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財団の役員・関係者からのメッセージ

稲村理事のご紹介

静岡イノベーション奨学事業団 代表理事の富田です。
6回目のブログ投稿です。
前回に続いて今回も当財団の役員・関係者からのメッセージを紹介します。

今回は、当財団理事のお一人、稲村徹哉さんです。
グローバル、超優良企業ヤマハ発動機で関係会社の社長も経験されていた稲村さん。教育やベンチャー企業にご関心をお持ちで理事をご担当いただくことになりました。

それでは以下、稲村さんからのメッセージです。

奨学生の皆様へ

静岡イノベーション奨学事業団 理事の稲村徹哉です。

今は、磐田市に本社のあるヤマハ発動機という会社で新事業開発支援の仕事をしています。

私は埼玉県さいたま市(旧 浦和市)の出身で、実家から4年間 東京理科大学 理工学部 経営工学科(千葉県 野田市のキャンパス)に通いました。

大学時代の私は自宅で教科書を開いた覚えがほとんどなく、テスト前一週間で先輩からもらった過去のテスト問題・解答を必死で覚たり、友人のレポートを参考にして課題をこなし、なんとか単位を取得していました。
勉強熱心な学生とは決して言えませんでしたね。 

それでも、大学にはほぼ毎日通い、授業にはまじめに出て、教師の話をよく聴いていました。 私が好きだったのは、学術的(アカデミック)な話よりも、社会で働いた経験のある教師から会社の内部や世の中の動きの話を聴くことでした。 

話を聴きながら「そうか、会社というのはそうなっているのか?」「仕事ってそんな苦労があるのか?」と自分が経験したことのない世界をあれこれ想像し、いろいろな気づきを得て(インスパイアして)いました。

私が大学で専攻した経営工学は、かなり学際的(一専門領域を深く探求するというより、複数の専門と隣接する中間領域を学ぶ学問)で、いろいろな話を聴くことができました。

統計学、生産管理、生産工学、原価管理、IT、経営論、マーケティング、多変量解析(多変量解析はとっても苦手でしたが)、認知科学、社会心理学、倫理学など、それまでのまったく自分が知らない世界で、それぞれの領域を探索されている教師の話は、私にはとても新鮮でおもしろく思えました。
 
ある日、生産工学の教師が話をしたフォード生産方式とボルボ生産方式(*ネットで調べてみてください。)の話と抱いた疑問は 今でも私の中に深く残っています。

私は、「そもそも工場の組み立てラインで単純労働をして働くオペレーターは、仕事がおもしろいのだろうか? 幸せなのだろうか?」という疑問を持ちました。私の質問に対してその教師の答えは、「必ずしも複雑で創造的な仕事だけがおもしろく、価値があり、そうした仕事をしていることだけが幸せとは限らない。」でした。
当時の私にはよくわからない答えでしたが。

会社に入って私はオートバイの商品企画や事業企画の仕事を長くしたのですが、学生時代に聴いておもしろいなと思い、気づきを得られた話が、仕事をする上でとても役立ったように思います。

会社や仕事にもよりますが、私がしてきた企画の仕事をする上でたいせつだったのは、『知識(知)の応用』だと思います。自分の持っている一つの知識だけで解決できるような簡単な仕事はほとんどありません。

複数の知識(知)をどう組み合わせるか、自分の持っている知識(知)を他の人が持っている知識(知)とどう組み合わせて、自分なりの気づきを得て、その気づきをその仕事で活かすかが求められました。まさに学際的な知識(知)の応用です。

学生時代に教師から聴いた話は、おもしろかったなぁと今でも思います。

静岡イノベーション奨学事業団 理事 稲村徹哉


富田です。
理工学部の経営学科で学ばれたことをお仕事生かされていて素晴らしいと思いました。「知の応用」いい言葉です。勉強になります。


給付型奨学金に興味のある静岡県の学生の皆さん