「オレたちバブル入行組 / 半沢直樹1」 池井戸潤
「相手が善意であり、好意を見せるのであれば、誠心誠意それにこたえる。だが、やられたらやり返す。泣き寝入りはしない。十倍返しだ。」
「オレたちバブル入行組 / 半沢直樹1」 池井戸潤
テレビドラマの「半沢直樹」おもしろかったですね!
このドラマに共感した方がたくさんいらっしゃったということは、「似通った事象が現実にたくさんある」ということなんでしょうか。
ドラマを見ていて、半沢が徹底的に不正を行った上司や融資先の社長、またそれを取り巻く半沢を陥れようとした行員たちに立ち向かい、倍返しする場面、場面、場面を熱くなって見ていました。
「相手が善意であり、好意を見せるのであれば、誠心誠意それにこたえる。だが、やられたらやり返す。泣き寝入りはしない。十倍返しだ。」
小説の方も、テレビに負けじ劣らずおもしろい!
手に汗握る、緊張感。
ドラマと同じようなテンションで読んでしまいました。
もちろん、半沢直樹は堺雅人さんを想像しながら。
あらすじは、解説の新野剛志(作家)さんが端的で、非常にわかりやすく書かれていたので、それを以下に引用させて頂きます。
主人公半沢直樹は東京中央銀行大阪西支店の融資課長で、気の進まない融資案件を支店長のごり押しで通したばっかりに追い詰められていく。
粉飾決算が発覚直後、融資先の会社は倒産。社長は行方をくらまし、債権は回収不能。その責任をすべて押しつけられた半沢は、永久に戻ることのない出向に追いやられる危機に直面する。
(中略)
半沢は、社長の行方を追い、不可能に見える債権回収に奮闘し、やがて倒産劇の裏にあるからくりが見えてきたとき敢然と反撃に打って出るのだ。
僕はこの物語を読んで、「やっぱり普通にまじめにやっていることほど強いものはない」とあらためて思った次第です。
また
うまくいっているときほど気をつけないと、いつか何らかの形で、倍返しを受けるのだと。
そして
仲間
家族
自分の中に持っているプライド
これらは何にも代えられないほど、自分にとって大切なものだと感じさせられました。
この小説を読んで、心に残った言葉を2つ。
半沢といっしょに不正を暴く、不正融資先・西大阪スチールの下請だった竹下金属の竹下社長が半沢に言った言葉。
「たまには正義も勝つ!」
半沢が、同期の渡真利に言った言葉。
「夢を見続けるってのは、実は途轍もなく難しいことなんだよ。
その難しさを知っている者だけが、夢を見続けることができる。
そういうことなんじゃないのか」
【出典】
「オレたちバブル入行組 / 半沢直樹1」 池井戸潤 文藝春秋
いつも読んでいただきまして、ありがとうございます。それだけで十分ありがたいです。