見出し画像

"OKR"って一体何なんだ!?

本記事は、読書の質を高めるために始めた私なりの"読書アウトプット"です。本から得た知識・知見を深めるため、学んだことを私の言葉に置き換えて書き綴りたいと思います。今回のテーマはこちら!!

最近、私が所属する部署内で「OKRを始めよ!」という指令があり、一部で運用が始まりました。最初は「なんか変なことが始まったなー」と懐疑的でしたが、OKRを調べてみるとあのインテルやGoogleを成功に導いた素晴らしい取り組みとのこと。せっかくなので、この機会に勉強してみようと思い、この本を読んでみました。

結論から言えば、OKR・・・これは凄い!!

正しく活用できれば、とてつもない威力を発揮しそうです。しかし・・・同時に正しく活用するのは至難の業であり、長い年月と強い意志が必要かも?

そんな素晴らしきも難しい"OKR"とは、一体なんなのか?どんなものなのか?この本の内容をもとに、私なりにまとめてみました。

OKRとは何か?

OKRとは、Objectives and Key Resultsの頭字語であり、日本語で言うと"目標と主要な結果"です。これだけでは何のこっちゃという感じですよね。OKRを端的に言えば、「目標の設定方法」です。何か目標を掲げるとき、「こういう方法で目標設定して管理すると、とても良いことあるよ」というHow toが"OKR"です。

OKRでやることは極めてシンプルで、目標(Objectives)とその目標を達成するための主要な結果(Key Results)を書き出して、それを誰にでも見えるようにするだけです。

画像1

『主要な結果(Key Results)が全て達成されたら、目標が達成される』という関係になっています。このOKRを、会社全体、部署全体、チーム全体、個人でそれぞれ作成して共有します。しかし、やたらめったら作るわけではなく、本当に重要なものだけに絞って、このOKRを作成するのがポイントです。(その他、運用には細かいルールやコツがあるのですがこの記事では省略します。詳しくは、本を読んでください。)

「これをやって何か良いことがあるの?」

と思うのが普通でしょう。でもたくさんあるんですよ、良いこと。OKRに取り組むことのメリットは主に4つです。

OKRのメリット

1.重要なことが明確になる
あなたは今、下記の2点の質問に答えることができますか

・あなたの仕事の中で一番重要なのは何か?
・その仕事はなぜ重要なのか?

OKRを作成するためには、「今何が一番重要」で、それが「なぜ重要なのか」を考えて書く必要があります。組織の目指す目標(OKR)があり、それに紐づく形で部署、あるいは個人のOKRが作成されます。目標の繋がりが視覚的に見えることで、自分の仕事の意味を理解することができます。逆に言えば、会社の方針にそぐわない無駄なことを淘汰できるわけです。

"言われたからやる"という、トップダウンの目標設定ではなく、"重要なことを考えてやる"というボトムアップの目標設定となり、会社が進むべき方向に向かって社員の力を集中させることができます。『重要なことに集中する』ということに全社一丸となって取り組むことができます。
 
2.チームワークが向上する
OKRに取り組むとチームワークが向上します。少し話はそれますが、あなたは下記の質問に答えることができますか。

・あなたの隣の部署が何をやっているのか説明してください。
 
これって、意外と答えられなくないものです。他の部署が何のためにどのような業務に取り組んでいるのか、そういったものが見えるようになっている会社は少ないと思います。組織が大きくなれば尚更です。

そこでOKRが活躍します。部署ごとにOKRを作成し、それを見える化することで"どの部署が何に取り組んでいるのか"が明確になります。そうなれば、同じ業務を違う部署で行ってしまう無駄を省けますし、似たようなことをやっている部署は自然と協力するでしょう。そういった部署間を跨いだコミュニケーションを促すキッカケとなります。

また、個人のOKRも見える化されていれば上司は部下が何に取り組んでいるのか明確にわかりますし、逆も又しかり。上司がどんな目標に対して取り組んでいるのか部下からも見えます。それもまた、上下間でのコミュニケーションを促すキッカケともなるはずです。結果、チームワークが向上するわけです。
 
