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L-Labo.(Lラボ)

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海外の論文より得られたラベンダーの精油と蒸留にまつわる知識をまとめています。がんばって英語和訳して要約してるんだから…有料ですよ‼︎笑 ラベンダーの商品づくりにおいて確固たるデータ… もっと読む
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【蛇足更新】クスノキ精油のアロマレビュー

【蛇足更新】クスノキ精油のアロマレビュー

いや〜〜〜平成林業。の執筆書き溜めリストにはラベンダー精油の官能評価やら蒸留日記の整理やら24年度営農計画やらいろいろ記事を書き進めていかねばならないんですが、いかんせん手が抜けない内容なので時間がかかってる次第です(ノД`)
口が裂けても1,2ヶ月遅滞させてるだなんて言えない…(言わず書いた人)

さて!
チカゴロの息抜き記事といいますか、そのくらいのひとくち更新のつもりで書いていきまっす。

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ラベンダーたちの現地名と分類名。

ラベンダーたちの現地名と分類名。

農作業・庭作業、蒸留などなど…自然仕事に生活の重きを置いているためか、12/31〜1/1が新年!心機一転!
というよりかは、農業計画を見直して新たに進めて行く4/1の方がニューイヤー!なイメージが強いエフゲニーマエダです。

さて本日は久々にラベンダー文化にまつわる思いつきを記事にしてみます、みました。

分類学名が設けられる前の時代は固有名称を探す。

そもそも学問の発展の歴史を見ていくと、「植

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【青い精油】A.millefolium精油ケモタイプの官能評価【薬用ハーブ】

【青い精油】A.millefolium精油ケモタイプの官能評価【薬用ハーブ】

近ごろ懐が潤ってきたこともあり、市販のヤロウ精油と官能評価設備を買い集めはじめた昨今。
24年度は『官能評価』を重点的に学んでいこうと考え始めているエフゲニーマエダですどうも。

えーと、今年度(2023年)は2年目/2回目のアキレア蒸留を行った年でした。
去年の生育地探索と1つの大群落を見つけた以外に、今年は群落別のケモタイプを発見した年でした。
(詳しい事は有料記事で載せます!もしかしたら論文

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【嗅覚疲労】人体のネガティブ機能を使った精油の官能評価トレーニング!

【嗅覚疲労】人体のネガティブ機能を使った精油の官能評価トレーニング!

さて!ラベンダーの収穫・オイル抽出からそろそろ半年を迎える頃合いが近づいてまいりました!
(なぜ半年寝かせなければならいのかは実は詳しく分かっていない私)
いよいよウチで収穫したラベンダー品種たちの香りの違いを調べていくお楽しみパートに入るんですが・・・

同じ植物種(Lavandula angustifolia)の"品種同士"であり、育つ気候も収穫タイミングもほぼ同じ収穫条件下で得られた精油の官

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【論文要約】リナロールが効能を発揮するタイミングは?【リラックス効果】

【論文要約】リナロールが効能を発揮するタイミングは?【リラックス効果】

えーラベンダーアロマを愉しまれている全国のみなさまこんにちは。
様々なラベンダーを4年育てていますエフゲニーマエダと申します。
4年目の栽培シーズンが終わり、この頃ラベンダーの香りについて思いはじめた事があるので、それにまつわる論文の紹介とともに思うことを書いていきたいと思います。

それはズバリ、ラベンダー精油主成分のリナロールと酢酸リナリル、どっちが強く香っているの?といういわば香りの命題的テ

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【論文要約】各国がラベンダー産業に用いている品種とその精油成分特性について。

【論文要約】各国がラベンダー産業に用いている品種とその精油成分特性について。

本記事では、ルーマニアにあるクルージュ・ナポカ農科獣医科大学の研究チームがまとめた2020年時点の各国ラベンダー産業の状況をまとめた論文と自説の2つをもとに展開していきます。

