見出し画像

教育改革はまちづくりとセットでやらなければ限界が来る〜ソーシャルキャピタルの観点より〜

ソーシャルキャピタルの祖である、パットナムさんの
「孤独なボウリング」の「ソーシャルキャピタルは教育にどのような影響を及ぼすか?」で書いてあったもので非常にビビッときたものを書きます。

人々が互いにつなぎ合う場所であるコミュニティには、物質的な貧富の差、教育水準の程度、人種や宗教といったものを超えて、子供の教育に正の影響を与える何かがあるということである。
逆に言えば、物質的、文化的に有利な立場にあるコミュニティであっても、その中に大人が互いに結びつき合っていなければ、子どもの教育においては良い結果を示さない。

これ、本当ならめちゃくちゃ面白いことだなと。
さらに、

生徒の学習は学校の中や家庭において起こっていることのみ影響を受けるのではなく、学校より広いコミュニティにおける社会的ネットワーク、規範や信頼によっても影響されることを発見してきた。

つまり、これ、学校の中だけ変えようとしてもダメなんですね。
特に戦後の日本は、福祉と教育は
社会福祉協議会、教育委員会ができたことで地域と剥がされてきた。

都会の方の学校は学校に知らない人が入れないように閉ざしてきた。

でもそれだけだと結果として、学校の中でいくら頑張っても子どもにとっての「より良い教育」を提供できないということがわかった。

学校の中を変えよう、変えようとしてきているが、それだけでは限界があるのです。

日本全体の政策としては、
「学校を地域に開く(コミュニティスクール事業)」
「地域と学校の協働の取り組みを地域の人たちで実働させる(地域学校協働本部事業)」
という動きが起こっていますが、その本質が意味するところは、
ソーシャルキャピタルにあるのかもしれませんね。

ただ、これ、その地域のソーシャルキャピタル次第でもあるということ。
本当に良い教育環境を提供していきたいと考えた時には、
ソーシャルキャピタルを向上させるような「まちづくり」も
同時に行う、もしくは連携していくことが非常に重要だということです。

P.S.NPO法人SETでは地域の中高生向けにまちづくり活動を通したキャリア支援を行う「高田と僕らの未来開拓」事業や、
都会の若者たちに修学旅行できていただき、民泊をすることで地域の生活を知ってもらうというような「広田民泊」事業、若手人材向けの4ヶ月のwell-beingスクール「ChangeMakers'College」など、ソーシャルキャピタル をふんだんに活用した教育事業を展開しています。それが1つ、理論として理解できました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?