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財団の役員・関係者からのメッセージ

選考委員 高梨さんのご紹介

静岡イノベーション奨学事業団 代表理事の富田です。
5回目のブログ投稿です。
前回に続いて今回も当財団の役員・関係者のご紹介をさせてください。

今回は、選考委員の高梨さんです。
高梨さんとは、リクルートかつ浜松西高の後輩でもあります。今回財団の立ち上げにご協力いただくことになりました。 前職でも人事部長を経験されており、選考委員としては勿体無いくらいの経験の持ち主です。

それでは、以下高梨さんからのメッセージになります。

選考委員からのメッセージ

学生の皆さん、はじめまして。
静岡イノベーション奨学事業団 選考委員の高梨今日子と申します。

静岡県浜松市西区の出身です。浜松西高 → 明治大学 → 東京でリクルートに就職 → 会社を辞めてフリーライターに → 父が創業した機械メーカーを継ぐために浜松に帰郷 という道を歩んでいます。

この度、縁あって選考委員の依頼を頂き、ふたつ返事でお受けすることにしました。選考委員の仕事は応募書類を読み、面接を行い、奨学金の支給に相応しい学生を選ぶことです。選考委員はキャリアの異なる社会人3名が担当します。

選考委員… 学生さんにとって怖い響きですね笑。

面接というと、よどみなくコミュニケーションが取れるとか、学生時代に力を入れたエピソードがあるとか、とにかくアピール上手なタイプが有利な気がしませんか?

面接官によって価値観は様々なので、あくまでも私の場合ですが、アピール上手よりも 「人としての誠実さ」 と 「必死さ」 を感じられる方が断然ぐっと来ます。この2つは企業の研修で教えられない資質であり、社会人になって成長できるかどうかの重要な要素だと感じているからです。

私が大学4年生で就職活動をしていた時の話。

当時の私はリクルートが第1希望だったのですが、すでに第2希望の会社から内々定をもらっていました。図々しくも第2希望の会社には 「リクルートに落ちたら御社に行きます」 と伝えていました。

そして迎えた最終面接の日。
後で知ることになるのですが、その年は全員が圧迫面接でした。圧迫面接というのは面接官がわざと意地悪な質問をしたり、理不尽な圧をかけることで学生がどう対応するかを見る手法です。
今ではあり得ませんね。SNSで速攻拡散です。

面接官である人事部長は入室したとたんドカッと座り、一言の挨拶もなく、不機嫌オーラ全開。「志望動機は? 資格とか持ってるわけ?」と畳み掛けてきます。必死に答えても「君の話は理解できない。もしかして頭悪い?これ以上話しても時間の無駄」等々、ムチを繰り出してきます。面接が終盤に差し掛かっても全く盛り返すことができず、冷や汗も止まらず。

「あぁ完全に落ちたな」と思った私はヤケクソで

「今日の面接官は最終決裁者の方だと聞いています。
であればこの場で結果を教えて頂けないでしょうか?」

と言ってしまったのです。そして

「第2希望の会社が結果を待ってくれています。なるべく早くお返事がしたいのです」

と続けました。素直な気持ちでした。

人事部長はいったん席をはずし、5分後に戻ってきて
「4月から一緒に働こうね」と笑顔で言い、私は緊張で氷のように冷たくなった手で握手を交わしました。わけがわからず、腰が抜けそうでした。

入社式の日に人事部長が「面接で話す内容はさほど重視していない。圧迫面接に泣かずに食らいついてきた人を採用した。あなたは今すぐ合否を教えろと必死に言ってきたのが面白かったから」と…。ヤケクソ度胸が評価されたようです。

この出来事から30年、今では学生さんを面接する立場になりました。学生さん以上に懸命に、選考に取り組んでいきたいと考えています。

当財団は今年が初めての募集です。

いったいどのくらいの応募があるか、ふたを開けてみないとわかりません。
私たちは一人でも多くの学生さんと出会い、お話してみたいと思っています。
必要以上に自分を飾ることはありません。
自分の中にある「誠実さ」と「必死さ」を信じて応募してきてください。

会場で待っています。

静岡イノベーション奨学事業団 選考委員 高梨今日子


富田です。
アピール上手よりも「誠実さ」「必死さ」、確かに賛同します。

次回の投稿も財団の役員・関係者からのメッセージをご紹介する予定です。


給付型奨学金に興味のある静岡県の学生の皆さん