アルファプレイヤーの役割

筆者はTRPGプレイヤーだ。

TRPGにおいてプレイヤー間の相談は必須。

しかし、議論の余地なしにパワーで殴りこんでくる"アルファプレイヤー"という存在がいる。

TRPGにおけるアルファプレイヤーとは?


その場を取り仕切り、他のプレイヤーや不慣れなマスターに命令してしまうプレイヤーのこと。

悪い意味で使われていることが多いが、要はプレイヤーの中でもひと際主張するリーダー的な立ち位置だ。


しかし、実際のテーブルを覗いてみよう。

筆者はアルファプレイヤーがいる卓の方がテンポ感がスムーズな気がしてならないのだ。

今回はこういったところからアルファプレイヤーの良い成分を分析していきたい。


とりあえず"こだわろう"

当然なのだが、プレイヤーたちはゲームマスターが問いかけたのなら答えなければならない。

しかし、この当然の事象に時間がかかるケースは少なくない。

プレイヤー相談も気を使い合ってしまい、落としどころさえ見失うこともある。


こういったシーンの場合、ある程度の強引さと"こだわり"を持ったプレイヤーが求められている。

他者の意見を捻じ曲げるべきだと言っているわけではない。

それでは先述で述べたダメなアルファプレイヤーの例になってしまう。


「○○な展開の方が面白そうではないだろうか」

「△△はここであえて負けてもよいのではないだろうか」

こういった自分のこだわりをプレゼンできる人間こそが、アルファプレイヤーの最終形ではないだろうか。

また、貴方がこだわりを発揮した時、プレイグループの雰囲気もきっと良くなるはずだ。


では、ここで言う"こだわり"の正体に少しフォーカスしてみよう。


"こだわり"とは?

もちろん様々な要素を含んだ言い方をしている。

ただ、近年のTRPG環境で一番強力な要素は「他プレイヤーのキャラクターに興味を持つこと」だ。


もしかしたら「他プレイヤーの行動に口出しするなんて!」と思うかもしれない。

まさにアルファプレイヤーの悪いところとして最初に挙げていた部分でもある。

しかし、それはただのコミュニケーション不足だ。


すべては提案に過ぎない。自分のキャラクターの都合が悪かったら却下してもよい。

楽しめるのなら、無駄のない行動より、無駄な行動を選ぼう。


逆に、自分のキャラクターだけを操作するプレイヤーを想像してみよう。

他のプレイヤーにも話しかけず、ゲームマスターとしか応答しない。

二度と遊びたくない、とは思わないが、リピートしたいとも思わないだろう。


解消するためにも、"他のキャラクター"に興味を持ってみよう。

ここで注意が必要なのはあくまで愛着を持って接することだ。

自分のキャラクターとどういった遊び方ができるのか今一度、考えてみよう。

培ったアニメや映画、漫画の再現をしてみるのもおすすめだ。

ある種、こういったものはストーリーのテンプレートであり、物語の展開を必ず補助してくれる。


話を振る

ここまで話したはいいものを、最終的にはどうしたらよいのだろうか。

簡単である。話を振るのだ。

特に、地蔵などと言われてしまうような喋れていないプレイヤーはよく見かける。

気を遣って話しかけられるプレイヤーがいるとマスター側はとても楽だ。

プレイヤー全員の喋る量のバランスは均一になるべきである。


話を振るのが難しい!ということであれば相手のバックストーリーを深堀りしてみよう。

また、あなたのキャラクターのこんなシーンが見たい!など伝えてみるのだ。



司会進行


プレイヤー側の意見が分散しているとゲームマスターは苦労する。

ここでいう分散した意見というのは、何も行動のメモだけではない。

例えば、倒したエネミーの処遇で意見が分かれた際、皆の落としどころを提案できる者だ。


取りまとめる必要があるのは司会進行役だ。これはおおよそゲームマスターが兼任する。

しかし、時折プレイヤー側でこれを負担してくれるスーパーマンが存在する。


ゲームマスターが問いかけた時、いの一番に返答する積極性の高いプレイヤーがいるとする。

普通の返答は「私のキャラクターは○○しますね」のみだろう。

司会進行ができる人間はここで周りに聞くことができるのだ。

「あなたのキャラクターが○○すれば楽しそうだ」など伝えるだけで遊び方もグッと変わる。



終わり

総じて、アルファプレイヤーと言われてしまうような言動は極力控えたいが、

周りへ常に気を配り、率先的に発言していけるようなプレイヤーこそが今、求められる像ではないだろうか。

最終的にセッションのテンポ感が上がれば、盛り上がり度向上や時間短縮も狙える。

ゲームマスターからしても良いことづくめだ。

次にあなたがセッションへ参加する機会があれば、より積極的な姿勢で臨んでみよう。

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