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16年前の君へ

君がいなくなって16年経ったんだって。
ねぇ、信じられる?

あの頃のわたしたちは
まだ高校生で
見える世界が、全部の世界だと思い込んでいたね。

あの日、わたしは君がこの世を去ったことを知らなかった。
君がいなくなったと知ったのは、
2日後に君の父が書き込んでいた君の日記だった。

今でもあの衝撃覚えている。
雷よりも激しく、地震よりも恐ろしく。

あれから16回、毎年この日は君のことを想うよ。幼馴染と一緒に。

何回思い出しても君は17歳で止まっていて
33歳になった君を想像できないんだ。
33歳になっていたら、わたしたちはどんな話をしていたのかな。
あの頃は恋愛とかマンガとかそんな話しかしていなかったけど、
健康の話しているのかもね。

「どんな小さな声でもいい。SOSを出しなさい」
ってわたしに言っていたくせに、
SOSを出さずにいなくなるなんて本当にひどいよ。

もし、もしまた会えたら
わたしはいっぱい君を抱きしめるし
話したいことたっくさんあるよ。

でも一番したいのは
君を現実から遠ざけること。

17歳に見えている世界が、すべてじゃないんだ。

辛かったら逃げ出していいんだよ。
逃げた先にも世界はあるんだ。

世界は広いんだ。

逃げてもいい。
嫌なことは考えなくてもいい。


だから、生きて。




また笑って欲しかった。

ぶーたら不満言って欲しかった。



響子。

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