 3.進捗が管理しやすい
OKR作成のルールとして主要な結果(Key Results)は、具体的であり計測可能なように数値化されている必要があります。進捗は、KRの横に「0〜1」の数字を書いて表記します。(例:進捗が50%なら0.5)

つまり、KRを見ればその目標に対する進捗を一目で確認することができます。誰が見ても、進捗が明確であり、皆んなで進捗を監視することになるため、担当者にとっても良い意味でのプレッシャーになります。

4.挑戦的な取り組みができる
OKRには、”コミットするOKR“と”野心的なOKR“の2つがあります。コミットするOKRとは、100%の達成が求められる目標であり、野心的なOKRとは達成困難な目標で、100%の達成ができなくても良い目標です。このようにOKRを設定すれば、挑戦を明確に区分けし、社員に失敗のチャンスを与えることができます。社員のモチベーションは上がり、イノベーションの創出に繋がります。

OKRの難しさ

良いことづくめのOKRですが、その運用には多くの課題付きまといます。主な課題は2つです。

1.目標と主要な結果の設定が難しい
そもそもOKRを設定するのが難しいのです。目標が明確であり、重要な項目にフォーカスできている。主要な結果が目標の達成に繋がる質の高いものである。数値的に評価が可能である・・・etc

OKRを効果的に運用するために必要なルールはたくさんあります。OKRの意義を理解せずにOKRを作成すると、ただのTo Doリストになりかねず、それでは意味を成しません。OKRは議論を重ね、時間をかけて慎重に設定するものなので、そのあたりの認識を組織全体で合わせる必要があります。

2.OKRをみんなに書いてもらうのが難しい
突然、OKRを始めても「なんかまた面倒なことが始まった」と思って、まじめに取り組んでくれない人が一定数居るはずです。トップダウンで指示を出しても、体裁だけ取り繕って良質なOKRを書いてくれない可能性があります。それでは意味がありません。全員にしっかりと取り組ませるため、根強くアプローチする"OKRの管理人"みたいな人が必ず必要になります。

OKRの本質

OKRは単なる目標設定方法ではなく、企業文化に対する攻撃的なアプローチだといえます。本質は組織の体質改善にあります。組織の縦割りが強く、部署間の連携が上手く取れないと、組織は自部署を守るようになります。

「それはうちの部署の仕事ではない」

といったように、仕事が増えないように協力しない理由を探して連携を阻害します。それでは組織で働いてる意味がありませんよね。自律的な協力を促し、本当に集中すべきことにリソースを集中させるツール・・・それこそがOKRなのです。

まとめ

まるでOKRの導入して成功した人のような語り口で書きましたが、私は本の内容をまとめただけですのであしからず。書籍に書いてある成功体験から、OKRのメリットを理解することは簡単です。しかし、これを効果的に自社で運用せよという話になったら、一筋縄ではいかないというのが正直な印象です。

少し話は変わりますが、会社の気質や文化ってどこに根付くと思いますか?企業のDNAなんて言い方もしますよね。

最近読んだ脳科学の本に書いてあったんですが、脳の中に人の"意識"を司る部分って無いらしいです。自分という存在は、脳のどこかに位置しているわけでないのです。では、何が“意識“を生み出しているのかといえば、『脳細胞一つ一つの信号伝達の結果、意識というものが生み出されている』というのが定説のようです。

これって企業文化も同じだと思うんです。社長が文化を持っているわけでなければ、文化を決めるキーマンが存在しているわけではありません。社員一人一人の繋がり(コミュニケーション)の結果、どこにあるでもなく企業文化というものが存在しているのだと思います。脳細胞は、信号伝達により活性化されなければ死んでいきますが、社員も然り、良質なコミュニケーションが無ければ腐っていきます。

正しく活性化された組織の中で初めて、良い文化や企業DNAが育まれていくのかなと最近思っています。OKRはポジティブで良質なコミュニケーションを促し、組織を活性化させる最良のツールといえるかもしれませんね。

とりあえず直近の課題は、自部署で始まったOKR導入を成功させて、OKRを浸透させていくことです。頑張ります!(まず自分のOKRを作成せねば・・・)

この記事が参加している募集

読書感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?