ボムポット・続き

 別の見方をしてみる。
 前述の6-7bb持ち8人テーブルのUTGからは、ハンドの上位12%程度のレンジで均衡上はAllinが推奨されている。同様にボムポットにおいても上位12%程度のハンドでAllinする、と考えるのはどうだろうか。
 例として挙げているK73rのボードで、上位12%のレンジというと、セット、2p、Kの強キッカー(9以上)程度になる。これであれば、直感とも大きくずれていない。
 
 この戦略が正しいか誤っているかは別にして(誰か教えてください)、なぜEQで考えた場合と上位〇〇%で考えた場合で異なる結果になり、前者がおそらく誤っているかを考えてみる。
 プリフロップ時点ではEQの分布はかなり狭い範囲に収まっている。ランダムハンドに対するヘッズでのEQという形にしたときに、AJのようなかなり強いハンドでさえ63%程度のEQしかもたない。他に例を挙げれば、AAで85%、AKoで65%、99で72%程度である。逆に、24oであっても34%程度のEQをもつ。
 これに対して、フロップK73rにおいて、KKは97%、K7で93%とランダムなハンドに対して非常に高いEQを持つ。KTでも85%程度である。
 つまり、プリフロップとフロップではハンドごとのEQの分布が全く異なっているため、EQをベースにして通常ゲームのプリフロップアクションをボムポットに流用することはできない、ということになりそうだ。

 戻って、通常ゲームのプリフロップとボムポットのもう一つ異なる点は、先のショートスタックのAOF戦略では文字通りAllin or Foldなのに対して、ボムポットではcheck or betである点である。UTGであればこのようなことは問題にならないご、他のポジションではそれによってレンジの上位何%をレイズするか、という判断は変わってきそうだし、アーリーでもハメチェックが有効になる場面もありそうである。(つまり上記の仮定的な戦略は誤っている可能性が高い。)


 また視点を変えて、今度は一旦、ベットの意味、ということを思い出してみる。バリュー、プロテクション、ブラフ、という意味があったように思う。ボムポットはショートスタックのようなものであることから、3ストリートでベットせずとも、すぐにAll inまで行くことができる。このためバリューベットの価値は下がると予想。プロテクションの意味合いはボードによっては大きそう。ブラフについてはマルチウェイがベースであることから有効なブラフを打つことはかなり難しいと思う。セミブラフは実際には純粋なブラフではなく、ドローハンドでオッズの合うベットをバリューとして打つことはありそうである。

 具体的に考える。フラドロやOESDのあるボードでこちらがヒット系の場合に、プロテクションとしてベットが有効であるかどうか。
 32bbのボムポットに対して残りスタックは96bbとする。こちらからオールインすると、1人が相手の場合にはオッズが合わず、相手はコールできない。(コールがこちらの利益になる。)1人コールが入っている場合にはトータル224bbのポットに対して96bbのコール額になるので、ナッツフラッシュドローであればギリギリ、オッズはあってしまう。2人フラドロがいるケースはかなり稀なので、純粋に相手のフラドロだけを考えるとプロテクションの効果は見込めそう。さらに、バックドアも当然オッズでコールができなくなるが、8人参加の状況などではバックドアを引かれるリスクもそれなりに高くなっているため、この意味も大きそう。自分より強いハンドにコールされるリスク、弱いハンドにコールしてもらえるベネフィットがどうか。セットは2pや下のセットにコールをもらえそうで、フラドロの相手を含めてマルチウェイになっても一応フルハウスのドローが残るのでAllinは悪くなさそう。ただ仮にそのシチュエーションになると2pや下のセットがドローを抑えてしまっているという状況にはなってしまう。2pとフラドロが両方いる可能性は高くなく、その場合にもある程度のEQは残るし、セットはオールインできそうに思う。(しないとダメな気がしてきた。)

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