「ミーハーキャラなしＡＤ」がなんだかんだでディレクターになれちゃいました
当時、テレビ制作にもそんなに興味がない、クリエイティビティもない、個性もない、そんな僕が過ごしたテレビ業界８年間を綴りました。
なんの取り柄もない人間でも、意外とディレクターになれちゃいますよ。
自己紹介
入社して約８年の酒井です。
今はディレクターとして日本テレビの「ぐるぐるナインティナイン」「ニノさん」AbemaTV「宮川大輔のちょい釣り」を担当しています。
誰もが知っているテレビのスター達と仕事ができてとても光栄です。
軽い気持ちでテレビ業界に
大学時代は工学部でバリバリ理系の勉強をしていたんですが、就活間際で「スーツ着てサラリーマンってなんかやだな」「テレビ業界に入ったら芸能人と結婚できんのかな」なんていう超軽い気持ちでテレビ業界を目指しました。
なので、就活は結構苦労しました。
面接で「どうしてテレビ業界に？」「将来どんなテレビマンになりたいの？」と聞かれてもしどろもどろ・・・もはや何社落ちたか覚えてないです。
シオンの入社試験はグループワークが多かったのと、運が良かったのか…正直助かりました（笑）
そんなこんなでなんとかテレビ業界に入りましたが、待っていたのはしんどい日々…。
クセ強だらけの同期A Dたち
入社して配属されたのは今も担当中の「ぐるぐるナインティナイン」。
ぐるナイはシオン以外にも何社か制作会社が担当しているので、他社の社員も含め同期は多く最初は安心していました。が、この同期達がみんなクセ強！
・元芸人、放送作家もちょっとやっていたという関西人
・業界の知識豊富、知ったかぶり関西人
・趣味はボクササイズの天然男ＡＤ（他社）
・筋肉大好き、マッチョを待ち受けにする女性ＡＤ
そんな中にいるなんでもない僕。
いじられまくって先輩達と仲良くする同期達、一方僕は「お前はキャラがない」「一番先にやめそうだな」「お前はつまんないから◯◯キャラでいけ」なんてキャラを強制させられたり。
しかし配属されて３ヶ月後。急にみーんなやめて一人ぼっちに。
孤独下っ端ＡＤ酒井
急に1人になった僕・・・それまで同期で分担していた業務が一気に降りかかってきました。
ゴミ出し・電話の応対・申請関係・リサーチ・買い出し、本当になんでもやっていました。
「酒井これ申請しといて」「酒井これ明日までにリサーチしといて」「酒井ロケ地図作っておいて」「酒井コーヒー買ってきて」酒井酒井酒井酒井、あの頃のぐるナイは酒井が支えていたと言っても過言じゃないかも。
そのおかげでだいぶ仕事を効率よくできるようになりました。
業務の量もしんどかったですが、何よりしんどかったのが先輩からの「愛のある？イジリ」。
クセ強同期４人がやめたせいで、先輩のイジリも一気に降りかかってきました。
何回先輩を殴ってやろうかと思ったことか・・・（どんなイジリだったか、入社された方は聞きに来てください笑）
とは言いつつ、先輩達とは大の仲良しでした。休みの日に一緒にサッカーをしたり、週２～３回は一緒に飲みに行ってました。
イジられまくってはいましたが、可愛がられていたのも間違いないと思います。
先輩達がいなかったらこの仕事も続いてなかったかもしれません。
ちなみにこれは、カラオケでコスプレさせられた写真です。
スカートの中は・・・ご想像にお任せします。
もちろん、今言った話は昔の話で、今のぐるナイの人たちはそんなことしませんので、就活生及び新入社員の皆さんはご安心を！先輩と僕の関係性だから出来たことです！
結局楽しかったＡＤ時代
もちろんテレビ業界に入って楽しかったこともたくさんありますよ！
入社１年目から２泊３日で沖縄の石垣島にロケに行ってイルカと戯れたり、
宮古島で巨大マグロを釣ったり、
奄美大島でこれまたマグロを釣ったり、
北海道の凍った湖をソリで爆走したり、
全国いろんなところに行って、貴重な体験をたくさん出来ました。
特にタレントさんと行く地方ロケは最高！！
夕飯をみんなで一緒に食べるのでタレントさんと話が出来たりする。
宮川大輔さんと釣りをした後に豪華な魚介料理を食べたり、ナイナイの矢部さんと地方行くたびにご飯に行ったり。
（矢部さんがゴチクビになっていた時は、食材調達ロケでよく地方に行っていたので、最高でした！またクビになってくれないかな～。笑）
プライベートでは先輩のつてで、今をときめく渡辺直美さんのお家にお邪魔したこともありました。
嬉しすぎてその時撮った写真を３年間くらいずっと待ち受けにしていました！
ディレクターになってみて
そんなこんなでＡＤを５年間経験して、３年前にディレクターになりました！
デビュー作は「ぐるナイ」。ナイナイ矢部さんと千鳥大悟さんと一緒に地方の村でトリュフを振る舞うロケでした。
初めての担当ロケ、気合十分！ロケが面白くなるようにどんどん仕切っていこうと臨みましたが、緊張と慣れないロケ仕切りで、演出的なことは何もできず。。。
ただただ、矢部さんと大悟さんの面白さに助けられました。
（ほんとにカンペ持ってただけなんじゃないかな？）
そして「ディレクターって大変な仕事なんだなー」と身を持って実感。
ＡＤ時代、グチを言っていたディレクターの皆様申し訳ございませんでした。
今は「ぐるナイ」「ニノさん」「宮川大輔のちょい釣り」で多少ロケには慣れましたが、やっぱり今でも緊張します！
「タレントさんをうまく誘導・演出できるかな？」「ロケ時間は大丈夫かな？押さないかな？」など、色々考えすぎて、ロケの前日は「オエッ、オエッ」と嗚咽が出たりします！
ロケ終わった後の達成感は半端ないですけどね！
「あーテレビ作ってるなー」って余韻に浸りまくってます！
ミーハーな気持ちで入ったテレビ業界ですが、結局のところ「入って良かった！」
ロケでＡＤ全員が寝坊したり、僕の失敗のせいで新納先輩が怒られて泣き出したりなど、大変な思い出ばかりでしたが、今となっては良い酒のつまみになっています。
辛い仕事もたくさんありましたが、辞めずに仕事を続けてるってことは、結局「仕事が楽しい」「テレビ業界が好きなんだな」と感じています。
ちょっとでもこの業界に興味を持っている人がいたら、とりあえず飛び込んでみることをお勧めします。
株式会社シオン
ディレクター
酒井 普哉
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