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日々の雑感 day45【ウィニングカルチャーを読んで】

先週、ご一緒にお仕事をさせて頂くこともある中竹さんの新作「ウイニングカルチャー」が到着しましたので、今日は一気読みした内容からいくつか感じたこと、考えたことをシェアしていきたいと思います。

☆勝利の定義

実はここは凄く大切だと感じたのが「あなたにとっての勝利とは何ですか?」ということです。

僕は中高と水球をやっていたわけですが、勝っても後味の凄く悪い試合やまったく印象に残らないような試合もあれば、負けてもとても満足度の高い、充足していた試合もあったりするわけです。

冒頭で中竹さんは

「一度導き出した解をあえて自分で疑い、自問を繰り返し、過去の成果に甘えることなく、自分の殻を破って謙虚に学び続け、進化や成長を止めないこと」

私のウイニングカルチャーとはっきり提示されています。

私にとって、あなたにとって。
自分自身の「勝利とは何か?」「ウイニングカルチャーとは何か?」をきちんと説明できない。それが逆に失敗や敗北へのルートになっている事は多いでしょう。

自分ならと考えた時「出し切った。やり切ったと言える挑戦をすること。結果、敗れたとしても、その敗れたことが未来の財産となるような学びと情熱を絶やさないこと」が思い浮かびました。

みなさんは自分の未来、目的を誰かにわかるように伝える言葉を持っているでしょうか?

よく SONY のコピーが秀逸だと言われるのは、Purpose を目的ではなく存在意義と一歩踏み込んで訳し、読み手が想像し、その未来を描けるように

「クリエイティビティとテクノロジーの力で、世界を感動で満たす」

という言葉でまとめている点にあると言われています。
一方で自治体のコピーなどは悪いお手本とも呼ばれることも多く、そのほとんどが現在の特徴や過去からの要因をダジャレのようにとってつけただけ。その為に、人々に対してその自治体の「未来」や「可能性」を感じさせる言葉になっていない。よって、魅力を感じさせないという結果になっています。

こうした言葉の力という点からも、自分自身の為に自分の言葉を持つという事はとても大切といえるでしょう。

*参考

☆勇気を胸に、堂々と綺麗ごとを言葉にして行動する

後半の早稲田大学から協会へ至り、中竹さんが「主体性」をいかに育んできたかというプロセスにはとても共感し、その努力が並々ならぬ信念とやり抜く力によって達成されたであろうことも想像しました。この国の大人社会あるあるですが、よく自己正当化の闇に呑まれて

「あんなのは理想論だ」

「現実は甘くない」

「それが100%正しいわけでもない筈だ」

といった酔っ払いの言い訳のような話は、そこかしこで見られるわけです。

ありていに言えば「理想を掲げ、理想に近づこうと努力する人」と「言い訳ばかりで、やったふりをする為に時間とエネルギーを浪費し、一歩も進まず、何も変わらない人」と、どちらの世界で生きていきたいのか?という問いになっているとも言えるでしょう。

変化し、成長し、一歩一歩と前進する人への「嫉妬」であることも多いこの現象ですが、僕がいる現場でもそこかしこで起こっている事です。本書での

現場から見るといつもトップダウンで話がコロコロ変わり継続性もなく、責任者が明確でないままいつも中途半端で終わってしまう

という一文は、行政組織、会社、教育(学校)等の至る所であてはまります。そして、

自分で考えて勝てる選手を育てる為には、自分で考えて教えられるコーチを育成することが唯一の方法です

という状況もほぼ変わらずに適応されると思います。
つまり、この国は国全体が「主体性」を失った文化へとどっぷり漬かってしまい、しかも多数派である従順で受動的な国民を導けるカリスマ的な指導者も不在。

そんな、かなり危ない文化(状態、現在地)に見えている人も少なくない状況になってたといえます。

全国高校生マイプロでの流れとかをみていても、ラグビー協会のように文部科学省が示した【主体的な「探求」学習】というテーマに対し、校長や教育委員会、生徒が積極的であるのに、担任や担当教師が抵抗を示しているようなこともままあります。

これは本文であるように「教える指導者」から「学ぶ指導者」へと変わっていくうえで不可避な状況によるものと共通点を感じさせるものです。

2013年にこの高校生マイプロが生まれた岩手県・大槌町のコラボスクールを離れる時に僕は、

「彼ら、彼女らを受け入れられる、お手本となる大人を増やさなければいけない。その為にも自分自身がロールモデルでもあり、周囲の大人へと影響を与える実践者に」

と仲間に伝えました。今年まもなく震災から10年になりますが、このテーマは、これからもより必要となっていくようにもまた読みながら感じていました。

というわけで、ネタバレほどほどにこのあたりまでで。
皆様もぜひ手に取って読まれてみられることをおススメします!


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