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スーパーフォーミュラ 佳境を迎えるシート争い

12/4・12/5の二日間に渡って鈴鹿サーキットで開催されたスーパーフォーミュラルーキーテストが終了。


来シーズンのシートを占ううえでカギを握るこのテストには計20台・総勢22名のドライバーが参加することとなった。今回はこのテストを踏まえて現行規定2年目となる2020シーズンのドライバーを予想する。



【トヨタ陣営】

・VANTELIN TEAM TOMS                      

◎ニック・キャシディ ◎中嶋一貴

昨シーズン悲願のドライバーズタイトルを獲得したキャシディとトムスの顔である中嶋一貴のラインナップは維持されるだろう。今回の中嶋のテスト欠場はFIA表彰式に参加するための措置であった。

・ITOCHU ENEX TEAM IMPUL

◎関口雄飛 ◎平川亮

継続の模様


・KONDO RACING

◎山下健太 ◎サッシャ・フェネストラズ

最後の全日本F3王者であるフェネストラズはKONDOからトップフォーミュラにステップアップするようだ。しかもエンジニアはかつてロイック・デュバルら多くの外国人ドライバーを勝利に導いてきた田中耕太郎氏と予想されており、この上ない体制でデビューを飾ることができそうだ。

さらに今季TEAM LEMANSで戦っていた阿部和也エンジニアがKONDO RACINGのユニフォームを着てトランスポーターやピット内を出入りしていた。どうやらスーパーGTでともにタイトルを獲得した山下健太の担当エンジニアを務めるようだ。なお今季の3号車担当だった田中耕太郎エンジニアの姿もあり、彼は今回サッシャ・フェネストラズの担当になるのではないかと見られている。                    jp.motorsport.comより(https://jp.motorsport.com/super-formula/news/2019-rookie-test-update-infomation/4606132/)

山下も今期岡山ラウンドで初勝利を飾ったほか、スーパーGTではチャンピオンを獲得するなどドライバーとして着実に進化。KONDOの2台は来季の台風の目になりそうだ。

・JMS PMU/CERUMO INGING

◎石浦宏明 ◎坪井翔 

継続の模様。加えて撤退が濃厚のチームルマンからSF19の1台を譲り受け3台目をエントリーさせるとの情報もある(もう1台はKCMGへ)。

Team LeMans and Toyota parting ways also has implications for the Super Formula driver market, with its two entries set to be redistributed among the Inging and KCMG teams.                  motorsport.comより(https://www.motorsport.com/supergt/news/fenestraz-nakajima-toms-toyota-2020/4600622/)

しかしながら今回のルーキーテストでは3台目のエントリーや”3人目”と思われるドライバーは参加しておらず、加えてチームルマン名義で旧型エンジンを積んだ8号車(片山善章)がエントリーするなどサードカーを巡る状況は不透明なままである。


・carrozzeria team KCMG

◎小林可夢偉 (〇国本雄資

もう1台のチームルマンのSF19の行先はKCMGとなる見込み。こちらは上述のセルモインギングと異なりテストで国本が小林とマシンをシェアしており、2台体制化の可能性は高いと見て良いだろう。


・UOMO SUNOCO TEAM LEMANS

撤退の見通し。しかしながらSF19に旧型エンジンRI4Aを搭載するというトンデモ魔改造を施してテストに1台で参加。いろいろ勘繰りたくなるが割愛。


【ホンダ陣営】

・DOCOMO TEAM DANDELION

◎山本尚貴 ◎福住仁嶺

継続の模様。山本はトロロッソのサードドライバーとして来季はF1に帯同するとの噂もあったが国内に専念するとみられている。


・TCS NAKAJIMA RACING

◎牧野任祐 △アレックスパロウ △大津弘樹 △大湯都史樹

若手二人の活躍で復活を遂げた古豪は来季もラインナップを維持するとみられていた。しかしながらルーキーテストエントリーリストの64号車のドライバーが突如TBNに。

詳しくは上記URLを参照されたいが、要するにパロウがインディカーのドライバー候補に浮上しテストを欠場したというわけだ。そこで白羽の矢が立ったのがホンダの若手ドライバーである大津と大湯である。

近年はスーパーGTに専念する大津は走行1回目で全体4位を、今期は全日本F3に参戦しながらEFO(ユーロフォーミュラオープン)では勝利も挙げた大湯は走行3回目で全体4位をそれぞれマークした。

今回は2人の若手がアピールしたが、チームが「パロウ待ち」であることは間違いないだろう。


・TEAM MUGEN

◎野尻智紀 〇ユーリ・ヴィップス

RBカラーの15号車には最終戦鈴鹿にもスポット参戦したヴィップスが乗り込みテストに参加。来季のフル参戦が予想されるが、同じくRBジュニアの角田裕毅とともにF2に参戦との噂もある(もっともF2アブダビテストに参加していないことからSFへのフル参戦と見て良いだろうが)。


・B-MAX racing with motopark

〇ルーカス・アウアー △シャルル・ミレッシ

一番予想が難しいのがB-MAX、とりわけ51号車だろう。今回はミレッシのドライブとなったが、彼はドラゴコルセからもエントリーしておりトレーニングとしての参加のような気がしないでもない。彼は昨年チームルマンからルーキーテストに参加していたが、結局アーテム・マルケロフがレギュラーシートを獲得した。今回はどうなるだろうか。

なおRB管轄の50号車に関してはアウアーが継続の模様だが、RBジュニアとしての契約なのかRBアスリートとしての契約なのかは不明。


・REAL RACING

〇塚越広大

継続か...?資金面が心配

・THREEBOND DRAGO CORSE

〇松下信治 

来季より新規参戦(ドラゴコルセとしては復帰)。今季までF2に参戦した松下信治の復帰は新チームでということになりそうだ。


【まとめ】

・チームルマンは撤退濃厚(2台のマシンはKCMGとセルモへ分配か)

・スリーボンドドラゴコルセが新規参戦

・F3王者フェネストラズはKONDOへ

・松下信治が国内復帰へ

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