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「いらすとや」はクリエイティブを殺すのか?

物騒なタイトルですね。

何年前からか不思議と幾度となく議論が起こる「いらすとや」さんについて。無料イラスト素材が世にあふれることでイラストレーションの価値が下がるのではないか、仕事が奪われるのではないか、といった問題から、どこもかしこも同じ絵ばっかり使ってて大丈夫か?などの心配まで、いつも話題に事欠きません。

最近もまたTwitterのタイムラインでいろいろな意見を目にしました。「いらすとや」はクリエイティブを殺す のではないかということについての議論。

これに関しては2年前に井筒啓之さんがウェブメディアの取材に対して答えているコメントがあります。(以下、その記事より引用しています。)

「いらすとや」をはじめとしたフリー素材サイトの台頭は、本当に「イラストレーターの仕事を奪っている」のだろうか。

「実感としては、そこまで大きな影響はないと思います。ただ、いわゆる『駆け出し』のイラストレーターにとっては厳しい状況になっているのではないでしょうか」

と話す。井筒氏によれば、そもそも「雑誌や広告などで使われるカットイラストの発注数は、リーマンショック頃(編注・2008年)から減ってきていた」という。そうした状況に加え、誰でも簡単にアクセスできるフリー素材サイトが台頭したこともあり、

「イラストレーターに発注しなくても代用がきく、いわば『誰でも描けるようなイラスト』の需要がなくなったのでしょう」

と分析する。

また、井筒氏は「フリー素材サイトが新しいタイプの仕事を作り出していることも確かです」とも明かす。実際、自身の作品を一部のフリー素材サイトに販売することで報酬を得ているイラストレーターも出ているという。

※ 引用元 J-CASTニュース(2016/9/26 記事より)
https://www.j-cast.com/2016/09/26279032.html

ぼくも同じ意見ですし、まわりの同業者にも同じ考えを持つ人は多いです。もちろん「いらすとや」さんの出現で淘汰されていく部分はあると思いますが、クリエイティブが殺されるようなことはないと思っています。


「いらすとや」さんについて、同じ絵描きの立場としてぼくから個人的に言えることは、今も昔も変わらずこれだけです↓

恥ずかしながらこれに尽きます。やっぱりいちいち上手いので、それに負けないようにと張り切ります。「誰でも描けるようなイラスト」を超えて行かねばならない我々に、いらすとやさんはそのボーダーラインを示してくれているのかもしれませんね。

そういった意味ではクリエイティブ全体の底上げをしてくれているのではないかとも。

あとはそもそも予算の出せないクライアントとそうでないクライアントを、自動的にふるいにかけてくれるフィルターの役割も担ってくれている気もしますし、「いらすとや」さんがいることでむしろ良い効果があるのではないかとさえ考えています。

これまで無料でイラストレーションを使ってきたクライアント側の意識も少なからず変わってきているように思います。イラストレーションを使うことが有益であると気がついている人が増えていますよ。(ぼくのまわりではお役所関係とか。)

たとえ無料素材であろうと、イラストを使う人や場面が増えれば次のフェーズとして他との差別化する必要性が高まりますので、そこからむしろチャンスも増えると思ってます。


ただしその変換期だから起こってしまう事なのでしょうか。これだけは困るということがひとつだけ…↓


…ゆくゆくは全部おまかせいただければ!

お待ちしていますので、どうぞよろしくおねがいします。




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サタケシュンスケ(イラストレーター)

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