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自分を変えたいなら「逆」日常に身を置くのがよいかもという話

現在、米国のスタンフォード大学に来ています。大学のキャンパスを歩いているとStanford Bookstoreがあったので(日本で言えば、生協的なもの)ふらっと入ってみると、大量のスタンフォードグッズと、たくさんの本。スタンフォード大学といえば、そこの教員が出版しているベストセラーのビジネス本がたくさんあります。『20歳のときに知っておきたかったこと』や、『自分を変える教室』などなど。これらの原著も平積みになっていました。

何かを得るには、何かを捨てなくてはならないっていうよくある話

平積み本の中でも目立ったのは「Design」という単語たち。デザインスクールであるd.schoolがスタンフォードにはあるので、当然っちゃ当然ですね。そのうち、"Designing your life"というデザイン思考で自分の人生を描こう!という本が特に売れていそうでした。自ら描いて現状を変えたい、という欲求は、日米問わず、人類の同じ根源的なものなんですね。

この類の「変えたい」そしてそこから何かを「得たい」という欲求がある場合、大抵自分自身の価値観と向き合い、それを少し修正したり、時には捨てる必要があります。これまで私が取り組んできたHLABでも、サマースクールを経て多くの高校生や大学生がこのプロセスから変化しているのを目にしてきましたし、自分自身もそのプロセスを経たなぁと感じることがあります。要は、何かを得るには、何かを捨てなくてはならないっていうよくある話です。

「アンラーニング(Unlearning)」という言葉があります。主に組織論において持ち出される概念/用語ですが、ラフに説明すれば「自分や自組織のなかにある凝り固まった知識・ノウハウや価値観を捨てること」ですよね。これを経れば、組織も人も変われる!としてよく用いられている印象です。

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大好きなスターウォーズに出てくるマスター・ヨーダもこう言ってます。

You must unlearn what you have learned
(覚えたことを、すべて忘れるのも大切じゃ。)

私が大学生のとき、2011年にサマースクールを始めた際にはこの言葉を知りませんでしたが、気づけばサマースクールには、アンラーニングの機会がたくさん散りばめられていることに気づきました。今日は私なりの分析を少しご紹介したいと思います。

アンラーニングさせるには、「逆」日常に身を置くとよいのかも

HLABのサマースクールでは、高校生・大学生・社会人が対話しまくります。毎晩夜にはリフレクションと称してその1日や人生を振り返るし、フリーインタラクションという企画では高校生と社会人が様々なトピックを自由に語り合います。

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参加してくれた高校生からは「HLABはセーフプレイス」だ、ということも言われます。どういうことかというと、「やりたいことをやりたいと言っても誰も否定しない」「言いたくないことは言わなくても許される」など、とにかく心理的安全性が高いのだと。学校や家庭とは違う、ってことらしいんです。

さて、高校生を取り巻く環境って、こんな感じだと思います。(※やや偏見あり笑)

・やりたいことや言いたいことを言うと否定される
・点数や偏差値という定量的競争社会で争わされる
・親や先生、クラスメート程度の限られた人のみとの交流
・先生や親のいうことは絶対、逆らってはいけないという価値観
・ルールに縛られることによる低い自由度(ブラック校則も含めて)
・正しい答えがある、という教育の方針

で、前述の高校生のコメントや、我々の設計思想からすると、1週間のサマースクールは以下のような環境で:

・やりたいことや言いたいことを言うことを推奨される
・点数や偏差値という定量的競争社会で争わされることなどなく、学校の偏差値や学年すら無視されたフラットな場
・親や先生、クラスメートを超え、世界中から集まる高校生・大学生・者愛人との交流
大学生や社会人のいうことは絶対なんてことはない、という価値観
ルールがほぼないので高い自由度
正しい答えなんてない、という大前提の方針

要は、真逆なんですよね。HLABでは、この「逆」の日常を創り出しているからこそ、心理的安全性が高くなり、個人のアンラーニングの機会を創り出せているのかもしれません。これ、たぶんサマースクールに参加しないまでも「逆」の日常に少しでも身を置く、あるいはそういう場を自ら創り出すことができそうです。

まぁ、かの大前研一さんも以下のようなことを言っていますね:

人間が変わる方法は3つしかない。
 1番目は時間配分を変える。
 2番目は住む場所を変える。
 3番目は付き合う人を変える。
この3つの要素でしか人間は変わらない。
最も無意味なのは「決意を新たにする」ことだ。

真逆、とまでは言っていないものの、同じようなことをおっしゃっていますね。

今、私もスタンフォードに来ていて様々な人と会ったり話したりしているだけで、「資本主義とは...」「ビジネスとは...」など考えさせられ、行動変容のきっかけになりそう、な、気がする。たぶん。笑

大学生の皆さん、共にアンラーニングできる日常を創り出しませんか?

HLABでは、このような「逆」の日常を共に創り出す大学生の仲間を今月から募集し始めました。2020年の夏に向けて、3月からぜひ一緒に学びながら、そういった場を創っていきませんか?2020年夏はオリンピックもあり、ボランティアに興味がある人もいるかもしれませんが、オリンピックよりも熱い夏を一緒に届けたい!!

そして、説明会も都内で12/16(月)、1/8(水)の夜開催予定!オンライン説明会の動画も近日公開予定ですよ!

P.S. スタンフォードのキャンパス本当に素敵。(写真はwall street journalより拝借)

読んで面白かったら、是非サポートしていただけると嬉しいです!大学生との食べ語り代にします笑