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GAFAの中ではAmazonが圧倒的だと思う

最近、元マイクロソフトの日本法人社長の成毛眞さんが執筆した「Amazon]を読んでいて改めて感じたのが、アマゾンのポテンシャル。

よくGAFAということで、グーグル、アップル、フェイスブックなどと比較されるけど、収益の面と事業ポートフォリオの面では他者とは全然違うな〜と感じる。

グーグル・FBは色々な事業を模索しているものの、まだまだ広告事業がメインだし、アップルはハードウェアに偏っているからだ。
もちろんプラットフォーマーとしての占有は凄いが、逆にリスクにもなっている( 実際にグーグルは独禁法で告発されている)

ちなみに、アマゾンの小売事業のシェアはたったの4%のため(通販が小売売り上げに占める割合が10%程度のため)、まだまだ独禁法になるまでに及んでいない。

個人的に、今後の世界のトレンドを考える上で、アマゾンの方向性を考えることが一番納得できるケーススタディになると思う。

一部のメディアでは「アマゾンエフェクト」と言われ、アマゾンによって、その業界が侵食される、ないしは産業を突然死させる影響を持っている。

アマゾンの事業ポートフォリオについて

アマゾンの売り上げは通販事業がまだ主流になっているが、利益の源泉はAWSのクラウドサービス。

AWSの営業利益率は25%と他の事業部門を圧倒している。
ちなみにAWSの利益は44億ドルだが、アマゾンの当期純利益は41億ドルだ。

つまりAWSの利益を、プライムサービスなど収益度外視事業に投資していることがわかる。

また、アマゾンプライム事業で年間費用を預かり金で徴収し、アマゾンマーケットプレイスで、収益の一部を売り上げた後に、提供企業に手数料を引いて振り込む仕組みにより、約30日分のキャッシュフローを前倒しで得ている。

通常の小売企業は物を仕入れて、売れたらお金が入るという流れなので、支払いが先、現金収入が後ということで規模を拡大すればキャッシュフローが悪化するのだが、アマゾンの場合はキャッシュフローの流れが非常に健全だ。

また利益の金額が少ない、場合によっては赤字になる年もあるが、営業キャッシュフローは直近では2兆円以上も稼いでいる。つまり利益の大半を事業成長のために投資していることがわかる。

これらを見ると、アマゾンは一見すると各事業のシナジーについては不明だが、お金の流れで見ると有機的に配分されていることがわかる。

アマゾンの進出業界について

アマゾンはすでにプライム事業でオリジナルコンテンツを作っているが、このクオリティが評価されているのは、彼らがDVDがどのようなものが売れるか?というデータを持っており、それを制作に生かすことができるからだ。

またAWSも元々、自社のために構築したサーバーを流通業者に外販したことがきっかけだし、アマゾンフルフィルメントサービスもアマゾンが持っている倉庫や物流施設を中小事業主に提供するサービスだ。

このようにアマゾンは現在進出している事業や資産を横展開した結果、これだけ事業範囲が広い会社になった。

ということを考えた時にこれから注目したのが、再生可能エネルギー事業とIT機器・サービス事業。

クラウドサービスを提供するに際して一番コストが掛かるのが電力だ。
そこでアマゾンはすでに風力発電に投資しており、数千万世帯を賄うほどの電力を生み出す能力を持っている。

この分野も規模の経済が働くので、アマゾンは投資して進出する可能性が高い。そしてAWS導入企業やプライム会員に電力も併せて提供したら、多くのキャッシュを生む事業になるだろう。

「Amazon]を読んだ感想

これらを踏まえた上で、成毛さんの本を読んで思ったことが、元マイクロソフトの社長がAWSを評価していることの確信。

マイクロソフトもアジュールというクラウドを提供しており、こちらもかなり好調な企業だ。

しかし成毛さんはアマゾンのこれからの可能性や事業性を非常に評価しており、その興奮が本からも伝わってくる。

一体どこまでいくのだろうか??

バブルかどうかは10年後に判明するだろう。
その時、どういう時代になっているか楽しみだ。

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