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13階段

折り畳んだメモを開く。 十数名の名前が並ぶ。すでに三人の名前には、赤い線が上から引かれている。そのうちの一人の名前を確かめるように指でなぞる。ふと、時計を見ると約束の時間まで30分はある。鞄の中を確かめる。それは、鞘に収められていても冷たく禍々しい。 娘の顔を最後に見たのは、7年前。娘の遺体には性的暴行の後があり、首を刃物で切られ、出血多量で殺害された。犯人は、見つかっていない。証拠がなかったわけではない、むしろ多すぎたのだろうか。現場には、いたるところに痕跡があり、容疑者

    • ピーターパンの手枷

      俺は、今地上から70m上空にいる。多分。 無職になって、早半年。自棄になった俺は飲み屋で暴れて、追い出された。前後不覚のまま路地裏でぶっ倒れて、空を眺めていたとき、アルコールのせいか、妙にふわふわ浮くような感覚があった。「今なら、飛べる!」と叫んだ辺りまでは覚えている。気づけば、俺は単身で宙に浮いていた。それも遥か上空で。 始めは酔いもあって喜んだが、一時間飛んでいれば、酔いも覚める。いま、落ちたら死ぬという恐怖も二時間も浮いていれば薄れる。そして、どうすれば降りること

      • 続「放課後探偵団2」の感想。

        残り3つの短編の感想。 "黒塗り楽譜と転校生"「辻堂ゆめ」 合唱練習をしているクラスメート全員の、楽譜のとあるページが、全て黒く塗りつぶされるという事件が起きる話。完全に個人的な理由だが、合唱練習をしている描写が心に刺さる。経験者やリーダー格が頑張っているが、強制参加だからやってるだけのやる気のないクラスメートに対して、空回っていく様子はそこそこリアルさを感じる。頑張って分かりやすく伝えたり、やる気を出してもらうための案を出したりするが、如何せん、経験者特有の慣れ親しんだ

        • 「放課後探偵団2」の感想。

          RFA(偽)を使った運動を始めて、一週間が経つ。とりあえず、押し込んだり引っ張ったりを続けてみたが、ずっとやっているお陰か、ほんの少し筋力が戻ってきたような気がしなくもない。最近は、鎖を具現化する修行をするクラピカのように、肌身離さず持って遊んでいる。他にやることがない。 さすがに、時間の使い方が贅沢すぎるので、本を読んだりもしている。せっかくなので、その感想を備忘録代わりにここに書いてみる。ネタバレは、出来るだけしないつもりではある。ただ、ネタバレを上手く避けながら感想

        13階段

          RFAもどき。

          最近、運動の類いを何もしていないにもかかわらず、暇なので間食が多くなっている。既に体の筋肉の大半が脂肪に置換され、体重も過去最高を更新した。さすがにまずいので、noteに加えて、筋トレも始めてみる。 しかしながら、コロナウイルスの流行っている現状で、ジムに通う勇気はない。お金もそんなにない。そんなときに、偶然入った店で、RFAで使うような輪っか型の健康器具を見つけた。 お値段、500円。 こいつを握りしめながら、近所を走って、道行く人を筋トレバトルでしばき倒せば、もはや

          RFAもどき。

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          テストがてら、書いてみる。 新年を迎え、何か新しいことをしてみようかと思い立ったので、今まであまりやったことのないSNSを始めてみた。 今のところ、時間も余裕があるので、徒然なるままに適当なことを書いてみることにする。

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