見出し画像

コロナ禍、自粛期間中に反転した「夢」・「幻想」と「現実」の関係を再考する展覧会

【おすすめの展覧会】

DamaDamTal 個展「そうじゃない明日 / Another Tomorrow 」に行った。

画像1

DamaDamTal は大塚 陽 と みきたまきによる2016年に始動したパフォーマンスユニット。

これまで色々な場面で共に制作させていただいているが、今回の個展は、コロナ禍による自粛期間中に自宅で制作したものを中心に構成した作品展となっている。


    
自宅で制作し、自宅(風呂場や洗面所など)に展示したものをオンラインの情報として、自粛期間中に共有していたものがリアルな空間で見ることができる不思議な体験がここではできる。

画像3

そこにはDamaDamTal がこれまで「夢」、「幻想」などを主なモチーフに作品制作をし、現実の空間で表現されてきた。しかし、これまで現実としてきたそのものの方が、「夢」、「幻想」としてきたものと反転したかのような「現実」に私たちが生きている実感を改めて感じさせてくれるような空間が広がっている。                                          



      

「そうじゃない明日 / Another Tomorrow 」というタイトルにもその反転の感覚に対して、抗いながらも今を生き肯定していく態度が私には感じられる。

そして最後にその実感を反芻するような体験(リアルの空間を共有する身体を持つものどうしが得られるもの)が、来場者には待っている。ぜひそれを含めて楽しんでもらえたら嬉しい。


                                                          

追記になるが、DamaDamTal とはさいたま国際芸術祭2020の先行プロジェクト「さいたまアートセンタープロジェクト」でも様々な作品を制作した。2019年12/11日から2020年1/12には旧大宮図書館で個展「幕はすでに開いております」を開催し、それに関連するレクチャー、ワークショップを開催。また、「さいたま市立ひまわり特別支援学校」では、生徒さんと作品制作をした。さらに、埼玉栄高校のダンス部の生徒との共同制作を芸術祭会期中にも発表する予定だった

画像7

画像8

さいたま国際芸術祭2020「さいたまアートセンタープロジェクト」にて
個展「幕はすでに開いております」を開催

画像5

埼玉栄高校ダンス部の生徒との共同制作の様子


                   
特に「さいたま市立ひまわり特別支援学校」での経験は今回の作品展にも色濃く現れている。
                             
(「さいたま国際芸術祭2020」 ひまわり特別支援学校での児童生徒と招聘作家の制作の様子)


彼らとの制作の中で紙を丸める、破くといった制作過程を共に行う中で、自身のパフォーマンスにも影響があったとみきたまきさんは語ってくれた。

展覧会は7/7まで。         


以下websiteより抜粋                         

DamaDamTal 個展
そうじゃない明日 / Another Tomorrow

会場:rusu
東京都目黒区下目黒3-4-9 (目黒駅より徒歩9分)
https://rusu-meguro.blogspot.com

2020/6/21(日) 〜 7/7(火) *水曜・木曜 休み
Open 14:00〜21:00 常時在廊しております。

◎入場料について
・お一人でご来場の方は無料です。
・会場内の一定の距離と静けさ確保のため、
複数人でのご来場はお一人当たり¥500を頂きます。
その場合でも、入り口からそれぞれ
お一人様のフリをしてご入場頂けましたら無料です。

◎お願い
・万が一、会場内が混み合いましたら入場をお待ち頂く事があります。
・換気は充分にいたしますが、マスクを着用の上ご来場下さい。

お問い合わせ damadamtal2016@gmail.com

---------------------
そうであったはずの明日が蒸発して
そうじゃない明日がやって来ました。
作る事、人前に出る事、この世界に存在する事
について自分の部屋で考え続けました。
これはその記録のようなもので
日記のような、独白のような、
割と青臭いパフォーマンスのようなものです。
よく考えてみたらこれまでも
明日というのは そうじゃない ものでした。
生まれて初めて明日の正体を見た気がします。

どうぞ本当に、
ご無理が無い場合のみご来場下さい。

⚫︎写真作家・造形ワークショップデザイナー ・キュレーター・「時間」と「記憶」をテーマに制作。2012年〜ヒロシマの被爆樹木をフォトグラムで作品制作 ●中之条ビエンナーレ2019参加アーティスト ●さいたま国際芸術祭2020 市民プロジェクトコーディネーター