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ゴールデンウィーク明けの緩んだ空気がヤバいので戦国時代になぞらえてみた。

初投稿でございます。よろしくお願いします。

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ゴールデンウィーク明けから街が緩んでるけど、戦の最中に具足外すたぁ何事だ?あ?
と兵どもを叱り飛ばしたい気持ちに駆られるが、それは兵に言っても仕方がない。

弓矢が飛んでこないから今日の戦は仕舞いかい?と一人が具足を外し、それが伝染する。
鉢金を締め直せ!陣形を保て!
とここで号令を掛けなきゃならん司令官たちが、そもそも何のための戦かを分かっとらんのだから仕方がないのだ。おまけに必死さが足りん。

昔だって田植えの時期に民を召集するには扶持米を多めに積まなきゃ来てくれない。
そりゃ当たり前な話で、みんな生活が優先だからだ。だから信長以前の戦は春秋の繁農期にはあまり活発に行われなかった。
そこで信長は繁農期でも動けるようにと常設軍を整備し給料を支払った。続いだ秀吉は生産力の落ちそうな集落に治水を施し効率化をはかり、時には給料を払ってその時期の召集を可能にした。

農民たちからしたら田植えに必要な人手を欠かしてでも戦に行かなければならない、なんてなった時に「お国のために」なんて理由なぞあるわけがない。生活ですよ生活。補償がなきゃ民が動かないのは昔から変わらんのだ。

でも、きちんと給料を払うか、人手を出した分だけの報酬を与えることで、人集めに成功した大名たちは民を軍勢にし、戦地へと向かわせることができる。
死ぬかもしれないリスクを背負って戦地に来てしまった民は仕方ないから死なずに生きて村に帰るために一所懸命に戦うのだ。

殿様には戦う理由が大いにあるから、戦が仕舞いになったわけでもないのに具足を取ろうとする民がいれば、叱り飛ばして引き締め直そうとする。これに負けたら国が乗っ取られるという危機感が大声で叱り飛ばす原動力になるのだ。もちろん生きて帰らなきゃならん農民だって、怒鳴られりゃ引き締まる。そうだったそうだった。こんなとこで死ぬわけにゃいかんのだ、と。

そんなわけで信長以降、農民に補償を与えることで軍を整備・維持していけない頭の古い貧乏大名たちはどんどん負けていき、戦国の舞台から去ることになった。
シンプルだけど、農民の暮らしが苦しくならないよう十分な補償を与えることで人的リソースを戦に充て、敵に攻め込まれるような隙を作らないよう整備した国が勝っていったのだ。

となれば、大名側の問題は備蓄だ。給料を払うには備蓄がなければならない。
もしも負けたら国が乗っ取られる程の危機が訪れた時、備蓄が心許ないとしたら?
ヤバい。負けるかも。負けたら当然自分の立場なんて吹っ飛んでしまう。

大名は考えた。ここが勝つか負けるかの分かれ目だとしたら、備蓄なんて全部吐き出してでもやらなきゃいけないと腹を括る。備蓄を残しても負けてしまっては元も子もない。ここで勝てるのなら全部使い果たしても、なぁに、またみんなで頑張って国を建て直せば良いではないか。
そして備蓄が足りないと分かれば、仲の良い他の大名に借金をしてまで乗り切ろうとさえする。そうでもしてこの難局を乗り越えねばと必死になる。その必死さは補償の金額にも表れることだろう。農民も頑張っちゃうかも。

ところで今私たちのお殿様はどうだい?

殿様は呑気に三味線抱えた人気太夫と勝手に浮世絵コラボしてるし、お触れに従順に従ったばかりに死んでしまった農民がいるが「それは拙者のせいではない。民が勝手に勘違いしたのだ」と重臣はこきやがる。戦局を知るには相手の残り兵数なり自陣の死傷者数の把握が必要だが、どうにもあやふやだ。勝ってるの?負けてるの?

そもそも、だ。戦に備えよ、と領民全員に具足を配るといったのに、それだって未だに来やしない。そのうえこの具足ってえのが、聞いた話じゃ、このご時世に和紙を固めただけの鉢金だぜ。金属ですらねえよ。弓矢も槍も簡単に突き抜けるって。だいたいそんなんで戦やろうなんてそもそもやる気あんのか?知らね知らね!おら田植えのが大事だ!


今の日本って貧乏大名が領有してる国となんら変わらないんじゃないすかね。滅ぶよ。

【2020.05.10改稿】

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