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父子家庭のアイディンティティと回復力について

こんにちは。シングルファザー 村上です。
今日は支援者向けで書いてみたいと思います。

これは子育て支援課のみならず生活困窮、障害福祉、生活保護、民生委員にいたるまでの相談支援専門員の方々に読んでほしいコラムです。

僭越ながら日本で唯一、父子家庭支援に拘る私からのメッセージと受け止めて頂けたら幸いです。

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①相談窓口の面倒くさい父子家庭の方々について

男性、父子家庭、共に支援・相談をすることに対して非常に抵抗感を感じる傾向があることは、ご存知ですか?

それは恐らく成育歴からの
・「男とは、〇〇であるべき論」
・「泣いてはいけない、弱音を吐いてはいけない、自分一人で行わなければならない」
・「競争社会から自分の思い通りにいかない結果を失敗体験として蓄積する」
・「ジャッジメントされ続けてきた極端な体験」等の呪い。

そして、幼少期から成人期、現在に至るまでの経験から来る、社会人になってからの「負の体験経験から来る抵抗感等」が尾を引いているのであろうことは想像するに、いや想定するに難しくありません。

例えば離別ショックからの回復力やスピード、死別ショックからの回復力やスピード等は、上記の個人個人のベース以外に「コミュニケーション能力の低さ」も関係してくるのでしょう。

固定されら役割から相談する事と、固定されないポジションから相談する事
後者に立たされた時、体験・経験不足から思考が止まってしまう。
そうして孤立感・孤独感に苛まされる方を数多く見てきました。

あくまでも私の主観と経験則からの分析です。
研究論文もなければ統計データもありません。あくまでも私の主観です。

ただ、事実、問題解決が困難なケースを抱えた父子家庭の方は必ずと言って良いほど、「対立構造を前提」に相談窓口にきます。そして自分の「主張をプランを強要」してきます。そして、それが受け入れられないと(貴方とは意見が合わない・法律が悪い)と他責に転じるでもしかし、孤独だから、何度も同じ話をしに相談窓口へ連絡をしてくる。


ぶっちゃけ。駄々っ子か!と私は思ってしまいます!
無理なものは無理。ならぬものはならぬ。でも出来ることは沢山ある、提案を受容頂ければ問題解決することは容易なのに、いつまで我を通すか愚か者め!


そう心中思っています。

そんな時の対処法について少し書いてみたいと思います。


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②傾聴に勤める

否定したくなる気持ち、物凄く分かります。
しかし、想像して欲しいのです。上記に多々記載した彼らのバックボーンをです。


彼等は溺れている、破裂寸前です。味方はいない、理解者はいないと始めから決めてかかってきます。

だから二者関係の構築が第①ステージとして必須になってきます。


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③ 困りごとの整理・分類を書面にて見える化 ➡︎ 承認する。

更に書類に起こす意味ですが、困っている人は話している事が支離滅裂です。
パニック状態に近いでしょう。呼吸も浅く、過呼吸寸前になりながらも語りかけてきます。


それは魂からの生きたい渇望だと私は思えるのです。
しかし現実検討が難しい。

だからこそ、書面化し困りごとの整理を行い・相談先を分類し渡してあげる
そして、今まで良くこんなに沢山の大変な事を抱えてきたね。

そう返してあげるのです。

これが情報の伝達としての第②ステージとして必須になってきます。


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④自己選択、自己決定、自己責任

日をまたいで考える時間を与えてあげましょう。
恐らく「時間が無い。お金が無い。余裕が無い。」行ってきますよ。間違いなく。


うるせえ!自分の生きてきた結果だろうが!


と本当は言いたい。

それでも、冷静に日をまたいでから選択を迫るのです。
なぜなら、このような問題解決をする際に今後「ひとり親家庭」として生きる力を身につける必要があるからです。

ただ話し方には注意してください。
あくまでも「ゆっくり、優しく、寄り添って、締めるところは締める」です。


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⑤色々、試してもダメな場合。

拡大ケース会議を実施するしかないでしょう。
アセスメント取得が終わり、困りごとの整理も終わり、分類もされている訳ですから担当者が、その時にはいるはずです。

そして1つ、1つ分類された課題毎に計画を作成していく。
粛々と淡々と本人の了承を得ながら進めていく。

後は振り返り日を決め、改めて振り返りのケース会議を実施するの繰り返しです。

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⑥アセスメント不足は他機関と共有を!


以上の4つの手順を踏んでもダメな場合はアセスメント取得不足なのでしょう。
何かを見落としている、何かを聞き逃している、何かの情報が不足しているのです。

そこは相談援助業務をされている相談支援の方々のスキルとチームアプローチの仕方次第です。

ちなみに、私はこのやり方で「一人で問題解決を何度も図ってきました」
1人でも出来るんです正直。ただボランティア的な意識だから出来た背景もあります。

他の業務も抱えながら行政の方々や受託業務を請け負っている事業所さんには、もしかしたら難しい話かもしれません。でも私から言わせれば「給与を貰って‘仕事をしているのであれば、やろうよ」です。

だってボランティアの私が1人で出来ることが、どうして出来ないのか?という話なのです。

支援者の皆さんは私などよりプロのはずです。その分、制約もある。知っています。


それでも、他機関連携アプローチをする勇気があれば、トークひとつを改めれば、価値観ひとつを改めれば窓口対応でトラブルは激減します。

またよう支援者の方々も安心して相談しても良いんだと足を運んでくれるでしょう。ここ10年間で私が思うのは、そんなところです。


とにかく彼等のアイディンティティ、プライドを構築したのは自己責任では無い。

男性性だからこその「生きづらさ」の結果として今があると心に留めて頂けたら幸いです。

そうしたプロセスを彼等は見ています。

そして「気づく」でしょう。「自分は1人で頑張らなくても良いんだってことに」

大事な気づきだと思いませんか?そして可哀想に思いませんか?

私は彼等の話を聞く時、いつも胸が張り裂けそうな思いに駆られます。

そうした支援者の姿を通して、やっと彼等は、「自立」へと「回復」へと

やっと一歩踏み出せるんです。

ご理解ください。

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※あとがき

まず最初に生意気書いて、ごめんなさい。皆様の日々の激務理解しています。
でも、悲しいじゃ無いですか、敵対関係なんて。私はそれが悲しいんです。

別に私の所に相談の連絡が来ても良いんです。
趣味ですから負担でも何でもありません。
むしろ喜んでやります。でも、なら、私にお金ください。・・じゃないですか?

私は日本の福祉は、相談援助のレベルは物凄く高いと信じています。
実際、私の師匠のMさん、他の分野の相談支援員さんは別格ですもの。

だからこそ、なんでこんな悲しいことが続いているのか?って思うわけです。
私の所には今年に入ってから、九州、長崎、東京、静岡、山形、岩手、宮城、青森と相談の連絡が入ってきているんです。

どれだけ相談支援員の質が担保されていないか、どれだけチームプレイが出来ていないか。
ということだと思います。結果、困窮状態になって生活保護需給となったら福祉財源圧迫するわけですよ。これって要支援者だけが悪いんでしょうか?

私は違うと思います。

みんなでやってやろうぜ!
窓口の相談支援員の力、見せてやろうぜ!
そういう気持ちで日々の業務に励んでいただきたいそう願いたいのです。

以上です。

次回のコラムは、また気が向いたら書きたいと思います!


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