#社会人1年目の私へ
デザイン専門学校を卒業後、本当はイラストレーターになりたかったにも関わらず、ハナからそんなのなれっこないしと挑戦すらすることなく、デザイナーとして就職という道をえらんだ20歳の頃の自分へ。
採用面接の時、PhotoshopとIllustrator使えます!と虚勢を張って入社したけど、それ、学生レベルもいいところでほとんど仕事では歯が立たないよ。
お金もないのだろうけど、ジーンズの上にボロいジャージを着て出社して部長に注意されるよ。これは古着なんですと言っても分かってもらえないよ。そもそもそういう問題ではないよ。
電話の応対もメールの書き方も、何も知らないよ。卒業後即フリーランスになっていたらと思うとゾッとするね、たくさん学ばせてもらうといい。
給料はびっくりするくらい安いよ。新卒だからという理由で募集条件にあった毎月の給与額から2万くらい引かれてたけど、あれ多分アカンやつやったよね。
残業も半端なく多いよ、自転車で通勤できるところに暮らしたのはマズかったね。嫌でも電車通勤して、それを口実に終電までには帰ろう。
そんな条件的にはブラックもブラック、漆黒企業かもしれないけど、社内の人は皆いい人はだよ。って、あれ、これってつまり洗脳されてるのかな。
新米デザイナーの仕事はとにかく地味だ。写真の切り抜きだけで一日終わることもあるよ。華やかに見えるものの下にはこうした作業が必要と知る。
1年目は仕事に追われて、絵を描く時間もなければ気力体力もないよ。でも大丈夫、2年目には仕事中にコソコソ隠れてまでも描きたくなるから。
わからないことがあればすぐに聞けばいいよ。隠したままだと、結局手に負えずまわりに迷惑がかかるから。助けてくれる仲間がいるので安心して。
1年も経った頃には小慣れすぎて、はやくも「デザインにフレッシュさがない」と言われるよ。小手先だけで物を作るクセははやめになおしておいて。(今もずっとそのままだから)
上司や先輩たちにはたくさんの事を教わるよ。退社した今でも繋がりがあって、ずっと変わらず尊敬できる人たち。1年目に出会えてラッキーだ。
お酒の席でハメを外して余計な事をペラペラ喋るよ。口は災いのもと。徐々にでもよいので、大人の飲み方もおぼえていこう。
デザインが好きになるよ。このままデザイナーでい続けてもいいなとも思う。でもそのうちそれよりも自分の絵が描きたい気持ちが勝るから。
そんな社会人1年目の日々があったから、今のぼくはここにいるよ。はじめは3年くらいで辞めるかな〜と思ったけど結局5年近く勤めることになる。辞めると申し出たときに、ちょっと引き留められたのは自分に思ったよりも力がついた証かもしれないし、ただの思いすごしかもしれない。
今でもあの頃を懐かしく感じることがある。戻りたいかと言われたらまったくそうは思わないけれど、思い出は何もないよりいろいろあった方がいい。
若いうちにかける恥はかけるだけかこう、失敗もたくさんしていい。それがないと本当の成長はない。そう思ってあの頃の頼りなかった自分を肯定しているよ。
そうだ、こんな懐かしいものを見つけたので貼っておくよ。当時「仕事&資格ガイド」という雑誌の取材を受けたね。顔から火が出るくらい恥ずかしいけれど、いい機会だしここで消化しちゃおう。
入社1年目から会社の人も見る誌面で独立願望を口にするもんじゃないね。
でもその後、ちゃんとイラストレーターになったよ!ありがとう!あの頃の自分!
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