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新型コロナウイルスによる後遺症問題~軽症でも重い後遺症が残る場合も~

*1月30日に加筆及び修正を行いました。

皆さん2021年いかがお過ごしでしょうか。筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS)でと言う難病で闘病しているVtuverのMISIMです。
今回は新たに分かってきた新型コロナウイルス(COVID-19)の危険性を知ってもらいたいため、後遺症などについて簡単に説明します。この後遺症問題は、筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS)とも関連している可能性が高いです。

最初にCOVID-19が発見されてから1か月程度は感染率と致死率が季節性インフルエンザより少し高い程度と言う情報しか無く、治療法が無い新型ウイルスとは言え、極端に怖い感染症では無いと考えていました。コロナ禍で多くの人が苦労している中で少し厳しい言い方になりますが、エボラウイルスの様にもっと恐ろしい感染症はいくらでもあります。
しかし、COVID-19の感染者の増加や研究が進むにつれ、段々とこの新型コロナウイルスの恐怖が明らかになって来ています。

COVID-19については現在進行形で研究開発が進んでいるため、まだまだ未知数な部分が多い状態です。しかし、「COVID-19に罹患して数か月経過しても何らかの症状で苦しんでいる」と答えた患者が非常に多く居ると言う論文がいくつも出ています。

例えば、2020年7月にイタリアから発表された論文では、COVID-19が発症してから2か月経過しても約87%の患者に何らかの症状が残っているという結果が出ています。*1

また、2021年1月8日に中国の研究チームから発表された論文では、発症から半年経っても76%の患者が一つ以上の後遺症を患っているという結果が出ました。後遺症の主な種類は、疲労感や筋力低下が60%以上、睡眠障害が20%以上、不安や抑うつ症状が20%以上、脱毛が20%以上など、多岐に渡っています。*2

他にも、肺や心臓や神経関連の後遺症が残ってしまい、今後様々な病気と関連してくるリスクもあります。ウイルスが体内からしっかり排出されきらない例もあるようです。
やはり高齢者や持病のある方、重症患者の方が後遺症も残りやすい傾向があるようですが、元々健康だった若年成人でも後遺症が残る可能性は低くない様です。

筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群 (ME/CFS)と言う難病との関連性

これらのうち、倦怠感・抑うつ症状・筋力低下などの一部の症状は「ウイルス感染後疲労症候群」と言われる事もありますが、私が現在闘病中の筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS)に非常に酷似しています。
一般的なME/CFSの診断基準として、上記の様な症状や微熱感が半年以上続くのが条件になるため、感染してすぐにはME/CFSと診断される事は有りません。しかし、何らかの感染症後にME/CFSが発症する場合が多い様で、免疫系の異常や脳内の炎症が関係しているとの報告も出ています。

以下の動画は以前私が作成した、ME/CFSについてのゆっくり解説動画です。

ME/CFSは現在でも明確な治療法のない難病です。動画でも説明していますが、「慢性疲労」と言う単語は適切では無く、非常に厄介な病気です。2021年1月現在でも研究が続いていますが、明確な発症の原因や機序も解明されていません。主な症状としては、様々な検査で大きな異常は見られないのに、独特の強い倦怠感や微熱感、抑うつ状態などの多岐に渡る症状が続きます。悪化すると日常生活も困難になったり、寝たきりで要介護になってしまう事もあります。
この病気は非常に重い症状が続くのに対して見た目に影響が出にくいため、他人に理解されづらく本当に辛い生活が続いています。生き地獄の様だと感じる事もあります。

皆さんにはこの様に苦しい思いをして欲しくありません。そのために今回この記事を書きました。新型コロナウイルスの後遺症がどれほど続くかはまだ分かりませんが、現在進行形でME/CFSとの関連性も研究されている様です。
一般的に若者では症状が軽いと言われる新型コロナウイルス感染症ですが、重症化する患者も存在しています。
もし感染してしまった場合、呼吸器系の症状は非常に辛い物が多く、苦しい生活を強いられる事になるでしょう。
更に、感染力の高いと言われる変異型もいくつか見つかっており、今後どうなるかは本当に未知数です。

COVID-19の恐怖はまだ収まる気配がありません。例え将来ワクチンが出来ても、ウイルスが消える訳ではありません。
自分が感染しないためにも、感染を拡大させないためにも、手洗いうがいやマスク着用などの基本的な感染症対策をしっかり行っていきましょう。

*1(Puntmann VO, Carerj ML, Wieters I, et al.
Outcomes of cardiovascular magnetic resonance imaging in patients recently recovered from coronavirus disease 2019 (COVID-19)
JAMA cardiol July 27, 2020, DOI:10.1001/jamacardio.2020.3557)
*2(Chaolin Huang, MD・Lixue Huang, MD・Yeming Wang, MD・Xia Li, MD・Lili Ren, PhD・Xiaoying Gu, PhD ・et al.
6-month consequences of COVID-19 in patients discharged from hospital: a cohort study
Lancet January 08, 2021, DOI:10.1016/S0140-6736(20)32656-8)
タイトル画像:国立感染症研究所(NIID) https://www.niid.go.jp/niid/ja/index/295-research/multimedia.html

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