バンコクは日本人へのブランディングに成功した

バンコクには高度経済成長期の日本の風景がある

バンコクは日本人が好きになってしまう街だという。

遊びに来たつもりが居ついてしまったという話は、現地にいる人ならば聞き飽きた上に話し飽きているように見えるほどお決まりの文句だろう。

高度成長期の日本の風景に似ているという話もよく耳にした。

今はなき故郷というか原風景を見るような、見るだけでなく、そこで生活できる喜びが大きな価値になっているのだと思う。


グローバル化は世界を均質にするのか?

高度成長を超えた日本は金太郎飴のように同じような風景の地方都市をもたらされた。国道を走っているだけではどこの街にいるのか、初めて行った土地では特にわかりにくい。

そんな日本で故郷を感じるよりもタイにそれを感じてしまうことはわからないではないように思う。

バンコクでもひとたびモールに入ったら、そこがタイであることを忘れてしまう。

かつ屋もココイチもやよい軒もある。もちろん日本では見ることのないお店もあるから、初めて来た僕には日本でないことは明らかなのだが、三度もくればその印象も変わっているだろう。

グローバル化が進むと世界が均質化してしまうのだろうか。


均質化から逃れる一手こそがブランディング

その街に独自性を感じさせられるかどうかは都市ブランディングにかかっている。ニューヨーク、パリ、ポートランド、アムステルダム、横浜、福岡…均一化された世界でも独自性を磨き続けている都市がたくさんある。

ブランディングというのは、本来の主体はブランドオーナーだ。都市ならばその都市を運営する人たちがブランドオーナーで、ブランディングを推進する役割を果たす。

日本食レストランがひしめき、メイド喫茶やフィギュア専門店などのオタクカルチャーが発展し、BNK48だっているバンコク。日本文化を積極的に採り入れ、日本人に優しくて、親切にしてくれる。

バンコクが楽園と呼ばれる理由はいろいろあると思うが、日本に好意的なイメージをうまく醸成したことが、日本人から好かれる理由の一つじゃないかと思う。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?