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休日の夕暮れ、一本の電話が【短編小説】【小説1】

 彼は、仕事を辞めることを決意していた。この3年間に意味はあったのか?このまま辞めてしまっていいのか?周りの人はどう思ってるのだろうか?そういった後ろ髪を引かれる感覚は全くと言っていいほど彼の中にはなかった。ただ、見失った灯台の代わりとなる一筋の光に向かって、船は帆を進めようとしていた。  「そういえば夕日がキツイ部屋だったな」連勤明け、仕事を辞める前最後の休日に、オレンジが強烈に差し込み彼の部屋は妙に浸食されていた。その眩しさに灯台を見失ったのかもしれない。行き先を見失った