***2014/9/15に公開したもの***

 「コミュニケーションは原則的には不可能である、しかし実践的には不都合がない。つまり、彼[シュッツ]は、『理解』がどうしようもなく困難であることと、それがやすやすと過ぎていくことというふたつの側面を抜き出している」のであり、その側面を埋めるものが「常識的思考」であると説明している[奥村,1998:223]。もちろん、それは常識的思考に過ぎない。だから

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