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ピザハット DE ピラミッド〜ブルース・リーも言ってたけど私も言うよ〜

Uberを制す者は、エジプトを制す」とはよく言ったもので(知らんけど)、Uberを制する者は、あのピラミッドだって制することができるのだ。

そもそもエジプトってなんだかすごく行きにくそうだし、ましてやピラミッドなんてどこの地の果てにあるのよ、ってずっと思っていたのですが、まーUberを制する者はピラミッドも制するわけで。まさかまさかの、街の中心から驚くほどあっさりと行けちゃうわけです。車で道走ってたらね、急にね、ひょっこりはんしてくるわけです。あの三角頭がひょっこりと。

その距離、街中からUberで30分!250円!という驚きを何かに例えるとしたら、福岡空港から天神・博多(街の中心)まで、地下鉄で5分!!え!?空港↔︎市内は1時間強ほど要するのが世の常識ですよね!?ふ、福岡ってば、、ネ申!!
っていう驚きと、似ています。

とにかくうかうかしてると急に現れるので、興奮する準備をしていた方がいい。

約4500年前。
日本人が地味に縄文土器を作っている最中、エジプトでは超ド級のピラミッドが作られていました。

ピラミッドは「ファラオ(王)のお墓」説が最も有力だけれど、それさえも確定的ではないらしい。謎が多すぎていろいろ探ろうとするのだけど、エジプトという国は、歴史やら神話やらが複雑に混じり合いすぎていて、知れば知ろうとするほど頭の中がゴタついていく。

ファンタジーな登場人物(リアルなの?偶像なの?みたいな人たち)も多く、なんと言っても王や神を辿る家系図が相当にめんどくさい。

ピラミッドについて、もはや確実な知識に到達することが困難すぎると判断しましたので、四の五の考えんととりあえずピラミッド見たらええんや!!という気持ちでいっぱいです。

ただただ目の前に立つだけで、「エジプトの難解度数がハイスペックすぎて、簡単に理解することが出来ない」ということを理解することが出来るのが、ピラミッドだと思っています。

Don't think!Feeeeeel....!ってことなのです。

引きで見ると、小さく見えるピラミッド。
しかし、本物を目の前にするとすごい。実寸で見るひとつひとつの岩が、それはそれは揺るぎない巨大さでして。これはもうね、世界遺産界の進撃の巨人。誰も太刀打ちできない、ただただドでかいヤツを目の前に、誰しもが思うあの定番中の定番の疑問に直面するわけです。

「この岩どうやって運んだんだよ」問題。

ひとつの岩(直径約150cm/重さ平均2〜3トン)✖️約270万個。時代が時代なわけで。日本では縄文土器しか作ってないわけで。目の前にいる微動だにしない進撃の巨人(岩)を手で撫でるやいなや、ただただ何の語彙力もなく「しゅ、しゅごい。。」という言葉しか出てこないわけです。

✔︎270万個の岩のひとつひとつがスコーンときれいな立方体に切断されている技術。

✔︎ピラミッドの表面がきれいに真北を向いていて誤差が1度しかない正確さ(現代技術を用いても非常に難しいらしい)。

✔︎3つ並ぶそれぞれのピラミッドの角度がきれいに平行。

✔︎ピラミッドの内部は入り込んだ通路やいくつかの部屋がある3D構造、且つ、内部は常に20℃に保たれるように作られている設計。

他にもいろいろあるが、何ひとつとっても謎しか残らなさすぎて「しゅ、しゅごい。。」という言葉しか出てこないわけです。
(↓この岩づくめの中が空洞だなんて)

とにかくピラミッドにおいてはFeeeelすることが大事。かの有名なピラミッドが目の前に立ち凄んでいる感動をただただ感じられれば、それでいいのだ。

現実世界で出来上がったものとは到底思えないので、謎解きはなしにしよう。

と思っていると、
「朝は4本足、昼は2本足、夜は3本足で歩く生き物は何か」と、スフィンクスが謎かけをしてきた

顔は女で身体はライオン、鷹の羽を持ったスフィンクス。やってきた旅人に謎かけをし、答えられない者を次々と食い殺していく珍獣として、ギリシャ神話に登場。

朝は4本足?昼は2本、、?
や、やばい!わ、わからない!私の代わりに答えてオイディプス〜〜〜!!

