ハンドレビュー。トップセットをツモったが・・・(追記)


アミューズの1ハンド。7人テーブル。
0.2-1-1bb 10%
6bb cap
Eff=約100bb

 プリフロップでアーリーから99でオープンし、BTNとSBがコールして3ウェイ。フロップで489rでセットをツモってSBチェック、ポット50%程度のCBを打ちBTNはフォールド。SBが少し考えてコール。
 ターンで♠︎7が落ちて SBチェック、ポット66%程度のベットにやや考えてコール。
 リバーで♣︎5が落ちてSBはクイックチェック。ポット30%程度のベットにポット100%程度のレイズオールイン。コール。相手はTQoをショー。

プリフロップ99♦︎♣︎(2.4bb)

HJ raises to 3bb, 2 folds, BTN calls, SB calls, 1 folds

 3wayで3bbオープンに横コールが二つ入っているという不思議なシチュエーションだがアミューズではよくある光景だと思う。
 横コールのレンジの見積もりとしては、一般的にはロー〜ミドルポケットとAXs、T以上2枚のスーテッド、スーコネなどが多く、単に緩めの相手であればAXo、T以上2枚のオフスートが含まれることが多い。プレミアハンドが含まれることはほとんどなく、キャップされたレンジになっている。SBのプレーヤーはやや硬めのマニアックだが時々緩くなり、プレイにはややムラがある。彼のSB横コールは結構めずらしいがハンドが入らず焦れている印象もあり緩めに入ってきた可能性もあるが、どちらかというとポケットが多いと考えていた。

フロップ ♥︎8♠︎4♣︎9(11bb)

 トップセットをツモったが、ロー〜ミドルボードでCBが打ちづらそうなボード。ただトップセットでポットを大きくしたいところで当然打っていく。バリューで打てそうなのはセット、上ポケ、89の2pや9ヒットのA9s, K9sなどでコンボは少なく、ブラフで打てそうなのは相手のオーバーカードをブロックすることが少ないTJsや67sは分かりやすいと思う。マルチウェイのゲームは全くよく分からない。一般的にはバリューに偏りベットサイズは小さくなる傾向にあると認識しているが正しいかどうかさえ不明。シンプルにトップセットが強く、オールインまで行けそうなサイズということでポット50%ベットを選択。BTNはフォールドしてSBは少し考えてコールした。
 少し考えてコールということで、考えたのにはまあ色々な理由があるのだと思う。こちらのレンジを見積もったのかもしれないし、やや大きめのベットである理由を考えたのかもしれないし、ハンドがコールするか微妙だったのかもしれないし、レイズを検討していたのかもしれない。8ヒットとか4ヒットは迷わずついてくる相手なので薄くなっているかもしれない。
 
ターン ♠︎7(21bb) (←♥︎8♠︎4♣︎9)

 ローカードはなんとなくコーラー側に有利そう、と考えてしまうことが多いが、このようにフロップでローカードが並び、CBしてコールされた場合にもそうなのだろうか?ということで調べてみると、実際にほとんどそのように働いているようだ。ただ、ターンで落ちたカードのヒット(今回は7)がヒットすることがコーラー側に多い、ということは理由ではなさそうで、フロップでベットした上ポケが弱くなっていること、お互いに同程度ストレートを持ちうることなどが理由のようだ。
 上ストレートや4568のガットからのストレートが完成するカードで嫌なカードだが、やはりトップセットが強く、ポットを大きくするためにシンプルなバリューを打ち継続してベットすべきだと考えた。「ターンのアクションはIP側はEQ に依存し、EQがポラーになるようにベットすることが均衡的には正しい場合が多い」という視点でみてみても、99のEQは高いと思う。相手の下ポケはついてくるし、7ポケもセットになっている。78や89の2pもそれなりに相手が持ちうるし、これらはついてくるだろう。7、9ヒットもついてくるかもしれない。
 相手はフロップより少し長く考えてコール。相手のコールレンジは?セット、2p、4や8ヒットからの♠︎フラドロ、7-9のヒットも含まれるかもしれない。ただ、SBで横コールするハンドに7や9ヒットはあまりなさそう。67やT9はあるが9はこちらが2枚押さえてしまっている。ストレート完成やストドロは?これらもコールに含まれそう。これらはバランスを考えるとチェックレイズしたいハンドと思うがOOPでこれらを一部コールに残しておきたいと思うし、SPRもだいぶ下がっているのでコールバックしてもリバーでオールインまでいけそうだし。問題はこの相手がそのように考えるかどうか?相手はややマニアックなタイプで、ストレート完成のコール止めはやりそうである。一方でストドロは積極的にレイズしてきそうではある。また相手は自分をどのようにみているか、それによってアクションはどう変わるか。おそらくタイトパッシブだと思われていそう。そうするとブラフチェックレイズは増えるだろう。
 ♠︎が重なったがフラドロは相手にありうるか。フロップで継続できてターンに残ってるフラドロはストドロからのコンボドローへの発展やヒットからヒットドローに進展したハンドで、Q♠︎T♠︎やA♠︎8♠︎などはあるかもしれない。

