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目の前の未来を歩み始めるための言葉 / Future Co-Creation SIGNCOSIGN

永田町のとあるビルの中に「名前をつけたい」と人が訪ねてくる、たくさんの本に囲まれた場所がありました。
今日のオープン時間は15時から17時の2時間。先生は1人。予約は9名入っています。

(ふう。2時間で9人か。1人10分くらいだな。)

コンコンコン。
「はい、どうぞー。」
「失礼します。」
「今日は、どうされましたか?」
「名前をつけたいんです。」

最初に訪れたのは、おざきさん。
ギグエコノミー(インターネットを通して単発の仕事を受注するワークスタイルと、それによって成立する経済)で生きる、ギグワーカー。UberEATSの配達員で、300人程度の配達員チームのリーダーとして活動されていたり、それ以外にも複数のお仕事をされる方とのこと。

ギグワーカーをひろめていきたい。つたえていきたい。そのために肩書きがほしい。そんな想いを共有されました。

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「”シェアエコ・メッセンジャー” どうでしょうか。研究家とかそういう言葉ではなくて、メッセンジャーという言葉のほうが、おざきさんには合う気がします。それに実際UberEATSでメッセンジャーしていると思うので、そういう意味でもぴったりだなと」

助手としてその場に居合わせた私としても、その名前は、おざきさんにぴったりだなあと5分の時間の共有の中でも思うものでした。一番最初ですぐにこうしてぴたっとくる名前が出ることはそんなに多くないけれどたまにあるんだと先生はいいます。

早速名刺に肩書きとして載せて、名乗って行こうと思います!そう言っておざきさんは笑顔で帰って行きました。
さて次はどんな人でしょう。

コンコンコン。
「はい、次の方どうぞー。」
「失礼します。」
「今日は、どうされましたか?」
「名前をつけたいんです。」

次に訪れたのは、ひこねさん。
着物の仕立て(和裁)。心地よい自分と暮らすための整体キネシオロジスト。個人の時間を30分単位で売り買いするTimeTicketでは誰よりも色にこだわるカメラマン。と、複数の活動をされている方。やっていることを一言でまとめて言えたらいいな。そんな相談をされました。

ただ写真を撮るだけでも、ただ仕立てをするだけでもなく、相手に向きあって話を聞いて、その人を写真や着物などで ”こういう人ですよ” と伝える手助けをするのが好きなんです。先生の穏やかな空気といいタイミングに繰り出される質問で、ひこねさんの体から言葉がぽろぽろと溢れてきます。

「ぱっと見ではすぐに分からないけど一言に意味を込めて説明をその言葉を元にできるような言葉と、名前を見てすぐやっていることが分かるのどちらがいいですか?」

ぱっと見て分かるほうがいいです。
パソコンでカチカチと文字を打ち込みながら考える先生。

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”あなたの人生を彩るパラレルワーカー” どうでしょうか? 」
写真を撮ること、着物を仕立てること。そういった活動をしているけれど、その行動の裏には ”人の人生を少しでも彩りたい”という想いがある。その大切な想いを先生は見て、言葉にしたのだなあと助手は1人、先生の背中を見ながら感嘆するのでした。

彩りという表現が気に入りました。といってひこねさんは笑顔で帰って行きました。

コンコンコン。
「はい、次の方どうぞー。」
「失礼します。」
「今日は、どうされましたか?」
「名前をつけたいんです。」

3番目に現れたのは、こんどうさん。税関で国家公務員として6月まで働いたのち、ご自身の経験も踏まえ、出会う人にポジティブな印象を与える服を相手のお話を聞きながら一緒に選ぶ。といった活動をTimeTicketにてされているといいます。服ではなくて、マインドを提供したい。”目の前の人を僕は幸せにしたい” そんな想いが強いんだ。そうこんどうさんはキラキラした目でお話されていました。
ご自身の活動を一言で言い表したい。あとキャッチフレーズもほしい。そんな相談に、こんどうさんと共に頭を動かす先生。

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”ビジョン・コーディネーターもしくはスタイリスト” はどうでしょうか。服を選ぶことを通して、相手のビジョンをコーディネートしている。」
「おお。すごい!ビジョン・コーディネーター。ビジョンって理念とかってことですもんね。うんうん、見えてきました。理念理念・・」
”未来コーディネーター” でもいいかもしれないですね。あなたの生きたい未来を共にするスタイルをコーディネートします 」

あ。未来いいです!話を聞きながら自分の中で見えてきました!

いやあ。すごい。ありがとうございます!握手してください! 10分前まではほぼ初対面。10分後、目の前には立ち上がって、熱い握手をかわす2人がいました。来た時よりもさらにキラキラした目をして近藤さんは帰って行きました。

後日検索をしていたら、さっそくTimeTicketのプロフィールやチケット名が変更されていました。

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こんどうさんが一歩先の未来を、あの場で共に創った言葉とともに歩みだしているのを感じて、私はじんと来てしまいました。

10分。ぼーっとYoutubeを眺めていれば一瞬で過ぎ去る時間で、少し未来への道が開いていく。

その後も4人、5人、6人、7人、8人、9人と。1人1人と本当に濃い10分を過ごした先生。

30分かけても1時間かけても1ヶ月かけても、こんな風に言葉が生まれないことはあると先生はいいます。今回こうして言葉が生まれたのは、みなさんの中に ”自分の言葉” があったから。

先生は何かを教えたわけでも答えを出したわけでもありません。みなさんの中にある言葉を引き出しながら、一緒に紡いでいるのです。一緒に創っているのです。

すごくすごく先の未来ではなくて、一歩先、目の前にある未来を一緒に創っていく。
現場でその時間を共にしていて、そんな感じがしました。

“Future Co-Creation Team” SIGNCOSIGN
自分の言葉で語る人たちと目の前の未来を一緒に創っていきたいです。

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※今回共創させていただいたのは、一般社団法人シェアリングエコノミー協会さんに所属するシェアワーカーの方々です。シェアリングエコノミー協会さんは、新しく9月7日より、シェアワーカーを支援し、声を社会に届ける個人会員制度「SHARING NEIGHBORS」を新設され、そちらには加来もアンバサダーとして参加しております。
※場所は永田町GRIDさんの中の隠れ家でした。

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