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オンラインで一体感を生むためにやったことをまとめてみた

こんにちは、HLABの高田です。HLABは2011年から合宿型の高校生向けサマースクールを開催してきましたが、2020年は新型コロナウイルスの影響で夏の開催は見送り冬に延期することとなりました。しかし、冬もやはり感染拡大状況を鑑みた結果、オンラインでの実施を余儀なくされてしまいました。そしてこの夏は、一部オンラインを組み合わせながらのサマースクールを開催予定です。ちなみに、自信満々です(笑)それはなぜか?実は2020年にもうそれは信じられないほどオンラインでのプログラムを実験しレビューしたためです。今回は、私たちが2020年に様々なかたちでトライした上で見出したノウハウをここでまとめてみました!特に新しい発見がない方もいらっしゃるかもしれませんが、少しは参考になるかな?と思います。

オンラインで一体感を生む方法とは?

オンライン実施をしたウィンタースクールでは、当然のことながらHLABが通常の「合宿型」のサマースクールで最重視している「寝食を共にする」ということは実現できませんでした。このことで、私たちが大切にしている「心理的安全性の高い環境」や「一体感」、「偶発的な会話の創出」を実現できるか不安に思うこともありました。しかし、プログラム終了時の高校生の表情やアンケートを見る限り、全体的に参加者にとって居心地のいい、満足度の高いプログラムを提供することができたと安心できました。

参加者が安心感を覚え、「もっと自分のことが好きになれた」「またこの場に帰ってきたい」と思ってくれるようなプログラムを開催できた理由はたくさんありますが、本編では、オンライン&初対面でどのように一体感のある空間を生んだのかを今回は【ツール】という観点から少しご紹介したいと思います。オンラインプログラムをつくる必要がある方には参考になると思います!

「オンラインで開催したのにも関わらず、どうやって地域色を出したのか?」という話については前回こちらの記事で話していますので、ご興味のある方はぜひ先にこちらをご一読ください▼

加えて、ハーバードが公開しているオンライン授業のコツについてもまとめてます。合わせてお読みください▼

おすすめツールはSlackとZoom!

私たちは主なコミュニケーションツールとして、一般的によく使われているSlackとZoomを選びました。当たり前かもしれませんが、短期のプログラムでもSlackを使用する、ということがポイントです。Remoをはじめとする様々なツールも実際に使って検討してみましたが、普及率や使い勝手(特に高校生が慣れていない可能性が高い)という理由から使用を見送りました。

今回オンラインプログラムを開催するにあたり特にチャレンジだったのは、一体感のある空気作り、そして偶発的な対話の創出でした。通常の対面プログラムだと、共に生活をしていることで自然と参加者間の一体感が生まれますし、隙間時間でも会話が自然と生まれます。しかしオンラインプログラムの場合は、企画者の意図なしでは、自然とこのような空気や場が生まれることはありません。

この難関を突破するために、SlackとZoomを駆使して交流の場を捻出しました。「捻出」というと無理やり感がやや漂ってしまいますが、でもオンラインの場合は、とにかく交流の種類と機会を増やすことが大事です。

Slackで、参加者主体の発言の場を作る

Slackを導入している企業や団体は増えていますが、高校生だと使ったことがない人も多くいます。しかしさすがはデジタルネイティブ、感覚的に操作方法を把握してくれていったため、プログラムでは何の支障もなくSlackを活用することができました。

Slackは無料版と有料版がありますが、私たちは有料版Slackを期間中は使用しました。4地域あるので、4つのワークスペースを準備し、各地域の大学生が、各ワークスペースをデザインしていきました。

Slackでは特にチャンネルの設計、そしてSlackを使う上でのマインドセットの共有に拘りました。まずはチャンネルの工夫からご紹介します。

Slackチャンネルの工夫

各ワークスペースのチャンネルには#announcement(業務連絡)#program(プログラム関係の連絡) など運営に必要不可欠な基本チャンネルはもちろん、#self-introduction(自己紹介) #hs-to-hs(高校生同士) #hs-to-mentors(高校生からメンターへの連絡) #funshow(お楽しみ) #whatsup(雑談) など、ふわっとした交流を生み出すためのチャンネルも多く作りました。

<基本3大チャンネル>
使い方は様々。#announcementは主に運営側からの連絡を流す場にし、それ以外は交流の場としました。#programでは企画中に自分が書いた絵や事前課題を共有し、お互いのワークにコメントをしたり、スタンプを押し合ったり。#self-introductionではプログラム開始前に高校生に自己紹介をしてもらうことで、事前期間からお互いのことを知れる機会を作りました。運営側がスタンプや反応を多くしてあげることはかなり重要です。

