覚醒暗示を簡単に済ませる方法

 催眠術の掛け方に暗示を解く作業として覚醒暗示と呼ばれる暗示があります。

「私が5つ数えて指を鳴らすとアナタは暗示が解けて催眠から目覚めます」
「私が3つ数えると全ての暗示が解けて現実世界へと戻ってくることができます」

などといった被験者に掛けた暗示や催眠状態を解く際に使うやりかたです。

 私の場合は、この上記の暗示文を主に深いレベルの催眠状態に入った人に使うことが多いのです。

催眠の度合い

 深トランスと呼ばれる、幻覚や記憶などの操作ができるような領域で使用します。この領域の状態のまま催眠のセッションを終わらせてしまうと運転する方であった場合は、ふらついたり暗示が残ったままなので深すぎて途中で眠ってしまったり幻覚や記憶が操作された状態のまま残して混乱してもいけませんから上記の暗示文を使ってしっかりと催眠と暗示を解きます。

 それ以外の軽トランスや中トランスなどでは、「私が3つかぞえると...」といった”カウント式”の覚醒法は個人的には使うことがあまりありません

「上手く催眠状態に入ることができて素晴らしいですね。心地の良い催眠状態に入っていますが、次に進めたいので少しの間ですが、催眠状態のまま目開けることができます。では戻りましょう、【被験者の肩を3回程ポンポンと触る】元の世界へと戻ってきます。はい、おはようございます。」

会話の内容から書きましたが、暗示文としては「ここで、突然で申し訳ないのですが、心地の良い世界から今の元の世界へと戻ってきます。はい、おはようございます」でも何も問題はありません。

 私も催眠術を行っているバーや催眠術をさせて頂いていたお店でも何度か試してはいますが、特殊な事例を除いては上手く覚醒が出来ていました。

 ここで注意していただきたいのは、実際に対面の教室などで指導を行っている際には少なからずいて、催眠を掛ける際にYoutubeなどの実演動画などを観すぎてしまい、相手への気遣いが出来ていないという方がいらっしゃいます。相手の”許可無しに身体に触れる”というは相手を驚かせてしまったり恐怖を抱かせたり警戒させてしまうため、事前に「合図や掛ける暗示によっては、手や肩などに触れることがございますが大丈夫でしょうか?」と一声掛けて”かならず”許可を取りましょう。ラポール(信頼関係)が壊れてしまっては催眠がどうこうの話ではなくなりますからマナーはしっかりと守って下さい。

 それが出来るようになると先程のような”カウントをしないスタイル”で催眠を出来るようになるので、ショーなどやパフォーマンスによっては魔法使いみたいな演出をすることができるようになります。

「おはようございます」や「戻ってきます」に隠された意味

 催眠中に「おはようございます」と言われると無意識の中で『起きなくちゃ』という認識にスポットライトが当たります。催眠ではなくても寝起きの際に隣から元気よく「おはようございます」と言われると自動的に「起きる」を経由して「今何時?」であったり「もう朝?」「今日はこの予定があったんだ」「二度寝したい」と認識へと変わります。

 「おはようございます」という言葉は”朝に使う言葉”、”起きたときに掛ける言葉”ということで、生まれてきた時から刷り込まれているためこのようにシステムが出来上がっていると私は考えています。ちなみにこの【刷り込み】考えは飯島氏が採用しているHBCモデルを参考にしています。

 「戻ってきます」これは、やりかたにもリンクしているところもあると思われます。催眠状態の被験者に何も説明も無く「戻ってくる」と言っても少数の被験者には「催眠状態から戻るのかな?」と理解できる方もいらっしゃるかもしれませんが、認識のスポットライトにも当たらない方もいらっしゃるので、「戻ってきます」という覚醒暗示を掛ける際には、『起きて』ということで”肩”や”腕”をポンポンと触ったり「戻ってきます」という暗示ともに被験者の身体を揺らしたりします。

 そうすることで、被験者は起きるのだなという認識に変わり催眠から目覚めるようになります。これは身体的な暗示です。

最後に

 如何だったでしょうか?

 催眠に関する本を読んだけど、【別の条件】や【様々な人で試してみる】【自己流にアレンジ】してみると意外と違う結果になってしまったということもあると思います。

 催眠も千差万別ですので、どれが正しいというのではありませんので、沢山検証をしたり調べたりして自分なりのスタイルを築いていきましょう。

すぐに使えるように今回はざっくりと説明させていただきました。
中には分からない単語や内容もあったかと思われますので、そちらの内容が載っている記事を貼り付けておきたいと思います。


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