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極私的マンガ大賞 三月編

3月に読んだなかで1番刺さったマンガは?!
やっぱり最近のマンガはどれも面白い…。毎週読み始めるので、そのなかからオススメだけを絞ってご紹介します!

『ミステリと言う勿れ』田中由美

タイトル通りで「ミステリ(ー)」と一言で片づけられないマンガです。『7SEEDS』の田中由美さんですね。1話に1回はグサッと刺さる!自分たちの生活のなかで疑うことなくやっていること、常識だと考えていることを見つめなおす機会って、大学生以来な気がします。物事の本質って何だろう?って日常のなかであまり考えませんよね。でもそれってとても大事。
たぶんしっかり読むとそこそこ時間かかるマンガです!

主人公は17歳の大学生・久能整(ととのう)。彼女がいたこともなければ、友達もほぼいない…でも、ちょっとおしゃべり。そんな彼がさまざま事件に遭遇し、"本質"をついて解決していくという物語。基本シンプルなミステリーサスペンスの謎解きものなのですが、そんな一言で表現できる物語じゃない。

彼の言葉を通して犯人から被害者まで、いろいろな人の心が変わっていきます。そのいろいろな人って呼んでいる自分自身なんですよね…。
人間の弱い部分、でもそれってホントに弱い部分なの?そういう発見が常にできるんです。

刺さる名言をほんのちょっとだけ引用してみました。これだけでも「うっ」となにか突きつけられるものはあります…ですが、一部なのでマンガをしっかり読んで、どっぷり"整(ととのう)ワールド"に浸ってください!

・「真実は人の数ほどあるんですよ。でも、事実は一つです」(1巻)

・「なぜ人を殺しちゃいけないのか。いけなくはないんだけど、秩序ある平和で安定した社会を作るために便宜上そうなっているだけです」(1巻)

・「どうしていじめられてる方が逃げなきゃならないんでしょう。欧米の一部ではいじめている方を病んでいると判断するそうです」(2巻)

・「子供って乾く前のセメントみたいなんですって。落としたものの形がそのまま跡になって残るんですよ」(2巻)

・「多分あちら(アメリカ)では、人の弱さを認めてるからなんだろうと思う。人は弱くて壊れやすくて病むことも倒れることもある。それが当たり前だと。だから修復する。治そうと思う。それができると信じてる。
翻って日本では、弱さを認めない。弱い者は負けで、壊れないのが正しい。壊れたら退場で、悩むことすら恥ずかしい。相変わらず根性論です。
弱くて当たり前だと誰もが思えたらいい」(4巻)

・「"病には勝てず""病気に負けて"…どうして亡くなった人を鞭打つ言葉を無神経に使うんだろう。負けたから死ぬんですか。勝とうと思えば勝てたのに、努力が足りず負けたから死ぬんですか。そんなことない。」(4巻)

・「家族や身内には冷たく厳しくても、他人には優しい人っていますから」(4巻)

・「子供のその(虐待されても親が好きという)気持ちに大人はつけ込むので。でも…でも母親も追い詰められている」(5巻)

『ブルーピリオド』山口つばさ

マンガ大賞作品ですね。これは熱い!スポコンというかアートコンというのか。若いっていいなと思いつつも、美術の底の深さ、そして美大受験の難しさ…それにすべてをささげる一人の高校生の姿を応援したくなる。

主人公は優等生がゆえに毎日を空虚に過ごす高校生・矢口八虎。ある日、上級生の描く1枚の絵に心を奪われ、絵を描く楽しさを知る。何でもそこそこできるタイプが一転、何も知らない世界に飛び込み、東京藝術大学に進学することを目標に血の滲むような絵の勉強、そして自分と向き合い成長していく美術受験ストーリー。

作者自身も東京藝術大学出身。大学を選ぶ段階で、生きる道ってある程度決まるる人が多い社会。(実際にはそんなことないけど一般論として)
私大であれば学費が通常の学部の何倍にもある美術系学部に入る決意をする主人公。でも、経済的に私大は無理で国立(東京芸術大学)行くしかない。なぜそこまでして…?
絵でご飯を食べていける確率なんてほとんどない。しかもそこそこの学力があるから、トップクラスの私大に合格できる状況にある。トップ私大であれば、ある程度将来は保証されたものかもしれない。
でも、それを度外視するほどの衝動からアートの世界を走り出す主人公になんか期待しちゃうんです。ちなみにこれが東京藝術大学の姿らしいです。過酷なのかな…

その熱いスポコン精神はも読んでいて清々しいですし、ライバルと切磋琢磨、みるみる成長していく主人公を応援したくなる。次なるステージがまた超楽しみです!

『北北西に曇と往け』入江亜季

アイスランドを舞台にした17歳の日本人青年の話。入江亜季さんのマンガです。ちょっとだけ変わった能力(=車と話ができる)があり、大体行動は愛車のジムニー。あまり人と関わりをもってこなかった青年が"探偵"という仕事を通じて、少しずつ周囲との関係を築いていく物語。初恋もまだなのだけど、そういったピュア?系の展開も楽しい。

マンガが人気過ぎて、こんなツアーもやっていたみたいです。

弟との関係、彼の細かい過去とかに謎はあるけど、圧倒的なアイスランドの自然、それに対する現地の人々の考え方にいろいろ考えさせられます。

アイスランドの自然は日本の自然と違って作り出すのに膨大な時間がかかるんだとか。観光客が何も知らず植物を踏みにじろうものなら、その岩だらけの自然のなかで植物は簡単に死んでしまう。そしてその回復には100年でも足りない。だから、観光地にある木道を見たとき、

「(アイスランドの人たちは)この地に育つ植物がどれほど極限で生きて、人間を生かしているか、子供のころから教えられて育つから、自然を損なうことを嫌うんだ」

と言う。
アニメ『空挺ドランゴンズ』を見たけど、それと同じで自然を大事にしつつ、うまく共存していく。生かし生かされる関係性ということ。ラム肉が強烈にうまそうなマンガではあるけど、"地(じ)"のものを大切にして、命をいただくことに対してしっかり感謝する。
そうした自然、資源を大切にするという精神が、年季が入ったジムニーと話しができたり、壊れかけてもそれに乗り続けることにつながるんでしょうね。そういう思想ってやっぱり素敵ですよね。大量生産・大量消費の時代は終わり!何でも発展させればいい!便利になればいい!ってものじゃない。そんなことを改めて考えるマンガです!

『GIGANT』奥浩哉

これはプラスαのマンガなので簡単にご紹介。

最後に

まだマンガ大賞作品で読んでみたいと思うものがいっぱいあるので、4月もいろいろ読んでいきたいなと思います。読むべきマンガあったら、ぜひ教えてください~!


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株式会社シグナルのSNSディレクターです。仕事の話、自分が好きなものの話。書いたことはすべて個人的な見解です。
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