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「塩」 塩の選び方や製造方法から健康効果まで

塩とは

塩は、身体の機能調整に重要な役割をもち、神経や筋肉を正常に動かす働きがあります。また、骨や血液、細胞などの構成成分にもなります。

また、料理の「おいしさ」を決める重要な役割をもっており、少しの塩加減で料理の味が変わってしまうほど、味付けの大切な要素になります。

塩には身体に必要な役割や料理の味をつける役割以外にも、さまざまな働きがあります。

菌の繁殖を抑えて腐敗を防ぐ

腐敗菌の増殖には、温度・水・栄養が必要ですが、塩には浸透脱水作用があるため、食材から水分を抜いて食材の中の水分と結合しながら塩分を蓄えるので、腐敗菌が入り込んで繁殖するのを防ぎます。

発酵の調整をする

発酵は微生物の働きによって起こります。塩の濃度を調整することによって、食品に含まれる水分量や塩分量を調整して、それぞれの微生物に最適な環境をつくることができます。味噌や醤油などに含まれる塩は、腐敗菌の繁殖を防ぎ発酵を調整する役割を担っています。

酵素の活性を抑制する

塩には、酸化酵素の活性を抑制し、食材の色を鮮やかに保つ作用があります。リンゴやゴボウ、レンコンなどは、塩水につけることで褐変の防止になります。また、野菜を茹でる際にお湯に塩を入れると、野菜の鮮やかな色を保つことができます。塩を入れることによって、ほうれん草などの緑色の野菜に含まれるクロロフィルが安定するからです。

食材の水分を出す

キュウリを塩もみしたり、魚に塩を振ることで、浸透脱水作用により余計な水分が外に出ます。浸透圧の差によって細胞内の水分が引き出され、その状態で塩の成分が細胞内に入ることによって塩味がつくのです。

酸味をまろやかにする

酢の物などを作るとき、酢を入れすぎて酸っぱくなりすぎた場合に塩を入れて調整すると、酸味が抑えられます。

タンパク質への作用がある

塩には、加熱されたタンパク質が凝固するのを促す作用と、タンパク質を溶かす作用があります。

下ごしらえで魚や肉に塩を振るのは、旨味を含んだ肉汁が流れ出すのを防ぐためです。また、ゆで卵を茹でるときにお湯に塩を入れると、中身がはみ出すのを防ぐことができます。これが、タンパク質を凝固させる作用ですね。

魚のすり身をつくる際に、塩を入れると粘り気が出ます。また、乾燥大豆を塩水に漬けてから煮ると、早く柔らかく煮ることができます。これは、タンパク質を溶かす作用からです。

対比効果がある

甘いものに塩を少し振ることによって、本来の甘味をより感じやすくなります。スイカに塩をかけるのは、このためですね。

焦げを防止する

魚を焼くときに、ヒレや尾に塩をつけて焼くと焦げを防ぐことができます。和食のお店などでよく見る、化粧塩と呼ばれるものです。

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