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QBハウスに学ぶブルーオーシャン戦略〜安くて高単価を実現させる方法〜

ブルーオーシャン戦略とは、競合のいない新しい市場を創造し、高付加価値商品・サービスを提供することで、利潤の最大化を実現する戦略のこと。

既存の競争が激しいレッド・オーシャンで商品・サービスを提供するのではなく、いかに競合がいない未開拓の市場=ブルー・オーシャンを発掘するかがこの戦略の鍵となります。


理容室や美容室のサービスから徹底的に無駄を省く!

「10分の身だしなみ」をコンセプトとするQBハウスは、平成8年創業の理髪店。

言わずもがな「10分1,000円カット」で低価格理髪店というマーケットを開拓した企業です。ブルーオーシャン戦略の成功事例としてもよく紹介されています。


彼らがすごかったのは、理容室や美容室のサービスから徹底的に無駄を省いた点にあります。

理髪店にありがちなシャンプーや髭剃りは取り除き、提供サービスはカットのみ。カット後も席で吸引機で髪を吸い取るだけ。店内には電話を置かず、予約は一切とりません。

また、従業員の時間に対する意識を高めるために、給与は「分給」で計算されているといいいます。


無駄を省いた結果、家賃のコストカットにも成功

無駄なものをどんどん省いていった結果、洗面台やドライヤーなどの設備投資が不要になることはもちろん、敷地も狭くてよいため、通常の理髪店よりコストがかかりません

しかも、その店舗設計によって、地下街やショッピングセンターのトイレの脇など、家賃が安い場所を選んで出店できていることも特徴です。


実は3,000〜4,000円の理髪店よりも高単価!

10分で1,000円ということは、単純に計算すれば1時間あたり6,000円の売上になります。

通常の理髪店の相場が1時間で3,000~4,000円だと考えると、時間当たりの単価は実はQBハウスのほうが高いのです。

そして、顧客にとっては安い金額で早く髪を切ってもらえるという明確なメリットがあります。当然、人によっては煩わしいと感じる店員との会話もありません。

また、10分1,000円のため、もともとの期待値が高くないのもポイントです。

理想の髪型にしてもらいたい、お洒落に仕上げてもらいたいというよりは、とにかく髪を切りたい時間とお金をかけずに髪を切りたい、というニーズを満たしてくれる存在だと言えるでしょう。

こうした理由から、時間はかけられないけど髪を整えたいサラリーマンを中心に大流行。さらに、ファッション性がそこまで求められない子どもの髪をカットする場所としても大ヒットしました。

低コストと高単価を両立させながら、「安い、早い、無駄な会話がない」といったターゲットにとっての高い付加価値を実現させる。

まさにブルーオーシャン戦略のお手本のような事例だと言えるでしょう。


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