<高校生からリーチアウトする場>
#hs-to-hsと #hs-to-mentors を、高校生(high schoolers = hs) が他の参加者や大学生にリーチアウトできる場として設けました。このチャンネルは、企画中に話したけど話し足りなかった人と別機会で話す予定調整をしたり、他メンバーに紹介してもらった新しいメンターと予定調整をしたりするために使われていました。普段ならば食事や移動時間中に自然と会話の続きができますが、オンラインだとそれができないため、このように会話の続きが生まれるような工夫をしてみました。

<雑談のネタ提供所>
また、自分の特技を紹介する#funshowや、プログラムや地域に関連しそうなネタを投稿できる #whatsup など、あえて真面目でない話をするための場も設けておくことで、真面目な話をしがちなHLABのプログラムでも、たわいのない会話が生まれるよう心がけました。これらのようなチャンネルを通してお互いの趣味や興味分野を知れることで、プログラムの内容以外についても話せる機会が生まれやすくなったのかなと思います。

<ハウス(班)ごとの空間>
上記のチャンネルに加え、ハウス(参加者を分けた班)ごとのチャンネルも作成しました。HLABのプログラムでは、毎晩「ハウス」という5-10人の行動班で振り返りを行う習慣があるのですが、今回のウィンタースクールでは、Slack上で各ハウス専用のチャンネルを作りました。例年ハウスのメンバーはリフレクション(振り返りの時間)を通し絆を深め、家族のような存在となります。このように落ち着くメンバーのみが入っている空間を確保したことで、全参加者がいるチャンネルに投稿するのが苦手な参加者でも自由に自己表現をしたり、ハウスのメンターに助けを求められる場を準備することができました。大人数が参加するプログラムに参加する際は、このような閉じた空間も時には心の拠り所になるのかもしれません。何十名もいる全体での一体感づくりは難しいですが、少人数グループであればある程度オンラインでの可能です。まずは少人数グループで、そしてその集合体としての全体、という考え方です。

<運営専用のチャンネル>
運営に関しての業務連絡や緊急事態の連絡をするために、#mentors や #emergency などの運営大学生しか入っていない鍵チャンネルも用意しました。このように業務連絡をする場所があったことで、表向きなゴタゴタは最小に抑えることができたと思います。また、企画中に緊急事態(Zoomが落ちてしまった、ブレークアウトルームに飛べない等)があった際でも迅速に対応ができるよう、各企画ごとに#emergencyの対応担当を設置したのもよかったと思います。オープンなコミュニケーションのためにも鍵チャンは少ない方が理想ですが、運営専用のチャンネルを作ることは強くお勧めします。

Slackを使う上での運営側のマインドセット

Slackでのコミュニケーションを気持ちいいものにするために、運営大学生間で以下のようなマインドセットを共有しました。

①スタンプでたくさんリアクション!
プログラム開始前や直後の高校生は特に緊張しているもの。ウェルカム感を感じられるよう、大学生のワクワク度が伝わるよう、運営側はたくさんリアクションをするよう意識しました。

②レスポンスは迅速に!
参加者の不安を減らすために、レスポンスはなる早でするように意識しました。

③オープンな雰囲気!
プログラム期間中はみんなに #whatsup や #hs-to-hs でコミュニケーションを取ってもらいたかったため、「誰でも発言していいんだよ」というような空気感を作り出すように意識しました。しょうもない発言やリアクションを運営側が積極的に(サクラ的に?)やることが大事です。

上記で様々なチャンネルやマインドセットをご紹介しましたが、その中でも特に活きたのは、①誰もが投稿しやすいオープンな雰囲気にするよう働きかけたこと、②企画中に#programでお互いのアウトプットにコメントをしあったり、感想共有をしたこと、だったと思います。Zoomだと発言や雑談がしにくいからこと、Slackで積極的に発言できる場を提供することがとても大切だと感じました。

以上のような場作りを意識することで、オンラインでも雑談を生めるように工夫してみました。皆さんもぜひお試しください。

Zoomで一体感と自由度を生み出す

Zoomでは、背景を揃えることで一体感を生み出し、ブレイクアウトルームを活用することで、対話の流動性を意識し、自由度の高い交流を促しました。

Zoom背景の活用法
オンラインでプログラムに参加していると、ずっとZoom上で同じ時間を過ごしてはいるものの、結局は自宅で一人でパソコンの前に座っているだけなため、「同じプログラムに参加している!」と実感できる機会が少ないと思います。

次は、このような状況下でもなるべく一体感を生み出すために私たちが試してみて、成功したと感じたことをご紹介していきます。

<背景を揃える>
各地域のカラーでHLABオリジナル背景を作成し、高校生に配布しました。しかし、ただ背景を配るだけじゃ物足りない!ということで、より「自分もプログラムの一員だ」という実感を持ってもらえるよう、自分たちで作った地域のキャラクターを背景に組み込んじゃう、ということを試してみました。

