図書館で出会ったナンバーガール

中学の時、よく図書館に行っていた。別に本を読むのが好きだったわけじゃない。むしろ苦手だった。ただ本の背表紙を見て面白そうなタイトルの本を手に取り、パラパラとめくって棚に戻す。そんな事を繰り返していた。要は暇だった。
本を読むのは苦手だったけど、音楽を聴くのは好きだった。音楽が好きと言っても洋楽やらクラシックやらジャズやらそんなんじゃなく流行りのJーPOPを聴いてる程度だった。

ある夏の日、CDコーナーで何を借りようか探していると、女学生が銃を担いでいるジャケットのアルバムを見つけた。ナンバーガールという聞いた事のないバンドのアルバムだった。

何故借りようと思ったのかは覚えていない。多分なんとなくジャケットが気に入ったのだろう。ジャケ買いならぬジャケ借りだったと思う。

家に帰って聴いてみた。聴き終わった感想は「何だこれ?」だった。今まで聴いてきた音楽と全く違う。何回も聴き直し、すぐにハマった。新譜が出るとすぐに買い、どんどん引き込まれていった。


2002年、ナンバーガールは解散した。メジャーデビューから僅か3年半での解散だった。一度ライブに行きたかったなと後悔した。

17年後の2019年ナンバーガールは復活した。復活の狼煙を上げた日比谷野外大音楽堂でのライブ、その客席に僕はいた。20年越しの思い、大人になった僕はスーパードライを飲みながら彼らが出て来るのを待った。

ライブが始まるとただただ興奮しっぱなしだった。体を揺らし、何回も拳を突き上げた。ナンバーガールの音が聞ける。それが嬉しくてしょうがなかった。

気づいたらライブは終わっていた。でもナンバーガールは続いて行く。また解散したとしても僕の中では終わらない。

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