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キリンがビールシェアでアサヒを11年ぶりに逆転した理由

2020年上半期のビール類販売シェアでキリンがアサヒを11年ぶりに逆転しました。日経新聞の報道によれば、キリンの販売シェアは37.6%となり、アサヒの34.2%を上回りました。

ビール類販売シェア

なぜキリンは逆転に成功したのか?

キリンが逆転に成功した最大の理由は、外部環境の変化です。

コロナ禍で外食産業が大打撃を受けた結果、業務用ビールの販売量が大幅に落ち込みました。特に大きな影響を受けたのがアサヒです。「スーパードライ」は、販売量の半分が業務用という構造だからです。

キリンは3割、アサヒは6割

19年の実績では、ビール系飲料に占めるビールの割合は、キリンの約3割に対し、アサヒは約6割でした。アサヒの方が「ビール依存度」が高いわけです。これがシェア低下につながりました。

ビール市場は大きく業務用市場家庭用市場に分けられます。下記の通り、発泡酒や第三のビールは大部分を家庭用が占めており、外食産業の好不調の影響を受けにくいという特性があります。

販売数量の用途別シェアは、ビール類で業務用が約2割、家庭用が約8割。これがビールに限ると業務用が5~6割、家庭用が4~5割と、業務用の比率が一気に上がる。発泡酒や第三のビールはほぼ家庭用で、居酒屋など飲食店での消費の落ち込みが、ビールの販売減に直結するという構図だ。

業務用市場が落ち込む中で、家庭用市場をどう攻略するかがビールメーカーの共通課題になっています。これまでのところ「本麒麟」が大ヒットしているキリンが一歩リードしている展開といえます。

今回は以上です。

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