見出し画像

ベトナムコーヒー

意外かと思いますが、ベトナムはブラジルに次ぐ世界で第2位のコーヒー生産量を誇っています。近年でも安定した生産量を維持しています。そんなベトナムのコーヒーを紹介していきます。


1 ベトナムの国柄
 ベトナム社会主義共和国。東南アジアのインドシナ半島東部に位置する社会主義共和制国家。首都はハノイ。国土面積は約33平方キロメートル。人口約9621万人。

 かつては中国の朝貢国であり、北部地域では10世紀頃に中国から独立した王朝が建てられました。1802年には初めて現在とはほぼ同じ領土を統一した阮朝(グエンチョウ)が成立しました。

 その後、西洋列強の進出により1887年から1954年まで日本占領期を除きフランス領インドシナとして植民地支配を受けていた。1975年まで続いたベトナム戦争では国土全体が戦場となるなど、敵視に翻弄され続けてきた国でもあります。

 農業が盛んなベトナムだが、コーヒーは主要物の1つでもあります。2018年、農林水産物の輸出額は国全体輸出額の約16%を占め、農林水産物の輸出額が世界で15位の規模だった。コーヒー輸出はベトナムの農林水産物輸出額の10%を占めており、コーヒーはベトナムの主要な農林水産物の1つと考えられています。

 ベトナム人は、とても勤勉で家族のために一生懸命働くという思いがあるみたいです。プライドがありながら家族や友人を大切にする優しさがあります。

ベトナム街並み➀

 2 ベトナムコーヒーの歴史
 ヨーロッパの宣教師がベトナムで布教活動を行った際に持ち込まれ、フランスがベトナムを植民地支配の時代に栽培が始まったと言われています。当初は小規模な栽培でしたが、フランスがベトナムの占領をした1857年以降に大規模な栽培が行われた。

 1864年にサイゴン(現在のホーチミン)に植物園を作り、試験的にコーヒーのアラビカ種を栽培し、その後中央部、北部と広げていった。ランビエン高原では、アラビカ種、バンメトートではロブスタ種を栽培する。ベトナムは、こうして2001年にコーヒー生産量が世界で2位となった。

 

3 ベトナムのコーヒー農園
  ベトナムでは、約14万ものコーヒー農園があります。総面積は約37万ヘクタールです。フランスの植民地の時代に大規模農園が作られた後に分割されて作られた個人の小規模農園が今では9割を占めています。これらの小規模農園は、協同組合や国営の農園になっています。

 農園の多くは洪水被害を最小限にするために貯水タンクを持っていたり、灌漑システムを利用しています。

4 ベトナムコーヒーの栽培
 ベトナムでは、アラビカ種よりロブスタ種を多く栽培しています。生産量の約98%をロブスタ種が占めており、世界全体のロブスタ種生産量の4割はベトナムで栽培されています。ロブスタ種だけを見れば生産量は世界で1位ですね。近年はアラビカ種の生産も増えています。

 ロブスタ種のコーヒー豆はアラビカ種のように高い標高や降水量、日照量など激しい条件はあまり必要はなく、栽培が容易で生産量も多いのが特徴です。

 ロブスタ種の開花時期は、12月から2月で、収穫時期は10月から1月に行われます。アラビカ種の開花時期は10月から12月で、収穫時期は8月から11月。ロブスタ種とアラビカ種、どちらも手摘みで収穫されます。

 ロブスタ種はアンウォシュド(非水洗式)で精製され、アラビカ種はウォシュド(水洗式)で精製されます。乾燥はほとんど地面での天日により行わており、脱穀や精選及び選別は農園や業者の倉庫棟で、その多くは電子選別機によって行われます。

ベトナムコーヒー農園➁

 5 ベトナムコーヒーの特徴
 細かく穴の開いた金属製のフィルターをカップに直接おいて淹れるベトナムならではの淹れ方があります。

 フィルター構造上、コーヒーのこなが穴を塞ぐような形になり、お湯が通りにくくなっているので、ポトポトと抽出されたコーヒーが落ちてくるこの淹れ方を中国語では、滴滴珈琲(ディーディーカーフェイ)と呼ぶそうです。

 コーヒーの香りや苦味、酸味、コクの味を楽しめるのがアラビカ種ですが、ロブスタ種は焦げ臭くとても苦くストレートではとても飲めるものではありませんでした。そこで飲みやすくるために試行錯誤した結果「カフェ・スア・ダー」というコーヒーが生まれました。これはカップのあらかじめコンデンスミルクをたっぷりと入れ、その上からコーヒーを抽出して飲むときにスプーンでかき混ぜてから飲むコーヒーです。濃厚で甘く、コーヒー飴のような風味がします。

 このコーヒーが地元民にも定着し、最もポピュラーなベトナムコーヒーになりました。首都ハノイでは、コンデンスミルクの代わりにヨーグルトを入れることもあるそうです。

6 まとめ 
 ベトナムはコーヒー生産量が世界2位ですが、店頭であまり見かけませんよね。これは日本に入ってくるロブスタ種は、主にインスタントコーヒーや缶コーヒーに使われています。店頭では見ることが少ないのですが、何気なくベトナム産のコーヒーを口にしているのかもしれませんね。

 いろんなコーヒーの楽しみ方があるので、店頭でベトナムコーヒーを見かけたら飲んでみてください。甘いもの好きにはきっと気に入ると思います。

 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?