1.日本香料会社主導で1937年にラベンダー種子が輸入され、北海道各地にラベンダー栽培地域が誕生した1950年代初頭が日本にとってラベンダー産業のはじまりでしょう。
しかし合成香料の発達、オイルショック、香水産業の変遷など

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【論文要約】24時間中のいつに精油が生成されるのか?を各テルペン合成酵素の活性から知る研究【ラベンダー精油とゲノム】

【論文要約】24時間中のいつに精油が生成されるのか?を各テルペン合成酵素の活性から知る研究【ラベンダー精油とゲノム】

■論文紹介タイトルは「Gene Expression of Monoterpene Synthases Is Affected Rhythmically during the Day in Lavandula angustifolia Flowers」。
日本語訳すると「コモンラベンダーの花では、モノテルペン合成酵素の遺伝子発現が日中にリズミカルに影響を受ける」というタイトルの論文になります。

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ヒロハラベンダー(Lavandula latifolia)の花言葉。

ヒロハラベンダー(Lavandula latifolia)の花言葉。

「ラベンダー」と一括りに表しても、園芸をたしなむ方々によってはストエカスラベンダーやイングリッシュラベンダーなど複数の植物種を含んでいる言葉であることはご存知かと思います。
植物学者にしてみれば、「ラベンダー"属植物"」と付け加えた方が意味が通るのかもしれません。

さて今回はプチラベンダー雑学的に、一般的には知られていないドマイナーな南方性ラベンダーの「ヒロハラベンダー」と「花ことば」にまつわる

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個人メモ[青の探求-3]

個人メモ[青の探求-3]

身のまわりの植物素材から抽出した精油の性能・性質について化学探求するこのシリーズも前回アズレンブルーの物理的な試験から、今回ついに有望な赤色のオイルの発見へと至りました。

いままでのおさらいいつの日か完全植物材料で、「紫色のラベンダーオイル」などを制作するために色褪せにくいラベンダーカラー(紫色)の天然色素の探求を開始。

論文などから色素の化学構造などをリサーチしはじめた。

やや別口の角度だ

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【論文要約】北海道産トドマツ精油の詳しい成分がようやく公表された件。【トドマツ精油】

【論文要約】北海道産トドマツ精油の詳しい成分がようやく公表された件。【トドマツ精油】

こんばんは!
今回は内容こそ科学的ですが、久々に林業テーマ記事に戻ります!
今回はざっと、北海道林業の主要樹種であるトドマツ精油の詳しい化学組成がわかったよ!という内容です。

モミ属トドマツ(Abies sachalinensis)は本州にはまったく生えておらず、北海道(ほかサハリン島や千島列島にも生えるが異国である)にしか生えていない地理的に限定的な針葉樹です。
そのため調査研究の盛んな本州の

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【小論】ラベンダーブルガリアン精油のアロマを構成する栽培品種の探求。

【小論】ラベンダーブルガリアン精油のアロマを構成する栽培品種の探求。

えー、前述記事となるのが以下の記事。

この記事では、国際標準化機構(ISO)のコモンラベンダー精油項目3515:2002に存在するブルガリア産ラベンダー精油の品質基準をもとに嗅覚官能(アロマレビュー)を行いつつ論旨を展開している章がありますが、、、

今回はさらに焦点を絞って、ブルガリア産精油の香りの根源となっている『蒸留品種』について調べてみました!

BBCニュース「ブルガリアがいかにしてラ

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ラベンダー栽培発祥地の南フランスが苦しむ「ラベンダー枯れ病」についての個人レポート。

ラベンダー栽培発祥地の南フランスが苦しむ「ラベンダー枯れ病」についての個人レポート。

日本のラベンダー観光地・栽培の現場(富良野や本州各地のラベンダー園など)でもなかなか耳にすることのない、遠く離れた欧州のラベンダー原産地である南フランスでは、2000頃からフランスのラベンダー産業を揺るがす大問題が起きていることをご存知でしょうか。

日本語のWikipediaページではわかりづらくちょこっとしか枯れ病に関する文節が登場しないが、仏語ページだとわりとすぐの文頭位置にStolbur

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