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失敗しない「読書」の為のマインドセット② (特に子供達に関わる人へ)


どうも、さいさんです。

早速、今回は読書の「目的」とそれがもたらすものは何か?

を考えていきたいと思います。前回は「ただ書物は、君が君自身の中へ帰るのを助けてくれる」というヘッセの言葉を引用しましたが、覚えていらっしゃるでしょうか?

☆ まずは己を知る

読書で発見できる第一はセルフアウェアネスで言われる「内的自己」と言えるでしょう。
 
この点で、自己啓発やスキル本ばかり読んでいる人が、実は成長出来ない・が多いことも説明出来ます。つまり、自分が何者かをわからないままスキルや資格を増やしていっても意味がないのです。

例えていうならば、LV1の魔法使いが自分を魔法使いだとわからないままに武器、盾、防具を買いそろえていく状態と言えます。

それよりも、まず読書(感情が動く本と共に)で自分がどんな価値観を持っているのか、どんな人(キャラクター、個性)をロールモデルにし、あるいはアンチにして生きていきたいのかという事を明確にする。

その方が自己成長にとっても早道なわけです。魔法使いだとわかって、自分のレベルが分かって、どんな魔法が自分に向いているかを知る。全てはそこから始まり、読書は自分の現在地を教えてくれるともいえるでしょう。

☆ ストーリーが大好きな人という生き物

もちろん、ここでの重要な事はどんな「本」を読むかではなく「ストーリー」の存在です。ですから、マンガ、アニメ、動画、ドラマ、映画、歌。感情が動く「ストーリー」であればOKです。

その中で本の優位性を指摘するならば「余白」にあると言えるでしょう。
自分で自分の世界を創造する力を養うという点で、本には他にはない強みがあるからです。

なので、ベストセラーのドラマ化や映画化の難易度は本当に高いといえます。個々人の描いた脳内の理想像を満足させるというのは並大抵ではありません(東野圭吾作品や池井戸作品の主役を演じ切る俳優・阿部寛さんとがスゴイ!)。

【嘘は真実の影! 東野圭吾さんの初期作品で当時僕が一番好きだったのがこちら(映像化された時のヒロインは石原さとみさんでした)。1990年代前半は漫画と言えばスラムダンクとうしおととらと花の慶次。本ではミステリー中心で特に東野作品に大きく影響を受けました】
 
なので、ヒットした作品に関わる方々は本当に偉大な才能を発揮しているといえます(ゆえに、ベストセラー使ってるから楽というのはお門違いな見方と言えるでしょう)。

というわけで、第一の内的自己を導く本を読むための鍵は「ストーリー」。
選択の決め手は個々の「好奇心」の尊重です。

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☆ 日本人に欠けるシェアが読解力、コミュニケーション力を押し下げる

そして第二がコミュニケーション。
情報伝達のミスは、多くがシンプル。気づいたこと、感じたこと、考えたことを話さないゆえに発生する事がわかっています。

つまり、人は情報⇒観察⇒分析⇒結論というプロセスを経ているにも関わらず、言葉として「結論」しか言わない為にギャップが生まれ、誤解が生じるということです。

コーチ、カウンセラーが相手を信じ、相手の言葉は信じないというスタンスを取るのはこうした背景があるからです。

例えばうちの伊那の街でも、行政サイドは「シャッター街」「凋落」といったネガティブな結論(ランチ1つ食べにこないくせに!)を言いますが、この地を訪れる人々は「賑わっている」「個性的」といった言葉を使います。これは同じ情報でも観察、分析のツールや考え方、先入観などの思考感情が違うことで起こるわけです。

そして、どこでも誰でもよくあるあるなのが「どちらが正しいか」という不毛な議論を始める事です。

本来のコミュニケーションとは、同じ情報をどう観察し、どう分析し、どう結論したという全てを揃えてお互いに出し合い、目的に対してよりよい話を深めていく事にあります。

残念ながら、ここが出来ていない人が多いんですね。

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そこで思い出してもらいたいのが、フィンランドのお母さんの子供への関わり方です。

「あなたはどう感じたの?」

「あなたならどうする?」

こうやって、小さい頃から子供自身が自分の中で観察したことや分析したこと、どんな感情を抱き、どんな共感をしたのかを自分の言葉で話せるように導いていますよね。

まさにナイスコーチ!です。

それに、お母さん自身もこの子供との時間で、この子が産まれながらに大切にしている価値観や感覚、好き嫌いをより深く知ることが出来ます。そうすると、そんな発見の日々に子育てもより楽しくなっていくことでしょう。子供に本を押し付けるのではなく、子供が選んだ本に対して「新しい発見」がもたらされるからです。

安心安全な場所で率直に見えたこと、感じたことを話す。

この習慣が身についていない。小さいうちに子供が自分以外の誰にも話せるという安心で安全な環境を大人が与えていない事が、日本人の読解力やコミュニケーション力の低い根本要因とも言えそうですね。

もちろん、これはお母さんの課題ではありません。
はいそこ、犯人作ろうとしない。当然、家族個々の話しでもなく、こうした親が落ち着けない環境を日本中に作ってしまっている社会課題の一つなんですよ。だから、未来の為にも全体で解決しないとですね。

というわけで、第二のテーマである「理解(読解)」の鍵は対話とフィードバック。その決め手は、子供の現在地を理解する大人のレベルアップと尊重のマインドセットです。
 
最後はまとめも兼ねて「未来のイノベーターはどう育つのか?」(英知出版)の一文を引用しておきましょう。余白とそこから導かれる結論は、ぜひ個々で想像してみて下さい。

ではでは!

読書を無理強いする教師に異論を唱えたり、学校に我が子の「違い(特性)」をしょっちゅう説明しなければならない親もいた。起業家マック・コーウェルの母親レスリー・リーの話を聞くと特に胸が痛む。
 
「子供たちが小さい時、毎晩それぞれが本を選び、ベッドに入り、私が読んであげるのが我が家の習慣でした。みんな本や物語が好きだった。ところがマックは小学一年生になった時、紙に書かれた記号の意味が理解できませんでした。他の子供達のように読書をしなかったから、学校はマックに注意欠陥障害(ADD)のテストを受けさせたがった。でも私は、マックが小さい時から(物語について)質問をしていたのを知っているから、この子はADDではないと思っていました。マックはただ、学校が与えた本を読みたくないだけなのだと。だから私は『いいのよ、本は後で読めるからね』と言い聞かせました」
 
「私はマックの担任の先生に会いに行き、マックが本を大好きで、いつかすばらしい読書家になるとわかっているけれど、いま読書を強制したら本を嫌いになってしまうと説明しました。すると彼女は突然泣き始めて言いました。『そう言ってくれて、どんなに私がうれしいかわかりますか。ほとんどの親は、先生がうちの子に読書を教えてくれないからでしょう、と怒鳴るのです』」

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