悪虐非道の姫

 この小説は、冒頭400文字の面白さを競う比類なきコンテスト《逆噴射小説大賞2018》の応募作です。

「かつて魔族と人間が同じ街に共存する時代があったのよ」女戦士ヨシミは人工パーツに置換された下顎に触れる。「悪い冗談みたいだった」
「……」
向き合うイオタ——魔族に呪殺された勇者のクローン体——は固唾を呑んだ。 

女戦士ヨシミが当時住んでいた団地の道路で、裸の若い女が四つん這いになり臀部を鞭打たれていた。
鞭を振るのは魔界の女王イグナール。ヨシミのお隣さんだ。
「良い子ね!あと50発耐えれば奴隷に戻してあげるわ」
そしてまた一打。
「イグナールさん、やめたげて!死んでしまうわ!」
ヨシミは駆け寄り、踏み込んだ。手にしたモーニングスターのスイングを合わせ、跳躍。振り下ろす。
——が、難なく躱されヨシミの側頭部に鞭の柄による殴打。
「ぐうっ」横転。
「ヨシミさん、躾に口出しは許しません。お隣さんのよしみでその口を引きちぎれば許します。どうぞ」
差し出されたのは禍々しい短剣。

【つづく】


●期限間に合わいませんでした……。投稿しないほうが良いのかと思いつつ、書いたので放流す!

#逆噴射プラクティス  #逆噴射小説大賞 #逆噴射小説大賞期限オーバー #小説 #団地 #モーニングスター #勇者

読んでいただきありがとうございます!!サポートいただければ、爆発するモチベーションで打鍵する指がソニックブームを生み出しますし、娘のおもちゃと笑顔が増えてしあわせに過ごすことができます。