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TKGはお友達

舌を亜全摘してからというもの「食べる」ことに執念を燃やし始めた私は「退院したら食べたいもの」を入院中にリストアップしていました。

舌がなくなる前は「食べる」ことに全く興味を無くした状態で生活していたので、その反動かもしれません。
なにしろ夫に「1日千円生活」を強要されていて、何より娘を飢えさせないようにする事でいっぱいだったので、辛うじて緑茶と白飯(夫の実家から送ってもらえる)で飢えをしのぐ状態でした。
夫には内緒にしていますが、商店街の方々が気の毒に思って「お店に出さない野菜だからオマケ」と下さった食材で家族分は賄ってました。ありがたや(>人<;)
食べ盛りの娘にはジジババという強い味方が付いていたので、こっそり美味しいものを食べさせてもらってました。またまたありがたや(>人<;)

家庭がそんな状態だったので、食に興味を持たないようにしていた…というのが本音です。
現在は生活費ちゃんともらってます。少ないですけどねw

その結果、手術前に受けた全身検査で「栄養失調」と診断が出てしまい、執刀医の先生に「戦時中からタイムスリップしてきたの?」と真顔で尋ねられるという伝説を作ってしまいました。

入院中からリハビリ科でのリハビリも始まり、理学療法士さんに「食べる(実際は飲み込む)」「喋る」訓練をしてもらってました。
最初は上手く飲み込めなくてムセてばかり。凹む私に理学療法士さんが「退院したら食べたいものリストアップしてみようよ」と言ってくれたのです。

食べたいものを書き出したら止まらなくなって、ルーズリーフ3枚裏表が一気に埋まりました。
コーンスープ・ミネストローネスープ・ショートケーキ・シュークリーム・チョコレートケーキ・コロッケ・メンチカツ・トンカツ・ロールキャベツ・卵サンド・ツナサンド・カツサンド…
「食べたいものリスト」を療法士さんに見せながら「定食も食べたいんですよね〜」などと話をしていました。
療法士さんは、スープやケーキなどは食べられるようになるけれど、パンやゴハンは食べられるようになるかは個人差があると話してくれました。
ゴハンは口の中でバラバラになるから飲み込めない、だからパンの方がいい人。パンは喉に詰まりやすいからゴハンをお粥にした方が飲み込める人。色々だそうです。
「白飯を食べる時は卵かけゴハンがいいと思うよ。卵は栄養価が高いし、ご飯粒がまとまってスルッと喉まで流れてくれるから飲み込みやすい」とアドバイスをくれました。

「退院したら食べたいもの」に執念を燃やしだした私はゼリー食をコンプリートし、トロミのついたジュースをクリアし、さらに嚥下造影検査(VF)を突破してミキサー食まで辿り着きました。

舌をほぼ切除したはずなのに美味しい…と感じたのは嗅覚が健康だったのと、手術の際、執刀医の先生が味蕾を少し残してくれていたおかげでもありました。先生ありがとうございます。

↑に挙げた「退院したら食べたいもの」は現在全て食べられるようになりました。
療法士さんからのアドバイスである「卵かけゴハン(TKG)」は私の食生活にかかせないお友達です。
パンも白飯も食べられるようになった事を執刀医の先生に話したら「え〜!?スゴイね!両方いけるなんて!」と驚き喜んでくれました。
「回復のスピードがスゴイから、勉強会で話題になるんだよ。ドクター達が毎回あなたの容態を聞きたがってね」と励ましてくれました。

固い食材や繊維の強い野菜、餅などはまだ食べられませんが、そのうち克服してやろうと工夫を試みる日々です。

食べたい食材を使って作った昨夜の晩御飯の写真
載せておきます。

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ザーサイ入り和風ハンバーグ

ザーサイが食べたいな〜と料理の本を読み漁っていたら参考になるものを見つけてアレンジしてみました。ザーサイと万能ネギのみじん切りが入っていてピリ辛美味なメニューです。完食。

もちろんこれにTKGもつけましたよ。私の大切なお友達ですもの(๑˃̵ᴗ˂̵)
お料理のレシピも段々にUPしていくつもりです。

書きたい事から書いているため話が前後します。辛い闘病体験は基本書かない予定です。(そういう体験は覚えてないという事実)

ご興味ある方は是非お付き合いくださいませ。

私の体験や考えている事を発信していきたいです。 同じ病気を抱えている方やご家族に明るい話題をお伝えできるよう日々精進!がんばるぞ!