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外来看護師のひとりごと44

みなさんこんにちは。
紅里です。

すっごく久しぶりの外来看護師のひとりごとです。

ずっと写真や旅行記や懐かないねこばかりで、すっかりこちらがご無沙汰になっていました。


今回は医療のIT化についてお話ししたいと思います。


吸入器はご存知でしょうか。
喘息やCOPDなど肺に直接薬を届けることができる吸入はとても大切な薬です。

でも使ったことがある方は分かると思うんですが、忘れてしまうことも多い薬です。
少し症状が良くなると忘れちゃう、面倒くさい、やらなくてもいいやと思ってしまう。

吸入を処方されている患者のうち、約3割しか吸っていないという驚愕のデータもあります。

それでなのかはわかりませんが、一部の吸入器には吸ったかどうかがわかるセンサーをつけることができます。

誰が、いつ、どこで、何回吸ったかがデータとして病院のパソコンに飛んでくるんです。

症状が良くならないと言う患者のデータを見ると実は全然吸ってない。
だから良くならないんですね、というのがわかるんです。
逆に、こんなにきっちり吸っているのに症状が治まらないのは、この治療が合っていない、もしくは他の疾患の可能性もあるかも?
ということがデータから客観的にわかるんです。

すごいけど、ちょっと監視されてる感ありますかね?

まだあります。

抗がん剤治療を行なっている患者がいます。
今は治療日誌を渡し、いつ、どのような副作用がでたのかを記載してもらってます。
そして何かあれば外来に連絡くださいねと伝えています。

しかし海外の一部ではスマートフォンに副作用のアプリを入れ、もしくはiPadなどを渡し、副作用をチェックする方法がとられています。
標準を大きく上回る副作用にチェックがついた場合は病院のパソコンでアラートがなります。
それに気づいた看護師が患者に電話をかけ状態を確認し、然るべき対処をとるのです。

この方法で生存期間が延長したという、これまたびっくりするデータがあります。

これを受け、今治験という形でスマートフォンによる副作用チェックが始まっています。

初めこれを聞いた時
「でも病気に罹患するのは高齢者が多い。果たしてスマートフォンが扱えるのか?」
と私は思いました。

確かに扱えない人はいます。
でもスマートフォンが普及し始めたのは2010年頃。
その前から携帯電話はありました。
今70歳の人だって12年前の58歳からスマートフォンを使っていたかもしれないのです。
ならばアプリを開いてチェックをつけるくらいはなんて事ありません。
医療者が勝手にスマートフォンを扱えないんじゃないかと決めつけているだけなのだと聞いて、至らぬ思いで恥ずかしくなりました。

このように医療のIT化はどんどん進んでいます。私の子ども達のZ世代が大人になった時、果たして医療はどこまで進んでいるのでしょう。

もはや採血なんてしなくても、手をかざすだけで血液データが出る日も遠くないのかもしれません。

私もコンピュータは苦手なんですが、時代に乗り遅れないよう勉強したいと思います。

では今日はこれで失礼します。
また読んでいただけると嬉しいです。

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