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日々の雑感 day24【心理的安全性③ 本当の傾聴とは?】

「私だったらこうする」という見方、考え方は愛や傾聴にはまだ届いていない状態だと考えて良いでしょう。

この状態は観客として映画を見ているような状態であって、相手の物語の世界に入り込んでいません。

ハリーポッターを隣で見つめるハーマイオニーやロンのように感じ、ハリーに言葉を伝えることが出来る。そんな感触が対話の中で得られたならば、とてもいい傾聴、共感という愛が発揮できているのだと思います。

傾聴という漢字のイメージが誤解をさせている部分はありますが、

傾聴とは「全員が主体的で活発な対話」の中に存在する

という事を忘れないでおきたいところです。

という具合に傾聴に関してはこの回でも触れていますので、ご参考にしてほしいと思います。

今日は最新のこちらのエビデンスから、より傾聴にフォーカスして学んでいきたいと思います。

☆リーダーに欠かせない相手の話に集中するスキル

ちょいと昔、ある社長さんが自慢げに

「俺はオレのヴィジョンや理念を部下に語っている」

と言っていたことがあります。
対面や時には自らが運転する車の助手席にいる部下に対して、とうとうといかに自分が素晴らしい人間かという事を言い聞かせているようでした。

う~ん、拷問ですね(笑)。

実際にはその社長さんは口ばかりで、彼の言葉を実際に実現しているのは不幸な部下の方々でしたので、本当は彼は感謝や彼らをよりモチベートできるような現場の声を聴く必要があったと思います。

井の中の蛙なんとやら。

日本の政治家でも、最前列の支援者が寝てしまっても、一時間でも二時間でも話し続けるのが政治家の言論力とかそれこそ寝言を言っている方もいましたので、昔の常識ではこうした上からいかに量のある話をするのかが価値基準だったのかもしれません。

実際、ガイ・イツチャコフとアブラハム・N・クルーガーの論文では、フィードバックが部下のパフォーマンスを低下させている要因として、フィードバックが対象者の自己認識を脅かすケースを指摘しています。つまり、

「監督して判断を下すのは上司だ!」という言動や態度が部下のパフォーマンスを下げてしまうということです。先の社長さんも自身の言動や行動が明らかに部下のパフォーマンスを下げているのですが、まったく自覚がありませんでした。

☆恐れの裏返し

リーダー、上司、マネージャー。あるいは教師、親といった人々が傾聴を出来ない主な理由に対し、2人は3つ挙げています。それは、

・権力喪失への怖れ
つまり話を聴くという態度によって部下や子供に自分が甘くみられるのではないかと自分で思い込み、威嚇のコミュニケーション選択をしているということ。

・時間と労力へのジャッジ
時間がない。自分の他の仕事やタスク、考え事に追われているので、部下の話を聴く為に時間を割くというアクションを意識的、無意識的に回避しているということ。Googleがリーダーをプレイングマネージャーにしない理由もこの部分が大きく影響していそう。

・変化への怖れ
相手の話を聴くという行動によって、相手の状況、立場、価値観といったものを受け入れる事。そのことで自分自身に発生する変化を怖れているということ。その経験は時に不快であったり、時に自分に不利益であると想像している。

☆実際のところ

対話の出来る、よく聴くことの出来るリーダー、マネージャーは、

人間志向(タスク志向ではない)と受け取られ、より高度な信頼を醸成し、従業員の満足度やチームの創造性を高めていく

こうしたエビデンスは昨今のこちらの世界では当たり前の帰結とすら言える状況なのだが、実際にはそうではないわけです。

ゆえに、うちの仕事もニーズがまだまだあるわけなのですが、話すことではなく聴くことをスタート地点にすることで、

①仲間、メンバー、部下、子供達は心理的安全性を感じていく。
②リラックスし、話を客観で捉える事から自身の現在地を確かめ、内省しやすくなる。
③他の仲間、メンバー、部下、子供達と協力的になり、自身の考え方等をオープンに共有したいと動き始める。
④その結果、全体の心理的安全性が高まり、全体の生産性も土台から上昇していく。

というプロセスを踏みやすくなることは認知しておきましょう。

次回は、具体的に!という部分に踏み入っていきます。


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