その昔、オイディプスという若い男がいた。山でスフィンクスに遭遇し、例のごとく謎かけをされた。「朝は4本足、昼は2本足、夜は3本足で歩く生き物は何か」。

オイディプスは答えた。

これまでの旅人たちは答えることができず、喰い殺すことばかりをしてきたスフィンクスであったが、オイディプスがまさかの正解を出してしまった!あっけなく謎を解かれたスフィンクスはショックのあまり、自ら命をたったのだという。

かたや賢者のオイディプスは、養子として育ったために実の父母を見たことがなかった。それゆえに、実の父親を、実の父親だと知らずに誤って殺してしまったり、実の母親を、実の母親だと知らずに結婚して子どもを授かってしまったりと、人間失格、私は恥じるべき人生を送ってきましたそのものであった。

その自らの恥じるべき過ちを知ってしまったオイディプスは絶望を抱き、「真実が見えぬ目なら要らぬ!!」と、自ら2つの目玉をくり抜き、乞食となって余生を過ごした悲劇の男である。

R.I.P.スフィンクス。
god bless you...オイディプス。

私の目の前に寝そべるスフィンクスは、微動だにせず、ずしりと地面に体をつけてただただ遠くを見ている。4500年ものあいだ、ずっとこうして見ている。その目線の先には、かの有名な、、

ピ、、ピザハット、、!!

前述したように、ピラミッドは意外と普通の場所にあって、敷地内にはピザハットやケンタッキーなどのお店もある。そしてこのピザハットの2階が、実は有名なスポットなのだ。

ここは、ピラミッド3体&スフィンクスという豪華パノラマ画を、真正面からきれいに臨むことができることで有名だ。ピラミッドを見ながら、そしてスフィンクスに見られながらピザを食べる日が来るなんて。全米が泣いた。

(↑ピラミッド様たちをピンボケさせて主人公になりすますペプシ。贅沢か!)

空の色がじんわりとオレンジ色を帯び始め、溢れ返っていた観光客も減っていった。

ピラミッドとスフィンクスは、さっきまでの”見せ物”となっていた姿とは打って変わり、古代からの歴史をその体にしっかり背負った“世界遺産”として、広大な空の下、地球という地にどっしりと身を構えている。

流れる夕陽を背負った彼らは美しかった。歴史の偉大さと人類の生命力を感じた。これまでもこれからも、揺るぎない孤高さを解き放っていくのだろう。

帰り際、思い出に何か欲しいなと思い、ピラミッドの模型やガラス製品などが売ってある露店に立ち寄った。

いくつもの店が横並びに続いていて同じような物ばかり売ってあるので、一番お買い得な店で買おうと思った。さらには値切ればもう少し安くなるはずなので、値段交渉も欠かさない!っていうのは旅のあるあるで、長年旅をしている私はなかなかこの交渉力が長けている気がしてる。と思ったんだけど、この店のおじちゃんはなかなか値下げてくれない。

たったの100円200円ほどの値引きを粘る私もなんですがね、その土地に行くとその土地の物価が身に染みつくもので。100円200円でコシャリ食べられますからね。ランチ一食分、こちとら日本でいう1000円くらいの心持ち。

で、ついにそのおじちゃんが「そんな値段じゃ売らねえよ、諦めな」とでも言わんばかりの物言いだったので、私も「じゃあ買わない!」と言わんばかりの振る舞いでその場を立ち去った、フリをした。フリです、フリ。

そうするとね、「ちょっと待った、そしたらその値段でいいよ!」と、大抵こちらの言った価格で売ってくれる。がしかし、このおじちゃんは揺るがない。
立ち去ろうとしても何も言ってこないし、おじちゃんも無愛想だったので、なんかもう欲しく無くなってきたし(意地)!と心の舌打ちをしながら私はその場を去った。

と思ったら、しばらくしてさっきのおじちゃんが私を追いかけてきた。え、何!今さら何さ!と思いながらもそのまま歩き続けた。まあまあな距離をスルーしながら歩き続け、もう諦めただろうと思い、後ろを振り返ってみると、ずっとずっとついてきていた。

そして、ハムラビ法典ばりの愛想の無い態度で去って行く私、に辿り着けないおじちゃんが、後方から大きな声で言うんです。
1000円でどうだ?800円は!?500円ならいいだろ!?みたいなことを。

最終的におじちゃんが提示してきた価格は、私たち日本人からしたら塵みたいな値段に。それでも買ってほしいとついてくるおじちゃんを見て、ふと思ったんです。

ああ、この人、多分、家族にご飯を食べさせるためだな。こんなところまで追いかけて来て。この人にも生活があるんだな。こうやって生活していかなければならないんだな、って。

すとんと私の心の中に、何かが舞い降りたかのようにふと思ったんです。

今回、私、なんか、やり方間違ったな。って。

みんな生きている。みんなそれぞれの生活がある。おじさんを、追いかけて来るおじさんのことを少し哀れな目で見てしまった自分を恥じて、いろんな人の気持ちを大事にしていきたい。どんなときだってリスペクトを忘れてはならない。

またひとつ、ピラミッドの前でfeelした私がいた。

そんなピラミッドでの出来事を思い出しながら、私はおじさんから買った古代エジプトの王様が履いてたという靴を履いてます。「2本足」で。

ーーーーーオイディプスはスフィンクスの謎かけに答えた。

「その答えは、人間だ


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