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第35回東京国際映画祭【作品紹介】アジアの未来編

みなさんこんばんは。
今回はアジアの未来部門を紹介していきます。

『アルトマン・メソッド[The Altman Method]』(イスラエル/ナダヴ・アロノヴィッツ)

長編一作目
日本での公開作 : なし
『March '19』(2020)
 エルサレム映画祭イスラエル短編コンペ

空手道場の経営不振にあえぐ夫と、妊娠中の妻。清掃婦になりすましたアラブ人テロリストを夫が「制圧」したことが評判となり、道場は危機を脱するが、妻は夫の話の不備に気づき始める。夫婦の姿からイスラエルの国情を捉えた意欲作。

 アルトマンってロバート・アルトマンのことですかね?演技についての話ではないはずですが…
 『別離』のような夫婦間サスペンスといった雰囲気でしょうか。それか『英雄の証明』のような?いずれにせよファルハディっぽいなと思ったのは確かです。

『蝶の命は一日限り[Parvaneha Faqat Yek Rouz Zendegi Mikonand]]』(イラン/モハッマドレザ・ワタンデュースト)

長編二作目
日本での公開作 : なし
『Vaghti limooha zard shodand』(2009)
 ファジル映画祭第一回作品コンペ撮影賞
 モントリオール世界映画祭Silver Zenith賞
『Lotus』(2018)
 ロサンゼルス映画祭短編ドキュメンタリー部門

かたくなに沈黙を貫き、誰とも話さない老女。彼女の唯一の望みは、湖に浮かぶ島への立ち入り許可を得ること。そこには彼女を待っている人がいる。しかし、13年経っても入島許可が下りず、彼女はある手段に訴える…。

 これはちょっと観たいかも。長編デビュー作は三大映画祭ではないですが、それなりに名のあるモントリオールで受賞しています。(まあ『たたら侍』とかも受賞しているのであんまり信用できない映画祭なんですが…)
 個人的に気になるのは「湖の浮かぶ島」とその暮らし、彼女を待っている人とは誰なのか。謎があってヒロインの女性も魅力的で気になります。

『クローブとカーネーション[Cloves & Carnations]』(トルコ/ベキル・ビュルビュル)

長編二作目
日本での公開作 : なし
『Bulgur Mill』(2016)
 アンタルヤ映画祭ドキュメンタリー部門
『Benim Küçük Sözlerim』(2018)
 イスタンブール映画祭第一回作品部門

冬景色の南東アナトリア。年老いた難民の男は孫娘を連れ、亡妻の遺体の入った棺桶を引きながら帰国をめざす。しかし戦時下の国境を越えるのは難しく、さらなる困難が降りかかる。平和への希求が伝わる静謐なロードムービー

 予告ではドキュメンタリーでも評価されている監督らしい長回しの固定ショットが見られます。正直フィックス長回しはこのところ多すぎて食傷気味ですが、美しいのは確かです。話も去年の『箱』とかユース部門にもあったと思いますがままある感じ。どのようなロードムービーに仕上がっているのでしょうか。

『へその緒[脐带]』(中国/チャオ・スーシュエ)

長編一作目
日本での公開作 : なし

ミュージシャンの青年は認知症の進む母を引き取り、母の故郷の大草原でふたり暮らしを始める。内モンゴル出身でフランスに学んだ期待の女性監督チャオ・スーシュエ、注目のデビュー作。

 写真からは鮮烈なビジュアルが目を引きます。モンゴル生まれでフランスに学んだ新進監督というだけで期待大です。
 なんとなく話としてもビジュアルでも『ファイアー・ウィル・カム』を彷彿とさせます。抑えたなかの静かな親子愛が描かれるのでしょうか。楽しみです。

『i ai』(日本/マヒトゥ・ザ・ピーポー)

長編一作目
日本での公開作 : なし

兵庫の明石。期待も未来もなく、色のない単調な日々を過ごしていたコウは圧倒的な存在感を放つヒー兄と出会い、人生の輝きを取り戻していく。そんなヒー兄の突然の死。さよならの定義とは?