写真はHLAB OBUSEの様子です。ご覧の通り、お揃いの緑の背景に加え、各自のオリジナルキャラクターが写ってますね。このようにして、自分の味も背景に足せる工夫を意識したことで、より「自分はHLAB OBUSEに参加している!!」と所属意識と一体感を感じてもらえたかと思います。

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<ブレイクアウトルーム内を自由に移動できるようにする>
先ほども書きましたが、オンラインだと雑談の場を生みにくいことが挑戦の一つとして挙げられます。そこで、私たちはブレイクアウトルーム(BOR)の使い方を工夫することで、自由に雑談ができる機会の創出を試みました。

その方法とは、参加者全員をCo-Hostにすることで、全員が好きなBORを行き来できるようにすることでした。

「え、みんなをCo-hostにしなくても、自由にBORを行き来できる設定あるじゃん」と思ったそこのあなた!実は現在だと、全員をCo-hostにするという面倒臭い作業を踏まなくても誰しもががBORを行き来できるようになってますが、ウィンタースクール当時(2020/12月末)は、まだその機能がリリースされてなかったんです!つまり、HLABの大学生は時代を先読みしてたんですね笑

このようにZoom内でも自由に会話間を移動できるようにしたことで、参加者がより多くの人と交流できる機会を作りました。具体的には、メインプログラム終了後、寝る前の隙間時間に「恋愛」「友人関係」「進路」「おしゃべり」などのテーマについてのルームを数時間開いておくことで、好きな人が、好きなタイミングで、好きなことについて話せるようにしてみたり、事前に予定を合わせた人たちが自分たち専用のBORで語れるようにしていました。

ちなみに参加者のアンケートを読み返してみたところ、このようなざっくばらんに話せる雑談タイムが、他の参加者や大学生とより一層仲良くなるきっかけとなった人が多かったそうです。やはり企画内だとかしこまっちゃったり、大学生も高校生の話を聞こうとあまり自分の話をしなくなりがちですが、雑談タイムは話すべき内容に縛られていないからこそ、お互いのことをより一人の「人」として身近に感じられる機会なるのかもしれない、と読んでいて思いました。

<アルゴリズムを使ってBORの振り分けを決める>
また、上記の雑談タイム以外でもより多くの出会い生めるよう、交流企画などでグループ分けをする際は、HLAB内で事前に考えたアルゴリズムを活用することで毎度新しいメンバー同士のグループが作成されるよう工夫しました。プログラム内で安心できる場を創出できるよう、前半のワークは主にハウス単位で実施していましたが、後半の交流企画ではハウスメンバーとの被りが出ないように機械的に調整しました。
このように様々な参加者と接触できる回数を増やしていくことで、上記の雑談タイムなどでもっと話したいと思えるような相手と出会える機会が生まれるよう、意識しました。

グッズで一体感を生み出す

一体感の醸成には、グッズも非常に有効です。ここでは私たちが今回作ったグッズ、そしてオンラインに向いていると感じたグッズをご紹介します。

私たちはウィンタースクールにおいて、ロングTシャツ、タオル、水筒やペンなどを作り、参加者に送付しました。

これはHLAB OBUSEのグッズ例です。例年はポロシャツを作っていますが、今年は冬開催だったこともあり、HLABとしては初めてロンTを作ってみました。ロンTは期間中にみんなで一緒に着て、一体感を感じるのにも、期間後パジャマとして着るのにも最高でした。対面で会えていないとしても、お揃いのTシャツを来ていること、そしてそれを画面上で見られたことは一体感を感じるのにとても有効でした。

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また、ボトルも参加中にパソコンの横に置いて使うことができたので、「HLABに参加している」感を出すのにはよかったと思います。もしまたオンライン開催のプログラムを開催することになる場合は、自宅から参加できるからこそ、マグカップも向いているかもしれないと感じました。

タオルは記念撮影時に非常に映えることがわかりました。オンライン開催だとなかなか参加しながらタオルを使うということはないと思いますが、長年使い続けれて、見るたびにプログラムを思い出せるという意味では、ベストなグッズだと思います。(タオルはいくらあっても困らないということから、2016に参加した時にもらったタオルをまだ使ってる過去参加者もいるそうです笑)まるでライブ会場です!

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オンラインでプログラムを実施して...

初めは、「ツールをちゃんとみんな使いこなせるか」「十分な交流は生めるだろうか」など心配な点でいっぱいでしたが、いざやってみると、若者の適応力もあるのか、想像よりも遥かに豊かな時間を作ることができました。

コロナ渦の中での生活が始まって早一年になりますが、当分は引き続きオンラインでのプログラムやイベント開催が続くことになるかと思います。これからもニューノーマルの中で模索しながらお互いに頑張っていくことになりそうですが、私たちのこの経験が少しでも皆さんのお役に立つことを願っています。

サマースクール、募集しています

完全オンラインのところも、完全オフラインのものもあるサマースクール、今年2021年は開催します!ぜひご応募くださいね!


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