尾瀬国立公園の保全と観光の最適解とエコシステム
尾瀬は1万年前の佇まいを残す、この国の貴重な自然資産であり、生き物や景観の多様性など大自然が作り上げた博物館だ。
9月の5日、6日 宇留賀副知事一行が尾瀬を視察に行くということで、同僚の相沢議員と同行してきた。
一日目は鳩待峠から山の鼻、竜宮から、見晴で初めて山小屋で一泊したが、夕暮れと夜空、早朝の朝焼け。美しい景色は、超高付加価値を感じさせてくれ、尾瀬の可能性も感じた。
翌日副知事一行は至仏山へ、私たちは東電小屋からヨッピ橋経由で帰ってきた。
山小屋での一泊、最高!
特に早朝が、幻想的で美しい!
群馬に住みながら、尾瀬へは何度か足を運んでいたものの、こんな景色があったとは・・・
改めて、尾瀬が群馬の、地球の宝物だということを認識した。
また、同時に課題も見つけた。
羅列すると
・木道は崩れている箇所も多い
・トイレが少なく、3時間かけないと、次のトイレにたどり着けないエリアもある
・野草の保護、鳥獣害被害の対策
・周辺の環境整備
・オバーツーリズムの想定
など課題は山積みだと感じている。
オーバーツーリズムは、未だあまり知られていないものの、この幻想的な景色がインスタで拡散されたら一気にインバウンドが押し寄せて、自然が破壊されていく可能性だってある。
だから、各課題の解決と共にビジョンとエコシステムを作らなくてはならない。
長期的な視点で、尾瀬を保全しながら、発信&集客する。このバランスを計画的に考えることが重要ではないか?
あくまで保全が主で、観光が従であることが前提であるべきだ。
話しは変わるようだが・・・
伊勢神宮は、昨年は717万人の人が訪れる。(草津温泉の約2倍です)
しかし伊勢神宮は、全く観光に、インバウンドに迎合していない。それはエコシステムがしっかり作られているからである。
伊勢神宮のご遷宮。本殿を20年ごとに一新することで、伝統文化の継承と人材育成につながっている。だから荘厳さを1300年の長きにわたって維持している。
社殿に使われる森林や萱が保護管理されている。使う用材は、山が決まっていて、最初の建築時に100年後、200年後も確保できるよう植樹から始まり、必要最低限の木材で建て直しがされてる。
また、建て替えで生じた古い木材や装飾品は、全国神社に下ろされ社殿や鳥居に再利用されており、森の維持と再生につながっている。
と言っても、費用はかかるわけで、2013年550億円。公費(税金)ではなく自費で賄い続ける。
そんな大金。どうしているか?
みなさんの家の神棚。
お正月に全国で領符される神棚の真ん中のお札(神宮大麻)が主な資金源なのです。
天照皇大神宮の神札は、全国神社の本宗である伊勢神宮からの神札です。これを各神社で津々浦々に、毎年領布する。
なんと、このエコシステムは、今から1300年前に天武天皇がつくったもの。
尾瀬にも保全のために、伊勢神宮のようなエコシステムの構築が必要だと思う。
尾瀬は宝物。後世に、より良いカタチで繋いでくことが。私たちの使命です。なので、その財源を持続的に確保していく必要がある。
現在のトイレチップを辞めて、通行税方式を切り替える。木道などは、東電TPCO 企業版ふるさと納税を充実させる。
財源を確保に加えて、財団の在り方などを考え直す必要もあると思う。
うちの神社は来年で創建850年です。
境内で常に思うことは、
悠久の歴史の中で、私たちが生きている時代なんて、ほんの一瞬。
だからこそ、継続した時間軸で、今私たちは何をするべきなのか?と考え、引継ぎも意識して、偽りない行動をするべきだと感じている。
「先人木を植え、後人涼を楽しむ」