小説 イマジナリーショート 一章

 電子音と鈍いエオルス音の様なものが鳴っている。両方が一定の周期で聴こえる。
ぼやけていた視界が慣れ、見えているものが白い天井と緑色のカーテンであることを認識した瞬間、力強く重い痛みが全身に走った。
痛みに反応する反射神経はどうやらない。
何処かで聴いた電子音でここが病院だと認識する。
全身の感覚はほぼないが指先で微かに感じ取れるシーツの感触で自分がベッドの上にいることに気付く。
かなりの重傷のようだ。
エオルス音の正体が呼吸によって口から漏れ出てる音だと理解した時に悟った。

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