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スタンフォード大学版SiEED!?d.schoolとは 【SiEEDのタネ #5】

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はじめに

はじめまして!SiEED学生スタッフ、学部3年生の西本です。僕は、様々な価値観を持つ世界に触れて自分の可能性を広げたいという思いから大学2年時に10か月間カリフォルニア州のロサンゼルスで留学をしていました。今回、同じカリフォルニア州にあるスタンフォード大学で、SiEEDと類似し"これからの時代に求められるスキル"を身につけるためにデザイン思考を用いた授業・プログラムが行われているとのことで、調べてみました。SiEEDが今後も活動を続けていく上で参考にできる点はないかという思いで調査をしました。今回はその調査内容をシェアしたいと思います!(英語のHPを頑張って翻訳しました!)

What is d.school? ~d.schoolとは~

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まず、d.school の名称はHasso Plattner Institute of Design。Hasso Plattnerは創始者の名前、 Institute of Designはデザイン研究所という意味。デザイン思考のためにHasso Plattner。デザイン≒アートの学習を通じて新たな視点、"これからの時代に求められるスキル"によってたてられた場です。デザイン思考から物事を捉え、ビジネスなどに繋げていくことを目標としたプログラムになっています。(デザイン思考については、こちらの記事を参照ください: 学生がアントレプレナーシップ(起業家精神)を養うためには?【SiEEDのタネ #3 】)

2005年に、SAP AG という世界ソフトウェア大手企業の創設者であるHasso Plattnerさんによる35億円の寄付によりスタートしたプログラムで、今年で14年の歴史を迎えます。


What do they do ~d.schoolが行うこと~

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まずd.schoolが実際に主に行っていることを大きく分けると
1、学内の学生向けに開講される講義
2、不定期で開催される学外の方も参加可能なイベント型ワークショップ
です。けっこうSiEEDと似ていますね!詳しく見ていきましょう!

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(引用;https://www.flickr.com/photos/dschoolk12lab/22406891221/)

スタンフォード学生向け授業

まず授業について、数多くの授業が展開されておりその数はなんと2020年春学期だけで17講座に上ります!

<授業例;d.schoolホームページより>
2020年春学期のプログラム、授業

CORE 基礎プログラム
- THE DESIGN OF DATA;データのデザイン
- BEYOND PINK AND BLUE: GENDER IN TECH; ピンクとブルーを超えて:テクノロジーにおけるジェンダー     *pink and blue は性別に対するステレオタイプのこと(男の子のおもちゃは青、女の子はピンクのものばかりだったことが由来)
- DESIGNING FOR DIGITAL AGENCY;デジタル広告代理店のためのデザイン
- REDESIGNING FINANCE;ファイナンスのリデザイン
- OCEANS BY DESIGN;デザインによるオーシャン
- LAUNCHPAD;発射台
- DESIGNING HEALTHCARE FOR SOCIAL JUSTICE;社会的公正のためのヘルスケアをデザインする
BOOST 応用プログラム
- CREATIVE GYM: A DESIGN THINKING SKILLS STUDIO;デザイン思考に磨きをかける
- COLLABORATING WITH THE FUTURE;未来とのコラボレーション
- INTERVIEWING INTENSIVE;徹底的なインタビュー
- DESIGN ACROSS BORDERS;国境を越えたデザイン
POP-OUT 不定期ワークショップ
- DESIGNING FOR DEATH;死のデザイン
- TACTICS OF CREATIVITY;創造性の戦略
- DESIGN FOR HEALTH: EXPLORING NEW FRONTIERS WITH VIRTUAL REALITY;健康のデザイン : VRテクノロジーの最先端を探検する
- TALK TO ME!;人間とAIの会話をデザインする
- GOING TO SCALE OR GOING TO FAIL?;スケールするか?失敗するか?
- OWNING YOUR SPACE & VOICE AS A DESIGNER;デザイナーとして自分の場と意見を持つ

実際の商品を例にデザイン思考を考えるものや、テニスやバレーの例を用いて個人やチームをサポートするためのコーチングスキルを学ぶ講義など多種多様な講義が展開されています。また、実施方法も3つに分類されています。様々なスキルを柔軟に用いてデザイン思考を養う基礎の習得を目的としたCoreクラスや、デザイン思考の技法を実践することに重点を置いた Boostクラス、また単位認定はされないされないものの週末1,2日間、単発的に集中してデザイン思考を学びたい学生にむけて開講されるPop-upクラスの3つに大分され学生と授業のミスマッチが起きないように工夫がされています。これらの授業はスタンフォード大学生に向けた授業で一般公開はされていないようです。

学外の人に公開している授業

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(引用;https://www.flickr.com/photos/dschoolk12lab/22525740444/)
d.schoolではスタンフォード大学生向けの授業とは別に独立して学外の人々むけのプログラムを展開しています。スタンフォード大学以外の大学生はもちろんビジネスパーソンや教育者向けの授業など一般の方々が受講可能なプログラムが用意されています。


K-12 Lab

* K-12とは、アメリカをはじめカナダなどの英語圏を中心に、幼稚園年長の1年と12年間の初等・中等教育を含めた13年間の教育期間を表します。

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(引用;https://www.flickr.com/photos/dschoolk12lab/)