 実戦では考えていなかったがこちら側はどこでブラフするのか。♠︎が重なっているためフロップでAXsやKXsがレンジに残っているとブラフしやすい。489rのようなフロップでAXsやKXsにベット頻度があるのはこういう点が理由の一つかもしれない。Tや6のあるOESDがブラフしやすいが、67は7が重なってバリューが出てきて、少しブラフとしては使いづらいし9Tも同様。JTはすでにツモってるし、フロップでCBを打っていてレンジに残っているところでブラフはどこか。と考えると結構難しくて、QTとかQJとかをフロップである程度ベットしておくとバランスがとれてよさそうだ。

リバー ♣︎5(49bb)(←♥︎8♠︎4♣︎9.  ♠︎7)

 下ストレートも完成する5が落ちて99は結構辛い。相手はクイックチェック。ターンやリバーでストレートが完成しているハンドでクイックチェックするだろうか?こちらがアグレッシブだと見積もっていればそういうこともあるだろうが、おそらく自分はそのようにみられてはいない。

相手のもっていそうなレンジについて整理してみる。

・9セットより強い
TJs, (TJo), 66 , 56s, 67s

・9セットより弱い
44, 88, 77, (55)
78ss, 45ss, (57ss), (79ss), (89ss)
A4ss, A8ss, TQs, JQs, JQo,

さらに9セットが勝っているハンドを以下に分類してみる。

・9セットより弱くてベットにコール/バリューレイズする
44, 88, 77, (55)
・9セットより弱くてベットにコール/フォールドする
78ss, 45ss, (57ss), (79ss), (89ss)
・9セットより弱くてベットにフォールド/ブラフレイズする
A4ss, A8ss, TQs, JQs, JQo

 下のセット、2pなどをターゲットに大きめにベットするのがよさそう。ここで実戦で30%ベットをした理由は不明で、あきらかなミスプレイだと思う。とりあえず強そうなハンドは迷ったら大きめに打つ方がまだマシ。 このような安いベットだと今回のようにレイズオールインが来た時にとても困る。相手にはストレートがかなり濃くなり、こちらの99はそれほど強いハンドではなくなっていて、ブラフキャッチャーとしてしか機能しないようである。
 こちらのブラフはどこか?バリューで打てるのはセット以上でそれほどコンボは多くなさそうで、バランスを考慮するならブラフもそれほど必要なさそうだが・・・フラドロ滑り、上のストレートの引けなかったJ持ち、T持ちは相手のストレートもブロックしていてブラフにはよさそう。QJとかQTとかはこのラインに残しておくと強そう。
 試しにHJvsBBでの解析をみてみると、このボード(984r)ではフロップでKQやQJなどJやQ周りは高頻度でCBを打っている。実戦とはシチュエーションが大きく違うのでこれが正解と考えるのはまずいが、ボードに対するCBレンジの考え方としては参考にして良いと思う。J周りはブラフになるし、上のストレートになったときに大きくチップを奪うチャンスがある。同様に、リバーのシチュエーションに戻るとA2ssとかA3ssもSDVはなくブラフに使えるが、これもこのラインに残しておくことでブラフになるわけで、フロップ時点でCB頻度があることの意味がわかる気がする。

 実戦では相手がマニアックにブラフをしっかり打つ相手であること、ターン、リバーのアクションが淡白でストレートをもっていることは少なそうなこと、とくに下のストレートはそれほどコンボが多くなさそうなこと、などを理由にオールインにコールしたが、多分コールもフォールドも微差だと思う。(indifferent?知らんけど。)

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