 マヒトゥ・ザ・ピーポーという方は名前はなんとなく知っていますが具体的に何をしているのかよく分かりません。調べてもよく分からなかったのですがバンドマンということでいいんですか?
 この予告だと何も分かりませんが、森山未來さんがマヒトゥさんとどんなケミストリーをみせてくれるのか楽しみです。ビジュアルは素晴らしいですね。アート。

『消えゆく燈火[燈火闌珊]』(香港/アナスタシア・ツァン)

長編一作目
日本での公開作 : なし

 この作品だけちゃんと日本語字幕、ロゴまで作られていて好印象!シルヴィア・チャン、サイモン・ヤムというスターも気になります。
 香港のネオン輝く町並みは美しいですが、話はよくあるような感じでどのように演出するのか期待半分不安半分です。予告だと少し商業的かなという印象が拭えません。

『アヘン[Opium]』(インド/アマン・サフデワ)

長編二作目
日本での公開作 : なし

「宗教はアヘン」と言ったのはマルクスだが、コメディ、社会派、ディストピアSFなど様々なジャンルの5つの短編から構成された本作は、インドの宗教事情を多角的に浮上させようと試みている。

 監督はTVを中心に活動してきた方のようで、長編デビュー作『Kuku Mathur Ki Jhand Ho Gayi』も商業コメディーのような感じです。しかし予告を観るとしっかりした社会派映画という…作風がよく分かりません。
 美術や撮影のクオリティは一級、5つの短編のオムニバスということでそれぞれがどう繋がるのか、もしくは繋がらないのかも含め少し観たくなりました。

『私たちの場所[A Place of Our Own]』(インド/エクタラ・コレクティブ)

長編二作目
日本での公開作 : なし

トランスジェンダーの二人組が転居先を探そうとするが、性的マイノリティをめぐる不寛容と差別の壁は厚く、家探しは難航する。個人の監督名を冠しない注目の創作集団、エクタラ・コレクティブによる集団製作。

 創作集団による作品というのはなかなか珍しい!エクタラ・コレクティブという名前を覚えておかないといけませんね。
 性的マイノリティの物語は世界中に溢れていますが、インドのトランスジェンダーというのはあまり聞いたことがないので気になります。マイノリティ当事者としてもこれは必見ですね。

『少女は卒業しない』(日本/中川駿)

長編一作目
日本での公開作 : 『尊く厳かな死』(2015)『カランコエの花』(2016)
『カランコエの花』(2016)
 東京国際レズビアン&ゲイ映画祭グランプリ

直木賞作家・朝井リョウの連作短編小説を映画化。卒業式までの2日間を描く、恋する少女たちのさよならの物語。二度と戻れない“あの頃”の感情を呼び起こす新たな青春恋愛映画の金字塔が誕生。

 大評判になった『カランコエの花』の監督新作です。中編、短編ときて長編は初めてとなるはず、期待が高まりますね。河合優実さん、観たことあるなと思っていたら『PLAN 75』のコールセンターの女性、『愛なのに』の女子高生だったんですね!
 『櫻の園』っぽい雰囲気でしょうか。『カランコエの花』から想像すると単なる青春恋愛映画であるはずがないと思ってしまいます。

『突然に[Aniden]』(トルコ/メリサ・オネル)

長編三作目
日本での公開作 : なし

夫と一緒に30年ぶりにイスタンブールに帰還したレイハンは、原因不明の嗅覚障害に見舞われ、絶望して家を出る。見知らぬ町のホテルで働く彼女に新たな出会いが訪れる。観るものの嗅覚、触覚、聴覚が研ぎ澄まされる新感覚映画。

 すみません、長編三作目と書いたんですが、別の情報源だと五作あったりして正確ではないです。まあデビュー作でないことだけは確かです。
 映像が出ていないのでどの辺が「新感覚」なのか分かりません。ただビジュアルに強いこだわりがあるのは写真を見ると分かります。

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