<対象>
教育者
<概要>
初等・中等教育における創造的な問題解決の方法についてワークショップを通じて学びます。具体的には、教育者向けに新しいモデルの実験とデザインアプローチを共有することでデザイン思考の教育を行っています。最終的なビジョンは、多くの教育者がデザイン思考について理解を深め、生徒に教育していくことでK-12全てのステークホルダーにおける機会のギャップを完全に無くすこと。教育者が経験上にあるコンフォートゾーンを抜け出し、新たなスキルや心構えを持つことを目的としています。
(参考;https://dschool.stanford.edu/programs/k12-lab-network)


Fellows in Residence

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(引用;https://www.flickr.com/photos/dschoolk12lab/22828238270/)
<対象>
中堅の専門家または現場のデザイナー
<概要>
d.schoolには、2つのFellowship(特別研究員)プログラムがあります。Project Fellowは、自らの研究分野に連鎖的な変化を起こしていく研究員、もう一方のTeaching Fellowは、d.schoolの教育法を変えていく研究員です。

例えば、2018年から2019年には極めて学際的な課題において、実践的にデザイン思考を教え学ぶプログラムで13カ月間のTeaching Fellowを募集しています。このプログラムは、スタンフォード大学海洋ソリューションセンターとの共催。深い経験のあるデザイナーと海洋の専門家が協働し、デザインと海洋の交差点で、新しい教育プログラムを開発していきます。
(参考;https://dschool.stanford.edu/programs/fellows-in-residence)


University innovation

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(引用;https://www.flickr.com/photos/dschoolk12lab/22525762664/)
<対象>
大学の学生、教員
<概要>
時代に変化をもたらす活動、これからの大学について考える”大学のイノベーション”をリードする学生や教員のためのコミュニティ。毎年、いくつかのワークショップが開催されています。
具体的には、変化をもたらす活動を行う学生たちがこれからの教育のあり方について話し合うワークショップや、授業を通して学生に創造性をつける教育法などを学ぶ教育者向けのワークショップが開催されています。
(参考;https://dschool.stanford.edu/programs/university-innovation)

Designing for social systems

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(引用;https://www.flickr.com/photos/dschoolk12lab/23159976301/)
<対象>
非営利活動、慈善活動、政府および社会的インパクトを与える分野におけるリーダーや実務家
<概要>
社会的変化をデザインするというのはとても複雑で難しいものです。多くのステークホルダーのことや成果に結びつく要因などを熟考すること、より広い視野を持ちながら人々を深く理解すること、不確かな情報の中でも明確さと信念を持つこと、そのうえで数多くの可能性の中からインパクトのある介入の方法を選択していくことなど、が要求されます。d.schoolは、人間中心のデザインは、その活動においてパワフルな方法論であり考え方である、と信念を持っています。このプログラムの最終的な目標は、リーダーや実務家が、より効果的で人間的で戦略的な仕事ができるようになることです。
(参考;
https://dschool.stanford.edu/programs/designing-for-social-systems)


Teaching & Learning

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(引用;https://www.flickr.com/photos/dschoolk12lab/22729936967/)
<対象>
スタンフォード関係の7校、全ての学生と大学教員
<概要>
このプログラムは、どのようにして問題を捉え、イノベイティブな解決方法を見出していくかを授業内外でプロジェクトを通して実践し学ぶことで、創造力を強化することを目的としています。

発見とイノベーションは、しばしば学問分野の境界線で起こります。d.schoolは、スタンフォードの7つの学校の学生と教職員が交じり合う場所。デザインは課題発見と解決のための接着剤であり、共通言語です。
(参考;https://dschool.stanford.edu/programs/teaching-learning)



Executive Education

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(引用;https://www.flickr.com/photos/dschoolk12lab/23134453212/)
<対象>
一般の人など全ての人
<概要>
d.schoolは「創造性は全ての人が持っている」と信じています。人々が、仕事や人生で課題にぶつかった時に引き出される、潜在的な変容の力を涵養するプログラムです。現在、 Design Thinking Bootcamp、 Customer-Focused Innovation、3時間のInnovation Workshops、Innovation at Work (online) という4つのプログラムが用意されています。
(参考;https://dschool.stanford.edu/programs/executive-education)


このように様々な人を対象としたプログラムが展開されています。また特に注目したいのがその授業料。K-12では$750(約8万円)、役員、executive向けのDesign Thinking Bootcampではなんと4日間で$1300(約14万円)!!驚きの金額です。さすが、14年の歴史ですね!

SiEEDとの違いについて


ここからは、スタンフォード大学のd.schoolと私たちのSiEEDプログラムについて類似点と相違点をまとめていきたいと思います!
類似点
・どの学部の学生も受講可能
・一般の方も受講可能
実社会で役立つスキルにフォーカスした授業
相違点
学内生向けと学外向けを完全に分けた授業展開
・多種多様な授業内容の実施
・授業は受講学生をエッセイにより選抜。多くても35名限定。少ないものは12~15名限定。(SiEEDも2020年度2学期よりエントリーシートで選抜予定です)
・学外の人からは受講料を徴収(SiEEDも2020年度の授業と一部の講座は有料の予定です)

まとめ


 14年の歴史を持つプログラム、d.schoolの調査を通して、今後SiEEDでも取り入れを検討すべき点やd.schoolと比べても劣らないSiEEDが持つオリジナリティについても知ることが出来ました。発足から現在まで14年間続いているスタンフォード大学d.school。SiEEDもそのような存在になれるように高品質のプログラム、そして信頼をこれからも築いていきたいと思います。今後もd.schoolやその他、デザイン思考などに関連する事業を行うプログラムについて調べ、良い点をどんどん取り入れることでより良いプログラムを作っていきたいと思います!

参考文献

d.school ウェブサイト

https://designthinking.eireneuniversity.org/

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