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みんなが知らないスーパーマーケットの世界⑥~奉仕の精神が半端じゃない。近江商人が生んだ地元愛されスーパー”平和堂”

みなさん、はじめまして。
シルタスのBizdivチームで働いている石川です。

ビジネスパーソンであれば聞いたことあるでしょう。

「売り手によし」「買い手によし」「世間によし」の『三方よし』

これは滋賀から端を発した近江商人の経営哲学でして、三方よし以外にも、「始末してきばる」が有名です。

「始末」とは無駄にせず倹約することを表すが、単なるケチではなくたとえ高くつくものであっても本当に良いものであれば長く使い、長期的視点で物事を考えること。また「きばる」とは本気で取り組むこと。

by wikipidia

近江商人が作った会社で有名どころを上げると、伊藤忠、東レ、ワコール、西武グループといった超大手企業がずらーっと並びます。

そんな近江商人の地、東証一部上場、売り上げ4,000億超え、滋賀を中心に約160店舗以上を展開するのが、今回紹介する平和堂さんです。

特徴的なのが、創業からずーーっとぶれずに奉仕の精神を貫き、地域から支持されてきているところです。もうそれが半端じゃない。常にお客様に正しくある、感謝・奉仕の精神を忘れない。

それをビジネスや社員に徹底してきたからこそ、大きく成長し、60年以上たった今なお地元に愛されているゆえんなのだと、私石川は理解しました。

平和堂さんを調べている最中、奥さんが買ったプリンをうっかり食べてしまい、とっさに犬のせいにした自分が恥ずかしいです。

それでは、奉仕を真ん中に、どのように成長してきたのか早速見ていきましょ~。

商人は正人。「正札販売」「品質の保証」「返品・交換の自由」宣言。

平和堂HPより抜粋

1957年、創業者の夏原平次郎さんが滋賀県彦根市で「靴とカバンの店・平和堂」として平和堂がスタートしました。

当時の小売業界では買い手と売り手 の駆け引きで値段が変わる販売方法が一般的だったところ、設立してわずか4年後、1961年には滋賀県内では初めて、全国でもまだ少数で あった「正札販売」をスタートしております。

「悪うございました。平和堂は本日より生まれ 変わります。1円の値引きもしない強情な店とお 叱りを受けるかもしれませんが、どなたさまにも 公平な値段で販売いたします。品質はあくまで 保証いたします。お取り替えや返品があったら 買っていただいた時の笑顔でお受けいたします」

当時は社員からも反発があったようですが(1円でも負けないってなると他所に逃げちゃうリスクがあるので)、創業者夏原さんは、お客様にとって正しいことを実行することを信じ、粘り強く社員を説得して実現したそうな。

そしてその成果は大成功。誰でも同じ値段で買えるようになったことで、 地域の皆様の間に信用 が広がっていきました。

さらに同年、まさかの「ハトの謝恩券」というポイントサービスも導入しています。100円ごとに1枚のシールが張られ、買い物券に交換できるとういもので、今の平和堂ポイントカード「HOPカード」の源流となっています。

平和堂HPより抜粋

そして1966年には増築した彦根店に食品売り場を増築するかたちで、生鮮食品から衣料品までワンストップで買い物ができる総合スーパー(GMS)となり、さらに拡大していきます。

世界で平和堂だけの言葉。「ご奉仕高」と「創造高」

平和堂HPより抜粋

平和堂では、売り上げ高のことを「ご奉仕高」、粗利益高を「創造高」
と呼ぶのだそうです。

社是である「商業を通じて豊かな暮らしと 文化生活の向上に貢献し、 より多くの消費者になくては ならない店になる」をさらに推進すべく、社内で制定されたらしいです。

 平和堂の商いは、お客様へご奉仕することが第一であり、私たちの 使命は、商品を通じてお客様により豊かな生活をしていただくために お役に立つことです。その結果が数字として現れます。つまり世間では 一般的に売上高といわれるものを、平和堂では、感謝の心とともに 「ご奉仕高」といい表すことにしたのです。 また、販売する商品をできるだけ低いコストで、より安く提供し、 お客様の欲しい商品を先取りして創っていく仕事を通じて利益が生ま れるので、粗利益高を「創造高」と表現することとしたのです。

『奉仕と創造』より抜粋

社是を掲げるだけではなく、もはや社内で使う言葉も変えてしまうというね。カルチャーが強い会社は、言葉にこだわっているなーという印象があるのですが、売り上げや利益を変えている会社は初めて知りました。
徹底ぶりが本当にすごいです。

70年代、オイルショックの時代に 610 品目の価格を据え置き

1970年代に2度起こったオイルショック、原油価格の値上がりから端を派し、ガソリンなどの石油関連製品の値上げにもつながり物価が上昇。消費者は大パニックということが起きました。

なんと、そんな中でも平和堂は、府の要請品目を4倍近く上回る610品目の 価格を据え置きました。

「お客様にご迷惑が かかってはいけない」「こんなときこそ明るい話題を」ということで意思決定したということですが、本当に頭が下がるというか、すごいの一言。

変わることを恐れない積極投資。

平和堂が「奉仕」とともに大切にしている「創造」。中でも先進的なことには業界内での先駆けて投資を続けています。

平和堂HPより抜粋
平和堂HPより抜粋

全部1983年にコンピューターを導入、1989年には大がかりな研修を実施して 全店への導入を完了しました。

同時にポイントカード「HOPカード」を誕生させ、 創業以来の仕組みをわずか1年で大きく変えていきました。

ちなみにこのHOPカード、100円1ポイントと還元率もさることながら、1,000ポイントに達すると現金で受け取ることができるらしいです!

2016年時点で365万人以上と相当な利用者数がいるのも納得。今はとんでもない数字になっていそうですね。

そして2013年には平和堂アプリをリリース。

いまでは多くのスーパーがポイントカード、自社アプリを運営しておりますが、平和堂はここで終わりません。

入れたらまさかのV-tuberを2018年にプロデュースしております。

SNSのみならず、店頭コーナーでも大活躍のようで、ぜひ一度見に行ってみたい。。。

最後に

みなさん、いかがだったでしょうか。

西川貴教さんを起用したイメージソングをリリースしていたりと色々面白いことをやられているのですが、多過ぎるので今回の紹介はここまで。

平和堂にまだ行ったことない!という方は、ぜひ関西に行った際に鳩マークを見つけたら突入してみてくださいまし。

ではでは。

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